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2024/07/10
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整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:36

スクリーニング実施で高齢女性の骨折リスクが低減/Lancet

 高齢女性の骨折リスクを評価する地域ベースのスクリーニングプログラムは、骨折全般の発症は抑制しないものの、大腿骨近位部骨折のリスク低減には有効であることが、英国・イースト・アングリア大学のLee Shepstone氏らが実施したSCOOP試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年12月15日号に掲載された。骨粗鬆症およびその関連骨折については、有効な評価法や薬物療法があるが、英国では現在、骨折リスクのスクリーニングは提唱されていない。

雨が降ると関節痛の受診は増えるのか/BMJ

 降雨と関節痛や背部痛による外来受診に関連はないことが、米国・ハーバード大学医学大学院のAnupam B. Jena氏らによる、155万人以上の米国人高齢者のデータを解析した研究で明らかとなった。多くの人々が、とくに関節炎の患者において、気象条件の変化で関節痛や背部痛の症状が増悪すると考えている。気象パターンと関節痛の関連を検討した研究において至った結論はさまざまであり、種々の気象条件下で関節痛を詳細に評価した研究は、どれも症例数が少ないという。BMJ誌2017年12月13日号掲載のクリスマス特集での報告。

大腿骨骨折手術、実施は24時間以内に/JAMA

 大腿骨骨折手術を受けた成人患者において、待機時間が長いと30日死亡およびその他の合併症のリスクが増大することが明らかにされた。カナダ・トロント大学のDaniel Pincus氏らによる住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果で、待機時間24時間が、リスクが高まる閾値と定義される可能性が示唆されたという。世界中で、大腿骨骨折手術の待機時間は死亡と関連しており、ケアの質の指標として用いられているが、合併症に結び付く待機時間については議論の的となっていた。JAMA誌2017年11月28日号掲載の報告。

コーヒーは有益か?有害か?/BMJ

 コーヒーの飲用は、一般的な量であれば全般に安全で、1日3~4杯の飲用でさまざまな健康転帰のリスクが大幅に低減され、有害性よりも利益が勝る可能性が高いことが、英国・サウサンプトン大学のRobin Poole氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年11月22日号に掲載された。コーヒーは世界的に消費量が多く、とくに慢性肝疾患における利益の可能性が高いとされるが、コーヒー飲用の利益や有害性との関係は多岐にわたる。コーヒーと健康との関連を理解することは、介入研究に先立つ、有害性との関連の探索において重要であるとされている。

PAD患者の歩行能改善にGM-CSF製剤は寄与せず/JAMA

 米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らによる無作為化試験「PROPEL試験」の結果、末梢動脈疾患(PAD)患者において、トレッドミルを利用して定期的に行う運動療法は、定期的にレクチャーを行い注意喚起を促す介入と比べて、6分間歩行距離でみた歩行能を有意に改善することが示された。また、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)製剤は、単独投与または運動療法と組み合わせて投与した場合も、歩行能を有意に改善しないことが示された。これまでPAD患者の歩行能改善におけるGM-CSF製剤のベネフィットは不明であったが、研究グループは、「今回の結果で、PAD患者の歩行障害の治療に対する運動療法のベネフィットが確認され、GM-CSF製剤の使用は支持されなかった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2017年11月15日号掲載の報告。

経口JAK阻害薬、乾癬性関節炎の症状を改善/NEJM

 経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬トファシチニブは、コントロール不良の乾癬性関節炎患者の症状をプラセボに比べ有意に改善するが、有害事象の頻度は高いことが、米国・ワシントン大学のPhilip Mease氏らが行ったOPAL Broaden試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年10月19日号に掲載された。トファシチニブは、共通γ鎖含有サイトカイン、インターフェロン-γ、インターロイキン(IL)-12などの乾癬性関節炎の発症に関与する多くのサイトカインのシグナル伝達に影響を及ぼす。JAKの阻害により、関節や関節外部位の炎症細胞の活性化や増殖、および乾癬性関節炎患者の関節破壊や乾癬性の皮膚の変化に関連する細胞の活性化や増殖に関与する、複数のシグナル伝達経路の調節が可能とされる。

高齢者の術後ワルファリン導入、遺伝子型ガイド下は有益か/JAMA

 待機的大腿骨頸部・膝関節形成術を受ける高齢者の周術期ワルファリン療法について、遺伝子型ガイド下投与は臨床的ガイド下投与と比べて、複合リスク(大出血、INR 4以上、静脈血栓塞栓症、死亡)の発生を減少させたことが示された。米国・ワシントン大学のBrian F. Gage氏らによる無作為化試験の結果で、著者は「さらなる試験で、ワルファリンの個別化投与の費用対効果について確認する必要がある」とまとめている。高齢患者へのワルファリン使用は、他の薬物よりも、薬物関連の緊急部門受診で頻度が高い。遺伝子型ガイド下のワルファリン投与が、そうした有害事象を回避可能なのかは明らかになっていなかった。JAMA誌2017年9月26日号掲載の報告。