精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

日本人双極症の入院予防に対する気分安定薬と抗精神病薬の単剤/併用療法の有効性

 双極症の薬物療法に関する臨床的エビデンスは依然として限られている。とくに、臨床現場で広く用いられている併用療法の有効性については、システマティックに評価されていない。臨床疫学研究推進機構の奥村 泰之氏らは、双極症に対して用いられる気分安定薬および抗精神病薬の単剤療法と併用療法の再発予防効果を、厚生労働省が保有する匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いて評価した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2026年4月30日号の報告。  本研究は、厚生労働省が保有するNDBを用いた、個人内比較デザインの集団ベースコホート研究である。

インフルワクチンによるアルツハイマー病リスク低下、高用量ワクチンでより有効

 高用量のインフルエンザワクチンは、高齢者におけるアルツハイマー病のリスクを低下させる可能性があるとする研究結果が報告された。高用量ワクチンを接種した高齢者は、標準用量ワクチン接種者と比べ、アルツハイマー病リスクが有意に低かったという。米国でのアルツハイマー病の患者数は2025年時点で700万人以上に上り、2050年までにこの2倍以上に増加すると予測されている。米テキサス大学ヒューストン健康科学センターの神経学教授であるPaul Schulz氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に4月1日掲載された。

統合失調症スペクトラム症に最適な抗精神病薬の投与量は?

 急性期の統合失調症スペクトラム症に対する最適な抗精神病薬の用量に関する研究が進められている。しかし、依然として不明点が多く残存している。ドイツ・ミュンヘン工科大学の古川 由己氏らは、急性期統合失調症における抗精神病薬の用量反応関係を明らかにするため、2段階アプローチよりも多くの情報を活用した1段階用量反応メタ解析を実施した。EClinicalMedicine誌2026年3月26日号の報告。  2025年1月13日までのCochrane Schizophrenia Groupレジストリーおよび2026年1月19日までのPubMedより、成人および小児・青年の急性期統合失調症患者を対象に、20種類の抗精神病薬を固定用量で検討した研究を検索した。

統合失調症に対するブレクスピプラゾール2~4mgの有用性評価:メタ解析

 ブレクスピプラゾールは、統合失調症治療薬として承認された新規ドーパミンD2パーシャルアゴニストであり、D2、5-HT1A、5-HT2A受容体への作用バランスを取ることで、有効性と忍容性を向上させた薬剤である。パキスタン・イスラマバード大学のSher Bano氏らは、ブレクスピプラゾール2~4mg/日の有効性と安全性に関する最新のエビデンスを評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。PCN Reports誌2026年4月12日号の報告。  PubMed、ScienceDirect、Cochrane Libraryより、2011~25年に公表された研究を、特定のキーワードを用いて検索した。

日本において軽度うつ病の初回受診時から抗うつ薬が処方される割合は?

 軽度うつ病に対する抗うつ薬の有効性については、依然として議論が続いている。ガイドラインでは、まず心理社会的介入を推奨しているが、実際の臨床現場では抗うつ薬が処方されることが少なくない。杏林大学の浦田 実氏らは、軽度うつ病患者の精神科初診時における抗うつ薬の処方パターンを調査し、処方決定に影響を与える症状関連因子を特定することを目的に、レトロスペクティブカルテレビュー研究を実施した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2026年4月8日号の報告。

治療抵抗性の幻聴に対する視聴覚補助療法、その有効性は?

 統合失調スペクトラム症では、抗精神病薬治療を行っているにもかかわらず、幻聴が持続することが少なくない。認知行動療法(CBT)は確立された心理療法であるが、難治性幻聴に対する視聴覚補助療法であるAVATAR療法は、インタラクティブなデジタルアバターを統合した新しいアプローチとして近年導入されている。台湾・高雄医学大学のTien-Wei Hsu氏らは、薬剤抵抗性の幻聴に対するAVATAR療法とCBTの有効性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Psychological Medicine誌2026年4月13日号の報告。

卵は認知症を予防するか?

 アルツハイマー病リスクと修正可能な食事因子との関連性については、依然として多くの知見が不足している。卵は、脳の健康を支える重要な栄養素の供給源の1つである。米国・ロマリンダ大学のJisoo Oh氏らは、卵摂取量とアルツハイマー病発症率との関連性を調査するため、本研究を実施した。The Journal of Nutrition誌オンライン版2026年4月17日号の報告。  米国の大規模なプロスペクティブコホート研究であるAdventist Health Study-2よりデータを抽出した。食事および生活習慣因子は、検証済みの食物摂取頻度調査票を用いて評価した。卵の摂取頻度は、「まったく食べない/ほとんど食べない」から「週5回以上」までの範囲で分類した。

うつ病予防に最適な年齢別の睡眠時間が判明

 睡眠時間の短縮は、青年期のうつ病と関連していることが報告されている。しかし、明確な用量反応関係や年齢別のリスク閾値に関しては、依然として十分に解明されていない。中国・皖南医科大学第一附属医院のWei Cheng氏らは、この関連性を明らかにするため、代表的なサンプルを用いて、発達段階に応じた最適な睡眠時間を特定することを試みた。Frontiers in Pediatrics誌2026年3月27日号の報告。  対象は、2020~23年の全米児童健康調査(NSCH)の横断データより抽出した6~17歳の青年12万6,407例。

患者に最も好まれる第1選択抗精神病薬は?

 初回エピソードの精神疾患患者に対する抗精神病薬の選択は、臨床医が複数の基準を経験的に評価する必要があるため、非常に困難な課題である。診療記録を用いて開発された精密治療(precision treatment)ルールは、臨床医の治療選択を支援する実用的なアプローチを提供できるが、副作用や患者の嗜好は考慮されていない。イタリア・University of PaviaのKamil Krakowski氏らは、初回エピソードの精神疾患における第1選択抗精神病薬推奨のための、有効性、副作用、患者の嗜好を総合的に考慮した精密治療ルールの開発および検証を行った。Translational Psychiatry誌オンライン版2026年4月11日号の報告。

軽度認知障害患者は1年でどの程度認知機能が低下するのか?

 中国・黒龍江中医薬大学のMingyang Liu氏らは、軽度認知障害(MCI)患者における認知機能低下の軌跡を調査し、関連するリスク因子を特定するため、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2026年4月13日号の報告。  対象は、2021~24年にMCIと診断された高齢患者500例。MCIから認知症への進行に関連するリスク因子を特定するため、多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。認知機能低下の年間進行率は、最終スコアとベースラインスコアの差をフォローアップ期間で割って算出し、関連因子の特定には多変量線形回帰分析を用いた。