小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:62

開発中の遅発型ポンペ病治療薬の有効性/サノフィ

 サノフィ株式会社は、6月16日、酵素補充療法剤として現在開発中のavalglucosidase alfaが、遅発型ポンペ病の患者の臨床症状(呼吸障害と運動性の低下)に対し臨床上意義ある改善をもたらしたと報告した。  ポンペ病は、ライソゾーム酵素の1つである酸性α-グリコシダーゼ(GAA)の遺伝子欠損または活性低下が原因で生じる疾患。グリコーゲンが近位筋肉や横隔膜をはじめとする筋肉内に蓄積し、進行性の不可逆的な筋疾患が生じる。世界の患者数は約5万人と推定され、乳児期から成人後期のいずれの時期にも発症する可能性がある。

混合性の双極性うつ病の小児・青年に対するルラシドンの有用性

 混合性(亜症候性躁病)の双極性うつ病の小児および青年の治療に対するルラシドンの有効性と安全性について、米国・スタンフォード大学のManpreet K. Singh氏らが、事後分析により評価を行った。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2020年5月8日号の報告。  DSM-Vで双極I型うつ病と診断された10~17歳の患者を対象に、6週間のランダム化二重盲検試験を実施した。対象患者は、ルラシドン20~80mg(フレキシブルドーズ)またはプラセボを1日1回投与する群にランダムに割り付けられた。混合性(亜症候性躁病)は、ベースライン時のヤング躁病評価尺度(YMRS)5以上と定義した。評価項目は、ベースラインから6週目までのChildren's Depression Rating Scale-Revised(CDRS-R)スコア(主要評価項目)および臨床全般印象度-双極性障害 重症度(CGI-BP-S)スコアとし、反復測定分析による混合モデルを用いて評価した。

次亜塩素酸水は物品消毒に有効、空間噴霧は勧められない

 6月26日、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が実施した新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価を踏まえ、経済産業省、厚生労働省、消費者庁が合同で、消毒・除菌方法に関する情報を取りまとめた。次亜塩素酸水は、物品における新型コロナウイルスの消毒に対して、一定条件下での有効性を報告した一方、手指消毒や空間噴霧の有効性・安全性は評価されておらず、まわりに人がいる中での空間噴霧はお勧めできないと注意喚起している。

医療ミス多いのは?24h以上の長時間勤務 vs.16h以内の2交代制/NEJM

 米国小児科研修医のICUローテーション中のスケジュールについて、24時間以上の長時間勤務のほうが、16時間以内の日中・夜間勤務を繰り返すスケジュールに比べ、研修医による重大な医療ミス発生率が低かったことが示されたという。ただし、実施した施設によるばらつきは大きかった。米国・ボストン小児病院のChristopher P. Landrigan氏らが行った、2パターンの勤務シフトを比較した多施設共同クラスター無作為化クロスオーバー試験の結果で、著者は「仮説に反する試験結果となった」と述べながら、要因として「各研修医が治療するICUの患者数は、長時間勤務でないスケジュール群のほうが多かった」ことに触れている。NEJM誌2020年6月25日号掲載の報告。

ラコサミドに点滴静注100mgが登場/ユーシービージャパン

 ユーシービージャパン株式会社は、6月11日に抗てんかん剤ラコサミド(商品名:ビムパット点滴静注100mg)を新発売した。  てんかんは、全世界で約6,500万人、わが国には約100万人の患者数が推定され、毎年57,000人が新たにてんかんを発症している。患者の大部分が長期的な薬物療法を必要とするが、既存の抗てんかん薬を使用しても、30%を超える患者がてんかん発作を十分にコントロールできていないとの報告もあり、てんかん治療ではアンメット・ニーズが高い。

COVID-19流行期の小児炎症性多臓器症候群、その臨床的特徴は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生率が高い地域では、通常とは異なる発熱や炎症の症候群を呈する子供の症例が報告されている。そこで、英国・Imperial College Healthcare NHS TrustのElizabeth Whittaker氏らは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による感染症流行期の小児炎症性多臓器症候群(PIMS-TS)の判定基準を満たした入院患児の調査を行い、発熱や炎症から心筋障害、ショック、冠動脈瘤の発現まで、さまざまな徴候や症状とともに、重症度にも違いがみられることを明らかにした。JAMA誌オンライン版2020年6月8日号掲載の報告。

ACE2遺伝子発現の年齢依存的な増加はCOVID-19重症化と関連?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、小児では比較的重症化しにくいとされている。その要因の1つとして、小児の鼻上皮におけるアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)発現が成人より少ないことがあるかもしれない。米国・Icahn School of Medicine at Mount SinaiのSupinda Bunyavanich氏らの調査で、鼻上皮におけるACE2遺伝子発現が年齢とともに増加することが示された。JAMA誌オンライン版2020年5月20日号リサーチレターでの報告。  本研究は、2015~18年にMount Sinai Health System(ニューヨーク市)を受診した4~60歳の患者の鼻上皮を後ろ向きに調査した。サンプルは、喘息におけるバイオマーカー研究のため、喘息の有無にかかわらず収集されたもの。線形回帰モデルは、統計処理ソフトウェアR version 3.6.0(R Foundation)を使用して、ACE2遺伝子発現を100万当たりのlog2カウントで従属変数として、年齢層を独立変数として作成した。年齢層は、10歳未満(45例)、10〜17歳(185例)、18〜24歳(46例)、25歳以上(29例)の4群に分類した。

新型コロナで8割の診療所が患者&収入減!診療科別の違いも浮き彫りに-会員医師アンケート

 新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、診療所・病院の経営に大きな影響を与えている。今回、ケアネットでは診療所で働く会員医師に対し、2020年4月の外来患者数・経営状態についてアンケート調査を行った。アンケートは2020年5月21(木)~25日(月)に実施し、1,000名から回答を得た。  調査は、全国のケアネット会員のうち診療所(病床数0床)で勤務する30代以上の医師を対象にインターネット上で実施。回答者の年代は50代が36.7%と最も多く、60代が32.2%、40代が17.0%、70代以上が8.1%、30代が6%だった。診療科は内科が47.5%と半数近くを占め、続いて小児科が6.9%。整形外科・皮膚科が各4.7%、循環器内科・精神科が各4.6%、などとなっている。

13価肺炎球菌ワクチン、接種対象者を拡大/ファイザー

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は2020年5月29日、プレベナー13(R)水性懸濁注(一般名:沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)の新たな適応として、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者に対する「肺炎球菌(血清型:1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F および23F)による感染症の予防」の製造販売承認事項一部変更承認を取得した。今回の適応追加により、小児並びに高齢者に限らず、肺炎球菌(血清型:同)による疾患に罹患するリスクが高い方にも接種が可能となる。  肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者は、以下のような状態の者を指す。

新型コロナ患者の退院基準、2回の陰性確認が不要に/厚労省

 5月29日、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、感染症法)における新型コロナウイルス感染症患者の退院及び就業制限の取扱いについて(一部改正)」において、退院に関する基準の改正通知が発出された。  改正後の通知で、感染症法第22条の「症状が消失したこと」とは、原則として次の(1)に該当する場合とされる。ただし、次(2)に該当する場合も差し支えない。