精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

認知症リスクが下がる2つの運動~日本の前向き研究

 運動は認知症予防に効果があると考えられているが、運動の種類によって認知症リスクとの関連が異なるかどうかは不明である。今回、日本体育大学/筑波大学の永田 康喜氏らが実施した、地域在住高齢者を対象とした前向き観察研究の結果、筋力トレーニング(筋トレ)やゲートボールが、運動していない群と比較して認知症発症リスクが有意に低いことが示された。Geriatrics & Gerontology International誌2026年8月号に掲載。  本研究では、日本の地域在住高齢者5,074人を対象に、2013年6月(プレベースライン)および2017年8月(ベースライン)に郵送調査を実施し、2021年7月まで最長4年間追跡した。

認知症サポート制度「チームオレンジ」のメリットとは?

 「チームオレンジ」とは、日本政府の認知症施策推進大綱で掲げられた、認知症に関する国家的な取り組みである。本取り組みは、認知症と共に生きる人やその家族と、研修を受けた地域ボランティア(オレンジサポーター)をつなぐものである。オレンジサポーターは、日常生活における実践的な支援を行うとともに、地域の支援ネットワークの構築を促進する。2023年までに本取り組みは、全国で約1,900のチーム、3万3,000人のサポーターを擁する規模に拡大したが、オレンジサポーターが自身の役割を通じてどのような有益性を感じているかについては、これまで十分に明らかにされていなかった。

長期的な経済的逆境は認知機能低下や脳構造変化と関連か

 経済的逆境は、精神的なストレスを増大させるだけでなく、脳の老化と関連する可能性があるーーそんな研究結果が報告された。若年成人期から中年期にかけて慢性的に経済的困窮を抱えていたり世帯所得が低かった人は、53歳時点で実施された認知機能検査の成績が低い傾向にあることが示された。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のJacques Wels氏らによるこの研究は、7月23日付で「Innovation in Aging」に掲載された。  持続的な経済的逆境が認知機能の加齢に伴う変化や脳の健康に長期的にどのような影響を及ぼすのかは、十分に明らかになっていない。

クレアチンはうつ病改善に役立つ?

 筋力増強を目的に利用されることも多いサプリメントの一つであるクレアチンは、うつ病の治療にも役立つのだろうか? このトピックに関する既報研究をまとめた、オタワ大学(カナダ)のBassam Jeryous Fares氏らによる短報が、「Brain Medicine」に6月30日付で掲載された。それによると、クレアチンがうつ病治療のサポートに有効な可能性はあるものの、十分なエビデンスはまだ得られていないという。  クレアチンは、肉や魚などの食品に含まれているアミノ酸誘導体で、細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たしている。筋力増強作用があることから、筋力トレーニングをしている人の間で、サプリメントとして広く利用されている。

統合失調症患者の体重管理に有効な薬理学的介入は?

 著しい体重増加は、統合失調症患者が抗精神病薬の服用に伴って経験する懸念すべき有害事象である。統合失調症患者における体重増加の高い有病率と、それが心血管・代謝系疾患の罹患に大きく寄与しているという事実から、抗精神病薬誘発性体重増加および関連する併存疾患の管理について、より明確な合意を形成することが求められている。カナダ・トロント大学のNicolette Stogios氏らは、抗精神病薬治療を受けている統合失調症患者に対する薬物療法と体重変化との関連を評価するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2026年7月8日号の報告。

抗アミロイドβ抗体薬、投与前のAPOE遺伝子検査考慮を追記/厚労省

 2026年8月17日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、抗アミロイドβ抗体薬であるドナネマブおよびレカネマブの「警告」および「重要な基本的注意」の項に、アミロイド関連画像異常(ARIA)のリスク管理などを目的とした「投与開始前のAPOE遺伝子検査の実施考慮」などが追加された。  アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症患者を対象とした臨床試験や国内外の症例データにおいて、「アポリポ蛋白E対立遺伝子4(APOEε4)ホモ接合型キャリアの患者でARIA(ARIA-浮腫/滲出液貯留[ARIA-E]およびARIA-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症・脳出血[ARIA-H])の発現割合、画像上の重症度、症候性ARIAの発現割合がより高い傾向」にあることが認められている。

双極症I型に対するアリピプラゾール月1回投与のベネフィットとリスク

 米国・ニューヨーク医科大学のLeslie Citrome氏らは、双極症I型患者の長期維持療法としてのアリピプラゾール月1回投与製剤400mg(AOM 400)のベネフィット・リスク・プロファイルを、治療必要数(NNT)、有害必要数(NNH)、Likelihood of Harm to the Patient(LHH)というエビデンスに基づく指標を用いて評価するため、AOM 400の二重盲検ランダム化比較試験の事後解析を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年7月1日号の報告。  データは、AOM 400とプラセボの有効性および安全性/忍容性を比較した52週間の二重盲検ランダム化中止試験より抽出した。

世界で長寿化が進む一方で不健康な期間も拡大

 世界中で人々はこれまでになく長生きするようになったが、延長した人生の多くを健康問題を抱えながら過ごしているようだ。「The Lancet Public Health」8月号に掲載された研究で、平均寿命と健康寿命の差(morbidity gap)は、1990年の8.8年から2023年には10.7年へと約2年拡大したことが示された。  論文の上席著者である米ワシントン大学医学部のChristopher Murray氏は、「この研究結果は、今後の健康増進は、寿命の延長だけでなく、健康な状態で生きる期間を延ばすことによって実現されることを示唆している。健康的な老化の進展は、寿命だけでなく健康寿命によって評価されるべきであり、不健康な状態で過ごす期間(以下、不健康な期間)を減らすためには、予防、長期的な疾患管理、慢性疾患のケアへの投資を拡充する必要がある」とニュースリリースで述べている。

治療抵抗性うつ病に対するSGA増強療法、その有効性・安全性は?

 治療抵抗性うつ病は、うつ病患者の多くに影響を及ぼしており、依然として治療上の大きな課題となっている。第2世代抗精神病薬(SGA)による増強療法は、一般的に行われているが、その有効性と安全性を比較したエビデンスは限られている。英国・Leeds and York Partnership NHS Foundation TrustのRashed Khalid氏らは、成人治療抵抗性うつ病患者を対象に、SGAによる増強療法の有効性および忍容性を評価するため、システマティックレビューを実施した。Cureus誌2026年5月26日号の報告。

ADHD治療薬、種類により体重への影響は異なる

 注意欠如・多動症(ADHD)の治療で広く用いられる2種類の中枢神経刺激薬、dexamphetamine(デキサアンフェタミン、デキストロアンフェタミン)とメチルフェニデートは、いずれも同程度に症状を改善するものの、体重に与える影響には違いが見られ、dexamphetamine群ではより体重が減少する傾向が認められたことが、臨床試験で示された。シドニー大学(オーストラリア)小児科・小児保健学分野のAlison Poulton氏らによるこの試験の詳細は、7月7日付で「Journal of Paediatrics and Child Health」に掲載された。