臨床現場で感じる甲状腺眼症診療の課題とは?/アムジェン

アムジェンは、2024年6月20日に、甲状腺眼症の診療を取り巻く現状や課題をテーマとしたメディアセミナーを開催した。同セミナーでは、渡邊 奈津子氏(伊藤病院 内科部長)が甲状腺眼症の診断や治療について、神前 あい氏(オリンピア眼科病院 副院長)が甲状腺眼症の臨床経過についてそれぞれ語った。 甲状腺眼症はバセドウ病やまれに橋本病に伴ってみられる眼窩組織の自己免疫性炎症性疾患であり、多岐にわたる眼症状を引き起こす。甲状腺は、甲状腺ホルモンを合成・分泌する役割を担っており、正常な状態では下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が甲状腺のTSH受容体と結び付き、適量のホルモンが分泌される。しかし、バセドウ病では、TSH受容体に対する抗体が生成され、常にTSH受容体が刺激されて過剰なホルモンが分泌される。甲状腺眼症は、目の周囲の眼窩におけるTSH受容体が刺激されることで発症する。甲状腺眼症の病態は非常に広範であり、瞼、角膜、結膜、外眼筋、視神経、脂肪組織、涙腺など、さまざまな部位に影響を及ぼす。たとえば、涙腺の炎症によって涙が出にくくなったり、脂肪組織や外眼筋の肥大により眼球が飛び出したりするケースがある。最重症例では、視神経が圧迫されて視力障害や視神経萎縮が起こることもある。一方で、眼の症状については見落とされることがしばしばあり、臨床で問題となることもあるという。