精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

高齢患者の術後せん妄スクリーニング、病院間で実施率に大きな差

 高齢患者では、手術後に混乱や見当識障害などを特徴とするせん妄が生じることが少なくないが、術後せん妄のスクリーニング実施率には病院ごとに差があることが、新たな研究で明らかにされた。米国外科学会(ACS)が開発したGeriatric Surgery Verification(GSV)プログラムの認証を取得した病院(GSV認証病院)では、ほぼ全ての術後患者にせん妄スクリーニングが実施されていたのに対し、非認証病院での実施率は50%程度にとどまったという。GSVプログラムは、せん妄、転倒、肺炎などの一般的な術後合併症の予防に重点を置いた医療品質向上プログラムである。

トゥレット症候群、当事者の深刻な実態が明らかに

 トゥレット症候群(TS)は、ときに冗談の対象として扱われることもあるが、当事者にとって極めて過酷な状態であることが、米トゥレット協会(TAA)が6月11日に公表した調査(2026 Impact Survey Report)で示唆された。この調査によると、TSまたはその他のチック症を有するティーンおよび成人の4人に1人が、生涯のどこかの時点で自殺を試みたことがあることが明らかになった。また、チック症を理由に差別を受けたと報告した割合も約7割に上った。  TAA会長兼CEOであるIan Lang氏はニュースリリースの中で、「2026年の調査結果は、TSおよびその他のチック症を抱える人が必要とする支援を確実に受けられるようにするために、いかに多くの課題が依然として残されているかを示す行動喚起である」と述べている。

日光浴は精神神経疾患の予防に有効か?

 生態学的研究により、日光が精神疾患の発症に及ぼす影響が明らかにされてきた。しかし、個人レベルの日光曝露と精神疾患の進行への影響に関するエビデンスは限られている。中国・華中科技大学のXiaodie Li氏らは、日光曝露と精神疾患との関連を明らかにするため、プロスペクティブコホート研究を実施した。Public Health誌オンライン版2026年5月29日号の報告。  英国バイオバンクのデータベースより、データを取得した。日光曝露に関するデータは、自己申告による質問票から聴取した。日光曝露と初回精神疾患発症、精神疾患の多疾患併存、すべての原因による死亡との関連性を検討するため、制限付き3次スプラインおよびCox比例ハザードモデルを用いた。多状態モデルを用いて、日光曝露が精神疾患の経過に及ぼす影響を検討した。最後に、これらの関連性について季節的および性別による違いを評価した。

救急搬送後の自殺再企図、若年と過量服薬がリスク因子に

 自殺企図で救急搬送された患者の自殺再企図は、初期対応時に予測できるのだろうか。今回、国内3施設で救急入院患者を追跡した研究により、若年であることと過量服薬(オーバードーズ)が、自殺再企図のリスク因子となる可能性が示された。初回自殺企図時に過量服薬を行った患者では、再企図リスクが約2.5倍高かったという。研究は獨協医科大学精神神経医学講座の佐々木太郎氏、古郡規雄氏らによるもので、詳細は4月29日付の「Neuropsychopharmacology Reports」に掲載された。  自殺企図歴は、その後の自殺再企図や自殺死亡の強い予測因子とされる。これまで若年者では再企図が多く、性別による自殺行動の違いも報告されてきたが、その背景には自殺手段の違いが関与する可能性が指摘されている。

感染症は認知症リスク上昇と関連しているのか

 感染症が認知症リスクに及ぼす影響については、生物学的加齢の加速による影響との比較において、どの程度なのかは明らかではない。中国・北京大学のRuoxi Ding氏らは、感染症と認知症の関連性を評価し、生物学的加齢の加速が感染症と認知症リスクの関係を修飾するかどうかを検討した。Brain, Behavior, and Immunity誌2026年10月号の報告。  2006~10年の英国バイオバンク・コホートデータより抽出された37~73歳の参加者33万9,463例を対象とし、プロスペクティブ研究を実施した。入院治療を受けた感染症と認知症の既往は、医療記録統計およびスコットランド疾病記録との連結によって特定した。

薬物治療抵抗性統合失調症に有効な治療は?~ネットワークメタ解析

 抗精神病薬は、統合失調症に対して必ずしも万能な効果を示すわけではないにもかかわらず、抗精神病薬治療抵抗性患者に対する最適な治療戦略は依然として明らかになっていない。ガイドラインでは、薬物療法、心理療法、非侵襲的脳刺激(NIBS)などいくつかの治療法が推奨されているが、どれが最も効果的かは不明であった。ドイツ・ミュンヘン工科大学の古川 由己氏らは、抗精神病薬治療抵抗性統合失調症患者に対する現在のエビデンスをシステマティックにレビューし、ネットワークメタ解析を実施した。EClinicalMedicine誌2026年5月22日号の報告。

地域活動への参加、ワーク・エンゲージメントと関連――労働者1.4万人を追跡

 ボランティアや地域活動、趣味・学習活動などに参加している人は、仕事にも前向きに取り組めるのだろうか。今回、日本の労働者約1万4,500人を追跡した研究で、地域活動への参加とワーク・エンゲージメント(仕事に関連したポジティブで充実した心理状態)の高さとの関連が示された。特に地域貢献活動(ボランティアや地域活動)では、年数回程度の参加でも関連が認められ、参加頻度が高いほど、ワーク・エンゲージメントが高い傾向が示唆された。研究は産業医科大学産業保健経営学の植月三咲子氏、永田智久氏らによるもので、詳細は5月14日付の「Journal of Occupational Health」に掲載された。

精神科入院患者のVTEリスク、機械的拘束vs.化学的拘束/BMJ

 精神科病院の入院患者では、機械的な身体的拘束(機械的拘束)を受けた患者は化学的な身体的拘束(化学的拘束)を受けた患者と比較して、拘束後30日時の静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが約2倍に増加した。また、個別の患者内の解析では、VTE発生率が機械的拘束後14日間で4倍超に上昇することが、デンマーク・Aarhus UniversityのJakob Hansen Viuff氏らによる検討で示された。重度の精神疾患を有する患者は、VTEのリスクが高いとされるが、身体的拘束後のVTEリスクに関するエビデンスは十分でなかった。研究の成果は、BMJ誌2026年7月1日号で報告された。

コーヒー・紅茶はうつや不安の軽減に有効か?

 イランにおけるメンタルヘルスの問題の深刻化と独特な飲用習慣を踏まえ、イラン・テヘラン医科大学のMohammad Matin Mahjourian氏らは、紅茶やコーヒーの摂取と抑うつ・不安症状との関連を明らかにするため研究を実施した。Scientific Reports誌オンライン版2026年5月31日号の報告。  本横断研究では、2018年2月〜2019年7月、イランの主要5都市において層化多段階クラスターサンプリング法を用いて対象成人1,994人を募集した。紅茶とコーヒーの摂取量は、自己申告による1日または1週間の摂取量に基づいて評価した。紅茶については3つのカテゴリーに分類、コーヒーについては摂取者と非摂取者に分類した。

統合失調症患者に多い血液型は?

 中国・Wuxi Taihu UniversityのKangying Yu氏らは、統合失調症患者と健康対照者におけるABO式血液型の分布を調査した。Medicine誌2026年5月15日号の報告。  中国・無錫市の精神疾患患者6,772例(2003〜25年)の臨床データを対象に、レトロスペクティブ解析を行った。同時期に定期健康診断を受けた健康対照者871人を対照群とし、両群間のABO式血液型分布の違いを分析した。  主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症患者における血液型の分布は、A型2,599例、AB型574例、B型1,646例、O型1,953例であった。 ・それぞれの血液型の割合は、A型38.4%、AB型8.5%、B型24.3%、O型28.8%であった。