整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:22

五十肩は関節内ステロイド注射が短期的に最も有効な治療

 五十肩(肩関節周囲炎)に対するさまざまな治療の有効性について、英国・グラスゴー大学のDimitris Challoumas氏らが65研究のメタ解析を行った結果、関節内ステロイド注射が他の治療(外科的治療を除く)と比べて短期での有用性が高く、その優位性は6ヵ月継続することがわかった。この結果から著者らは、五十肩には最初に関節内ステロイド注射が行われるべきとしている。JAMA Network Open誌2020年12月16日号に掲載。  本研究では、五十肩の治療について他の治療法やプラセボ/無治療と比較した無作為化試験を2020年2月にMedline、EMBASE、Scopus、CINHALで検索し、2名が独立して抽出した。主要評価項目は疼痛と機能、副次評価項目は外旋可動域であった。ペアワイズメタ解析の結果は、疼痛と外旋可動域の平均差および機能の標準化平均差として提示した。追跡期間について、短期(12週以下)、中期(12週超12ヵ月以下)、長期(12ヵ月超)に分けた。

「リウマチを悪友」と呼ぶ患者さん/日本イーライリリー

 高血圧、糖尿病などとともに慢性疾患の代表格と言われる「関節リウマチ」。わが国の関節リウマチ患者数は70~80万人と推定され、仕事や家庭を築くライフステージの重要期にある40代の女性が診断されることも多い疾患と言われている。近年では、治療薬の進歩もあり、患者さんのQOLの改善は大きく進展している。その一方で、目に見えない「痛み」、「倦怠感」、「朝のこわばり」という症状は、周囲の理解を得ることが難しく、また、伝えることも容易でないため、社会生活において悩みを抱える患者さんも多いという。  日本イーライリリーと女性の暮らしを応援する「生活情報サイトハルメクWEB」は、関節リウマチ患者さんの周囲に理解されにくい症状・日常生活の困りごとを俳句で詠む「GoodDAY関節リウマチ俳句コンテスト」を共催し、受賞作品を発表した。

70歳以上、ビタミンD・ω3・運動による疾患予防効果なし/JAMA

 併存疾患のない70歳以上の高齢者において、ビタミンD3、オメガ3脂肪酸、または筋力トレーニングの運動プログラムによる介入は、拡張期または収縮期血圧、非脊椎骨折、身体能力、感染症罹患率や認知機能の改善について、統計学的な有意差をもたらさなかったことが、スイス・チューリッヒ大学のHeike A. Bischoff-Ferrari氏らが行った無作為化試験「DO-HEALTH試験」の結果で示された。ビタミンD、オメガ3および運動の疾患予防効果は明らかになっていなかったが、著者は「今回の結果は、これら3つの介入が臨床アウトカムに効果的ではないことを支持するものである」とまとめている。JAMA誌2020年11月10日号掲載の報告。

転倒リスクを測定、立位年齢を1分で測定できる「StA2BLE」とは

 皆さんはご自身の転倒リスクについて意識したことがあるだろうか? 転倒はQOLの低下を招くばかりか要介護の原因となる。そのため、国の政策でも転倒予防が掲げられているが、アンメットメディカルニーズであることから抜本的な解決にはつながっていない。  10月26日にWeb開催された日本抗加齢協会主催『第2回ヘルスケアベンチャー大賞』において、転倒リスクを回避できる画期的な技術についてプレゼンテーションした、合同会社アントラクトの「StA2BLEによる転倒リスク評価と機能回復訓練事業」が大賞に選ばれた。プレゼンターを務めた島 圭介氏(横浜国立大学大学院工学研究院 准教授/アントラクトCEO)らの研究は、転倒リスクから身を守るだけではなく抗加齢につなげることを目標に設計されており、立位年齢TMが抗加齢分野において新しい指標として活用が期待されると多くの審査員から支持を得た。本稿では、見事に賞金100万円を手にした島氏への取材内容を交えてお届けする。

高齢者の転倒・骨折予防、スクリーニング+介入は有効か/NEJM

 高齢者の転倒による骨折の予防において、郵送での情報提供に加え、転倒リスクのスクリーニングで対象を高リスク集団に限定した運動介入または多因子介入を行うアプローチは、郵送による情報提供のみと比較して骨折を減少させないことが、英国・エクセター大学のSarah E. Lamb氏らが行った無作為化試験「Prevention of Fall Injury Trial」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2020年11月5日号で報告された。高齢者における転倒の発生は、地域スクリーニングとその結果を考慮した予防戦略によって抑制される可能性があるが、英国ではこれらの対策が骨折の発生、医療資源の活用、健康関連QOLに及ぼす効果は知られていないという。

好きな医療系漫画ランキング、あなたのお気に入りはありますか?

 最近、医療現場のリアルを描いた医療系漫画が注目され、話題作が次々と映像化されている。では、実際の医師はどんな医療系漫画を好んで読むのだろうか。  ケアネットでは、会員医師に協力いただき、好きな医療系漫画についてのアンケートを実施した。2020年9月17日~10月2日に1,600名を対象として、今年に入ってから医療系漫画を1冊以上読んだかどうかを聞き、「はい」と回答した方に好きな作品や印象的なエピソードなどを聞いた。

消化性潰瘍の予防法が明確に-『消化性潰瘍診療ガイドライン2020』

 消化性潰瘍全般の国内有病率は減少傾向を示す。しかし、NSAIDs服用患者や抗凝固薬、抗血小板薬服用患者の潰瘍罹患率は増加の一途をたどるため、非専門医による予防対策も求められる。これらの背景を踏まえ、今年6月に発刊された『消化性潰瘍診療ガイドライン2020』(改訂第3版)では、「疫学」と「残胃潰瘍」の章などが追加。また、NSAIDs潰瘍と低用量アスピリン(LDA:low-dose aspirin)潰瘍の予防に対するフローチャートが新たに作成されたり、NSAIDsの心血管イベントに関する項目が盛り込まれたりしたことから、ガイドライン作成委員長を務めた佐藤 貴一氏(国際医療福祉大学病院消化器内科 教授)に、おさえておきたい改訂ポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。

生物学的DMARD抵抗性RA、ウパダシチニブvs.アバタセプト/NEJM

 生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)に抵抗性の関節リウマチ患者において、ウパダシチニブはアバタセプトと比較し、12週時の疾患活動性スコア(DAS28-CRP)のベースラインからの変化量および臨床的寛解率に関して優越性が認められた。ただし、重篤な有害事象の発現率は高かった。スイス・Cantonal Clinic St. GallenのAndrea Rubbert-Roth氏らが、24週間の多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第III相試験「SELECT-CHOICE試験」の結果を報告した。ウパダシチニブは経口選択的ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、関節リウマチの治療薬として用いられているが、bDMARD抵抗性の関節リウマチ患者において、T細胞選択的共刺激調節薬のアバタセプトと直接比較したウパダシチニブの有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2020年10月15日号掲載の報告。

五十肩の手術治療、理学療法に対する優越性示せず/Lancet

 凍結肩(frozen shoulder[五十肩]=adhesive capsulitis[癒着性関節包炎])の治療において、麻酔下肩関節授動術(manipulation under anaesthesia:MUA)、鏡視下関節包切離術(arthroscopic capsular release:ACR)および早期構造化理学療法(early structured physiotherapy:ESP)はいずれも、1年後の患者報告による肩の痛みや機能を大きく改善するが、これら3つの治療法に、臨床的に明確な優越性を示す差はないことが、英国・ヨーク大学のAmar Rangan氏らが実施した「UK FROST試験」で明らかとなった。研究の詳細は、Lancet誌2020年10月3日号に掲載された。MUAおよびACRによる外科的介入は、高価で侵襲的な治療であるが、その実臨床における効果は明確でないという。また、ESPは、英国のガイドラインの推奨や肩専門理学療法士によるエビデンスに基づいて、本研究のために開発された関節内ステロイド注射を含む非外科的介入で、外科的介入よりも迅速に施行可能であることからこの名で呼ばれる。

医療のイノベーション、ヘルスケアベンチャー大賞で体感しよう!

 昨年盛況に終わり、今年2回目を迎える『ヘルスケアベンチャー大賞』(主催:日本抗加齢協会、共催:日本抗加齢医学会)。この最終審査が10月26日(月)に開催される。  ヘルスケアベンチャー大賞は、アンチエイジング領域においてさまざまなシーズをもとに新しい可能性を拓き、社会課題の解決につなげていく試みとして、日本抗加齢医学会のイノベーション委員会発足後、坪田 一男氏(日本抗加齢医学会イノベーション委員会委員長)らが2019年に立ち上げた。ベンチャー企業や個人のアイデアによるビジネスプランを書類審査、1次審査、最終審査の3段階で評価し表彰する。