耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:28

分化型甲状腺がんに新たな治療オプション/Lancet

 進行性放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんに対するソラフェニブ(商品名:ネクサバール)治療は、無増悪生存期間を有意に改善することが明らかにされた。米国・ペンシルベニア大学アブラムソンがんセンターのMarcia S Brose氏らによる第III相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「DECISION」の結果で、有害事象はソラフェニブの既知の安全性プロファイルと一致していた。放射性ヨウ素131治療抵抗性の局所進行または転移性の分化型甲状腺がんを有する患者には、現時点では効果的な治療オプションがなく予後は不良とされる。著者は、「今回の結果は、ソラフェニブが同患者への新たな治療選択肢であることを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年4月24日号掲載の報告より。

気道感染症への抗菌薬治療 待機的処方 vs 即時処方/BMJ

 気道感染症に対する抗菌薬治療では、即時的処方に比べ待機的処方で抗菌薬服用率が顕著に低いが、症状の重症度や持続期間に差はないことが、英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らの検討で示された。同国のプライマリ・ケアでは、気道感染症の治療の際、抗菌薬の不必要な使用を抑制するために非処方または待機的処方という戦略が一般に行われている。一方、文献の系統的レビューでは、待機的処方は即時的処方に比べ症状の管理が不良であり、非処方よりも抗菌薬の服用率が増加する可能性が示唆されている。待機的処方には、服用に関する指示書を付して処方薬を渡したり、再受診時に渡すなどいくつかの方法があるが、これらの戦略を直接に比較した試験は、これまでなかったという。BMJ誌オンライン版2014年3月5日号掲載の報告。

植え込み型デバイス治療がCPAPを続けられない閉塞性睡眠時無呼吸患者を救う?(コメンテーター:高田 佳史 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(174)より-

 中等から重症の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は心血管リスクであり、治療の第一選択は持続的陽圧呼吸療法(CPAP)である。しかし、CPAP治療の効果にはアドヒアランスの良し悪しが大きく影響する。高血圧発症の予防、治療抵抗性高血圧の降圧、心不全患者の予後改善などにおいて、アドヒアランスが良好でなければ効果が期待できないことが報告されている。

CPAP施行困難な睡眠時無呼吸に対する植込み型デバイス/NEJM

 中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸の治療法として、新たに開発された植込み型の上気道刺激デバイスが有用であることが、米国・ピッツバーグ大学医療センター・モンテフィオーリ病院のPatrick J. Strollo氏らが実施したSTAR試験で示された。閉塞性睡眠時無呼吸に対しては、持続的気道陽圧法(CPAP)が健康リスクを軽減することが確認されているが、治療へのアドヒアランスが十分でないと効果は低くなる。中等度以上の患者ではCPAPの施行が困難な場合が多い。NEJM誌2014年1月9日号掲載の報告。

手術を受けた慢性副鼻腔炎患者では喘息の診断が不十分:日本人における検討

 副鼻腔の手術を受けた慢性副鼻腔炎患者では、喘息の診断が不十分であり、とくに高齢者でその傾向が強いことが、理化学研究所統合生命医科学研究センター 呼吸器・アレルギー疾患研究チームの田中 翔太氏らにより報告された。Allergology International誌オンライン版2013年11月25日の掲載報告。