整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:25

低用量アスピリンも、NSAIDsに使用上の注意改訂指示

 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課は2月25日付の課長通知にて、妊婦全般が禁忌になっていない非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)について添付文書改訂を指示した。  改訂内容は妊婦への使用に関するもので、妊婦全般が禁忌になっていないNSAIDsによる胎児の腎障害出現や羊水過少リスク上昇について、国内での論文報告などを受けて行われた。米国では昨年10月、広く使用されている鎮痛薬を妊娠20週以降に服用すると合併症のリスクが高まる可能性があるとして、食品医薬品局(FDA)が「妊娠20~30週の妊婦に対するNSAIDsの処方は限定的にし、必要な場合にも、最小限の用量で可能な限り最短期間の処方とする旨の注意喚起を行う」と改訂を指示していた。ただし、日本国内において、妊娠時期に関する明記は現段階では避けている。

強力ステロイドの外用の継続使用、骨粗鬆症と関連

 作用が強力なステロイド外用薬の継続的使用は、用量依存的に骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折のリスクを増大するとの研究結果が示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のAlexander Egeberg氏らが、2003~17年に強力もしくは非常に強力なステロイド外用薬治療を受けたデンマーク成人患者72万3,251例について後ろ向きに解析し、明らかにした。これまで内服もしくは吸入コルチコステロイドについては、継続的使用や大量使用において骨粗鬆症や骨粗鬆症性骨折リスクとの関連性があることが示唆されていたが、外用薬については大規模な検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。

変形性関節症の痛みに、SNRIが有効な可能性/BMJ

 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の疼痛や能力障害(disability)に対する効果は小さく、背部痛への臨床的な意義はないものの、変形性関節症への臨床的に意義のある効果は排除できず、ある程度有効な可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のGiovanni E. Ferreira氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年1月20日号で報告された。抗うつ薬は、背部痛(神経根症状の有無を問わず)や股関節・膝の変形性関節症の治療に広く用いられており、多くの診療ガイドラインがこれを推奨している。一方、背部痛や股関節・膝の変形性関節症への抗うつ薬の使用を支持するエビデンスは十分でないという。

診療所の新型コロナ感染対策、Web問診サービスを1年無償で提供/Ubie

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を受け、Ubie株式会社は「AI問診ユビー for クリニック」を、全国のクリニックに向けて利用料1年分(12万円相当)無償で緊急提供することをプレスリリースで発表した。2021年1月8日~2月26日までの契約開始を条件に、利用開始日から1年間の無償期間を設ける。  なお、内科系・整形外科・一般外科系のクリニックが対象とされ、タブレット導入費、電子カルテ連携費、通信費などの実費は、医療機関による負担となる。

「ω-3多価不飽和脂肪酸、ビタミンD、筋力トレーニング運動による治療は効かない」ってほんと?(解説:島田俊夫氏)-1341

ω-3多価不飽和脂肪酸の中でもEPA、DHAが、心脳血管障害、がんの予防に効果があるか否かについては、議論の多いところである。しかしながら、ちまたではこれらのサプリメントへの嗜好が強くなっている。さらにビタミンDに関しても実臨床の中で、すでに骨粗鬆症の治療にあまねく使用されている。また、筋力トレーニングの運動プログラムは健康改善に寄与するとの考えが生活の中に定着している。

外科医が自分の誕生日に行った手術で、死亡率増/BMJ

 緊急手術を受けたメディケア受給患者の死亡率を分析した結果、外科医が手術を自身の誕生日に行った患者の死亡率が、誕生日以外の日に行った患者の死亡率と比べて高いことが判明した。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の加藤 弘陸氏らが行った全米規模の観察研究の結果で、著者は「本所見は、外科医が手術室で、手術とは直接関係のない出来事で注意散漫になりうることを示すものである」と述べている。手術室では、臨床的出来事や個人的出来事によって、注意をそらされることが日常的に起きているという。研究室での実験では、注意散漫が外科医のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があることは示されているが、患者の転帰にどれほど影響するのか、リアルワールドのデータを使用した経験的エビデンスは限定的であった。BMJ誌2020年12月10日号クリスマス特集号の「THE CITADEL」より。

五十肩は関節内ステロイド注射が短期的に最も有効な治療

 五十肩(肩関節周囲炎)に対するさまざまな治療の有効性について、英国・グラスゴー大学のDimitris Challoumas氏らが65研究のメタ解析を行った結果、関節内ステロイド注射が他の治療(外科的治療を除く)と比べて短期での有用性が高く、その優位性は6ヵ月継続することがわかった。この結果から著者らは、五十肩には最初に関節内ステロイド注射が行われるべきとしている。JAMA Network Open誌2020年12月16日号に掲載。  本研究では、五十肩の治療について他の治療法やプラセボ/無治療と比較した無作為化試験を2020年2月にMedline、EMBASE、Scopus、CINHALで検索し、2名が独立して抽出した。主要評価項目は疼痛と機能、副次評価項目は外旋可動域であった。ペアワイズメタ解析の結果は、疼痛と外旋可動域の平均差および機能の標準化平均差として提示した。追跡期間について、短期(12週以下)、中期(12週超12ヵ月以下)、長期(12ヵ月超)に分けた。

「リウマチを悪友」と呼ぶ患者さん/日本イーライリリー

 高血圧、糖尿病などとともに慢性疾患の代表格と言われる「関節リウマチ」。わが国の関節リウマチ患者数は70~80万人と推定され、仕事や家庭を築くライフステージの重要期にある40代の女性が診断されることも多い疾患と言われている。近年では、治療薬の進歩もあり、患者さんのQOLの改善は大きく進展している。その一方で、目に見えない「痛み」、「倦怠感」、「朝のこわばり」という症状は、周囲の理解を得ることが難しく、また、伝えることも容易でないため、社会生活において悩みを抱える患者さんも多いという。  日本イーライリリーと女性の暮らしを応援する「生活情報サイトハルメクWEB」は、関節リウマチ患者さんの周囲に理解されにくい症状・日常生活の困りごとを俳句で詠む「GoodDAY関節リウマチ俳句コンテスト」を共催し、受賞作品を発表した。

70歳以上、ビタミンD・ω3・運動による疾患予防効果なし/JAMA

 併存疾患のない70歳以上の高齢者において、ビタミンD3、オメガ3脂肪酸、または筋力トレーニングの運動プログラムによる介入は、拡張期または収縮期血圧、非脊椎骨折、身体能力、感染症罹患率や認知機能の改善について、統計学的な有意差をもたらさなかったことが、スイス・チューリッヒ大学のHeike A. Bischoff-Ferrari氏らが行った無作為化試験「DO-HEALTH試験」の結果で示された。ビタミンD、オメガ3および運動の疾患予防効果は明らかになっていなかったが、著者は「今回の結果は、これら3つの介入が臨床アウトカムに効果的ではないことを支持するものである」とまとめている。JAMA誌2020年11月10日号掲載の報告。

転倒リスクを測定、立位年齢を1分で測定できる「StA2BLE」とは

 皆さんはご自身の転倒リスクについて意識したことがあるだろうか? 転倒はQOLの低下を招くばかりか要介護の原因となる。そのため、国の政策でも転倒予防が掲げられているが、アンメットメディカルニーズであることから抜本的な解決にはつながっていない。  10月26日にWeb開催された日本抗加齢協会主催『第2回ヘルスケアベンチャー大賞』において、転倒リスクを回避できる画期的な技術についてプレゼンテーションした、合同会社アントラクトの「StA2BLEによる転倒リスク評価と機能回復訓練事業」が大賞に選ばれた。プレゼンターを務めた島 圭介氏(横浜国立大学大学院工学研究院 准教授/アントラクトCEO)らの研究は、転倒リスクから身を守るだけではなく抗加齢につなげることを目標に設計されており、立位年齢TMが抗加齢分野において新しい指標として活用が期待されると多くの審査員から支持を得た。本稿では、見事に賞金100万円を手にした島氏への取材内容を交えてお届けする。