耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:27

マクロライドと心臓死リスクの関連/BMJ

 デンマーク住民を対象とした大規模コホート研究から、クラリスロマイシン使用と心臓死増大との有意な関連が、とくに女性の使用において見つかったことが、Statens Serum Institute社のHenrik Svanstrom氏らにより報告された。同リスクの増大は、ロキシスロマイシン使用ではみられなかったという。マクロライド系抗菌薬はQT間隔を延長するため、致死的不整脈リスクを増大する可能性が示唆されていた。結果を踏まえて著者は、「今回の所見を臨床での意思決定に取り入れる前に、マクロライド系抗菌薬の広範投与について独立集団で確認を行うことが優先すべき課題である」と提言している。BMJ誌オンライン版2014年8月19日号掲載の報告より。

日本血管病理研究会 第19回学術集会開催のお知らせ

 血管障害に関わる疾患の中で「血管炎」とは、病理学的に「血管壁の壊死と炎症細胞の浸潤」と定義される。民族や国・地域によって、疾患の頻度やその臨床症状が異なるために、臨床現場で血管炎の診療は難しく、専門的な知識と経験が必要となる。そのため、血管炎は古今東西の難しい学問・臨床分野の1つであると考えられ、年月を経ても理解に至らない疑問が数多く存在する。

分子標的治療薬登場で甲状腺がん治療はどう変わる?

 今年6月、甲状腺がんで初めての分子標的治療薬として、ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)が「根治切除不能な分化型甲状腺がん」に対して承認された。これまでは外科医でほぼ完結していた甲状腺がん治療が、分子標的治療薬の登場によってどのように変わっていくのだろうか。7月29日(火)、都内で開催されたプレスセミナー(主催:バイエル薬品株式会社)で、甲状腺がん治療の現状と今後のあり方、ソラフェニブの臨床成績と副作用のマネージメントについて、日本医科大学内分泌外科学分野 教授 杉谷 巌氏と国立がん研究センター東病院頭頸部内科 科長 田原 信氏がそれぞれ講演した。

閉塞性睡眠時無呼吸への夜間酸素療法 ―CPAPよりアドヒアランスはよいが効果は劣る―(解説:高田 佳史 氏)-230

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者への持続陽圧呼吸(CPAP)療法は、高血圧の発症予防や降圧に有効であるが、その効果はアドヒアランスに依存することも知られている1,2)。本論文は、アドヒアランスに優れた夜間酸素療法との無作為割り付け試験の報告である。