整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:33

慢性蕁麻疹は、骨粗鬆症のリスク因子

 慢性蕁麻疹(CU)は骨粗鬆症に対して多くのリスク因子となるが、CUと骨粗鬆症における関連についてはデータが不足している。イスラエル・Clalit Health ServicesのGuy Shalom氏らは大規模な観察研究を行い、CUが骨粗鬆症のリスクとなる可能性があることを明らかにした。著者は、「ターゲットを適切にするためのスクリーニングを検討する必要がある」とまとめている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2018年12月18日号掲載の報告。

非がん性慢性疼痛へのオピオイド、有益性と有害性/JAMA

 非がん性慢性疼痛に対するオピオイド使用は、プラセボとの比較において疼痛および身体機能の改善は統計学的に有意ではあるがわずかであり、嘔吐リスクは増大することが示された。また、オピオイド使用と非オピオイド使用の比較では、低~中程度のエビデンスであるが、疼痛、身体機能に関するベネフィットは同程度であった。カナダ・マックマスター大学のJason W. Busse氏らが、非がん性慢性疼痛のオピオイド使用に関する無作為化試験(RCT)のシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにした。非がん性慢性疼痛に対するオピオイドの有害性および有益性は、不明なままであった。JAMA誌2018年12月18日号掲載の報告。

オステオペニアへのゾレドロン酸、骨折リスクを低減/NEJM

 オステオペニアの高齢女性に対して、ゾレドロン酸の18ヵ月ごと投与はプラセボと比較して、長期の非脊椎・脊椎脆弱性骨折リスクを有意に低減することが示された。ニュージーランド・オークランド大学のIan R. Reid氏らが、2,000例を対象に行った6年間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、NEJM誌2018年12月20日号で発表した。閉経後女性における骨折の大半が、オステオペニアを有する女性で発生するため、そうした女性に対する効果的な治療法が必要とされている。ビスホスホネートは、骨粗鬆症患者の骨折を予防するが、オステオペニアの女性における有効性は不明だった。

ゴルフが上手い診療科は/BMJ

 世界中で、医師の燃え尽き症候群(バーンアウト)の罹患率は高いことが報告されている。余暇活動は健康で安心して暮らせる環境をもたらすが、医師の余暇活動の現況はよくわかっていないという。米国・ハーバード大学医学大学院のGal Koplewitz氏らは、今回、ゴルフの普及状況を調査し、米国の男性医師は一般的にゴルフに興じており、とくに外科医が多いことを明らかにした。ゴルフは、多くの医師にとってステレオタイプの娯楽だが、これまで専門科別の普及率や腕前、男女差については検討されておらず不明であった。BMJ誌2018年12月10日号(クリスマス特集号)掲載の報告。

骨粗鬆症検診、受診率が最も低い県は?

 骨粗鬆症患者は約1,280万人と推計されているが、自覚症状がないことが多いため気づかれにくい。骨折などでQOLが急激に低下することを防ぐためには早期に診断し、治療に取り組むことが重要となっている。12月7日、骨粗鬆症財団は厚生労働省の公表データをもとに都道府県別に骨粗鬆症検診受診率を調べた結果を発表した。検診受診率が最も高い栃木県と最も低い鳥取県では47倍もの開きがあり、相関解析の結果、検診受診率が低い地域ほど大腿骨骨折の発生率が高く、介護が必要になる人が多くなる傾向が明らかになった。

高齢者が筋肉をつける毎日の食事とは

 現在わが国では、高齢者の寝たきり防止と健康寿命をいかに延伸させるかが、喫緊の課題となっている。いわゆるフレイルやサルコペニアの予防と筋力の維持は重要事項であるが、それには毎日の食事が大切な要素となる。  2018年10月31日、味の素株式会社は、都内で「シニアの筋肉づくり最前線 ~栄養バランスの良い食事とロイシン高配合必須アミノ酸による新提案~」をテーマにメディアセミナーを開催した。セミナーでは、栄養学、運動生理学のエキスパートのほか、料理家の浜内 千波氏も登壇し、考案した料理とそのレシピを説明した。

中強度運動が緑内障の視野欠損進行を遅らせる?

 身体活動レベルと緑内障による視野欠損には関連があるのだろうか。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のMoon Jeong Lee氏らは、縦断研究において、1日の平均歩数、中等度以上の身体活動(MVPA)時間および非座位活動時間の増加が、緑内障患者の視野欠損の進行抑制と関連していることを明らかにした。毎日5,000歩または非座位活動を2.6時間行えば、緑内障における視野欠損の平均的な割合が10%減少するという。著者は、「今後、身体活動が緑内障の視野欠損を遅らせることができるか、または視野欠損の進行が活動制限をもたらすかを、前向き研究で検討する必要がある。もし前者が確認されれば、身体活動は緑内障によるダメージを防ぐ新たなリスク因子として特徴付けられるだろう」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年10月10日号掲載の報告。

選択的JAK1阻害薬、乾癬性関節炎に有効/Lancet

 活動性の乾癬性関節炎の治療に、選択的JAK1阻害薬filgotinibは有効であることが、米国・ワシントン大学のPhilip Mease氏らによる第II相の無作為化プラセボ対照試験「EQUATOR試験」の結果、示された。16週時のACR20達成患者は80%に認められ、新たな安全性シグナルは認められなかった。JAK1経路は、乾癬性関節炎の病因への関わりが示唆されている。研究グループは、JAK1を選択的に阻害するfilgotinibの有効性と安全性を調べた。Lancet誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。

至適用量って、わからないのね?(解説:後藤信哉氏)-944

ワルファリン以外の抗凝固薬としてトロンビン阻害薬、Xa阻害薬が開発された。ワルファリンと異なり「用量調節不要!」と当初宣伝された。しかし、心房細動の脳卒中予防以外の適応拡大においてリバーロキサバンでは「節操がない」ほど各種用量が選択された。2.5mg×2/日の用量は急性冠症候群(ATLAS TIMI 51)、冠動脈疾患・末梢血管疾患(COMPASS)では有効性が示された(重篤な出血合併症は増加したが…)。同一用量が心不全では有効性を示せなかった(COMMANDER HF)。

手術室を滅菌空間から単体医療機器に「スマート治療室」/脳神経外科学会

 手術室では、手術に関わる人間が医療機器や設備からの膨大な情報を、限られた時間で判断しながら、治療を行っている。そうした治療現場においてIoTを活用して医療機器や設備を接続し、手術や患者の状況と共に時系列に統合し、それを手術室内外で共有することで、治療の効率と安全性を向上させる「スマート治療室」の開発が、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)主体で進められている。このスマート治療室は「SCOT(Smart cyber operating theater)」と名付けられ、東京女子医科大学を中心に、5大学11企業による産学連携のプロジェクトとして進められている。