整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:22

アプリでのバランス感覚練習、2年で高齢者の転倒率低下/BMJ

 StandingTallは、アプリケーションを用いて自宅で行うe-ヘルスのバランス感覚練習プログラム。オーストラリア・Neuroscience Research AustraliaのKim Delbaere氏らは、高齢者の自己管理による転倒予防におけるStandingTallの有用性を検討し、1年間では転倒率や転倒者の割合は改善されないものの、2年間継続すると、転倒率や処置を要する転倒の割合が低下する可能性があることを示した。研究の成果は、BMJ誌2021年4月6日号に掲載された。

PADの歩行運動療法、低強度では有効性なし/JAMA

 末梢動脈疾患(PAD)患者への在宅歩行運動療法において、低強度の歩行運動は、高強度の歩行運動に比べ、12ヵ月後の6分間歩行距離の改善について有意に効果が低く、運動をしない場合と比べて有意な差はなかった。米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らが、305例を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。運動能力の低下したPAD患者には、監督下で行う虚血性下肢症状を誘発する高強度の歩行運動が初回療法とされているが、そのアドヒアランスは不良であることが知られている。著者は、「今回の結果は、PAD患者の客観的測定に基づく歩行能力改善のための低強度の在宅歩行運動は支持されないことを示すものであった」と述べている。JAMA誌2021年4月6日号掲載の報告。

JAK阻害薬upadacitinib、対アダリムマブの優越性は?/NEJM

 乾癬性関節炎患者の治療において、ウパダシチニブはプラセボおよびアダリムマブと比較して、12週時に米国リウマチ学会(ACR)基準で20%の改善(ACR20)を達成した患者の割合が高いが、プラセボに比べ有害事象が高頻度にみられることが、英国・グラスゴー大学のIain B. McInnes氏らが行った「SELECT-PsA 1試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年4月1日号に掲載された。ウパダシチニブは、可逆的な経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、関節リウマチの治療薬として承認されている。また、アダリムマブは、腫瘍壊死因子α阻害薬であり、関節リウマチおよび乾癬性関節炎の治療に使用されている。

zoom導入率は?医療機関のオンライン化はこの1年でどのくらい進んだか

 この1年間、新型コロナの影響で院内カンファレンスや学会のオンライン化が一気に進んだとされる。実際のところ、医療機関ではどんなツールが導入され、どんな目的に使われているのか。20床以上の医療機関に勤務する会員医師にオンラインアンケートを行い、1,019人から回答を得た。  「『2020年以降』に、勤務先の医療機関で導入されたオンラインツール」(複数回答可)を聞いた設問では、オンライン会議ツール「zoom」が620人(61%)と最多となり、「LINE」が122人(12%)、「Skype」が66人(6%)と続いた。「2020年以降に導入されたツールはない」との回答は329人(32%)だった。

関節機能改善剤のジョイクル関節注、国内製造販売承認取得

 小野薬品工業株式会社と生化学工業株式会社は、3月23日、関節機能改善剤「ジョイクル(R)関節注30mg」(一般名:ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム)について、「変形性関節症(膝関節、股関節)」の効能又は効果で国内製造販売承認を厚生労働省より取得したことを発表した。  ジョイクルは関節機能改善剤において、変形性股関節症の適応を持つ国内初の医薬品。生化学工業独自の薬剤結合技術を用いヒアルロン酸にジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤で、加水分解によってジクロフェナクを遊離する。

視神経脊髄炎スペクトラム障害の治療薬/田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬株式会社は、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症とした治療薬イネビリズマブ(商品名:ユプリズナ 点滴静注 100mg)の製造販売承認を2021年3月23日に取得した。  視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder:NMOSD)は、わが国での有病率が10万人あたり2~4人と少ない疾患で、重度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患であり、指定難病となっている。

膝OAの高強度筋トレ、1年半後のアウトカムは?/JAMA

 変形性膝関節症(膝OA)の患者への介入として、高強度筋力トレーニングは低強度筋力トレーニングや注意制御と比較して、膝痛や膝関節圧縮力の長期的な改善効果をもたらさないことが、米国・ウェイクフォレスト大学のStephen P. Messier氏らが実施した「START試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2021年2月16日号で報告された。大腿筋の筋力低下は、膝の痛みや変形性関節疾患の進行と関連するため、米国の診療ガイドラインは変形性膝関節症患者に筋力トレーニングを推奨している。高強度筋力トレーニングは、関節への圧迫力が大きいため変形性膝関節症の症状を悪化させる可能性があるものの、短期であれば安全で、高齢患者にも十分に忍容可能とされる。

低用量アスピリンも、NSAIDsに使用上の注意改訂指示

 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課は2月25日付の課長通知にて、妊婦全般が禁忌になっていない非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)について添付文書改訂を指示した。  改訂内容は妊婦への使用に関するもので、妊婦全般が禁忌になっていないNSAIDsによる胎児の腎障害出現や羊水過少リスク上昇について、国内での論文報告などを受けて行われた。米国では昨年10月、広く使用されている鎮痛薬を妊娠20週以降に服用すると合併症のリスクが高まる可能性があるとして、食品医薬品局(FDA)が「妊娠20~30週の妊婦に対するNSAIDsの処方は限定的にし、必要な場合にも、最小限の用量で可能な限り最短期間の処方とする旨の注意喚起を行う」と改訂を指示していた。ただし、日本国内において、妊娠時期に関する明記は現段階では避けている。

強力ステロイドの外用の継続使用、骨粗鬆症と関連

 作用が強力なステロイド外用薬の継続的使用は、用量依存的に骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折のリスクを増大するとの研究結果が示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らが、2003~17年に強力もしくは非常に強力なステロイド外用薬治療を受けたデンマーク成人患者72万3,251例について後ろ向きに解析し、明らかにした。これまで内服もしくは吸入コルチコステロイドについては、継続的使用や大量使用において骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折リスクとの関連性があることが示唆されていたが、外用薬については大規模な検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。

変形性関節症の痛みに、SNRIが有効な可能性/BMJ

 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の疼痛や能力障害(disability)に対する効果は小さく、背部痛への臨床的な意義はないものの、変形性関節症への臨床的に意義のある効果は排除できず、ある程度有効な可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のGiovanni E. Ferreira氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年1月20日号で報告された。抗うつ薬は、背部痛(神経根症状の有無を問わず)や股関節・膝の変形性関節症の治療に広く用いられており、多くの診療ガイドラインがこれを推奨している。一方、背部痛や股関節・膝の変形性関節症への抗うつ薬の使用を支持するエビデンスは十分でないという。