精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

脳の老化はアルツハイマー病でどのくらい加速する?

 脳の老化に伴う進行性の形態学的および神経生物学的変化は、アルツハイマー病などの神経変性疾患では著しく加速する。これらの変化を早期に検出し鑑別することは、診断、治療計画、治療法の開発においてきわめて重要である。米国・スティーブンス工科大学のShima Jalalian氏らは、加齢に伴う脳の萎縮に対する軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー病の影響を明らかにするため、本研究を実施した。Annals of Biomedical Engineering誌オンライン版2026年3月24日号の報告。  本研究では、タンパク質バイオマーカーの伝播と組織レベルの萎縮を連動させ、認知機能が正常な加齢、MCI、アルツハイマー病を鑑別するための計算マルチフィジックスフレームワークを開発した。

低用量アスピリン併用は統合失調症や双極症治療の切り札となるか

 精神疾患の病態生理学的メカニズムに、炎症が関与している可能性を示唆する膨大なデータが存在する。低用量アスピリンが向精神薬の治療効果を高める可能性が示唆されている。イスラエル・Ben-Gurion University of the NegevのLior Stern氏らは、双極症、統合失調症、統合失調感情障害患者において、向精神薬と低用量アスピリンの併用レジメンの安定性およびその他の治療効果と関連しているかどうかを検討した。Pharmaceuticals誌2026年3月8日号の報告。  本レトロスペクティブ研究では、イスラエルのClalit Health Services' Southern Districtのデータベースより、2017〜19年に治療を行った1,924例の患者データを分析した。

電子カルテ業務がレジデントのバーンアウトに関連

 若手医師の間で、電子カルテ業務の過剰負担がバーンアウト(燃え尽き症候群)のリスクを高めていることが、新たな研究で明らかになった。家庭医療レジデントの約3分の1が、「パジャマタイム」と呼ばれている勤務時間外に3時間以上かけて外来電子健康記録(EHR)の作業を行っており、こうした時間外の作業に費やす時間が長いほど、試験の成績が低く、バーンアウトのリスクが高まり、仕事への満足度は低下する傾向が認められたという。米イェール大学医学部のWendy Barr氏らによるこの研究は、「Academic Medicine」3月号に掲載された。

ADHD治療薬は将来の精神病リスクを上昇させない

 注意欠如・多動症(ADHD)の子どもに対しては、メチルフェニデートが処方されることが多い。ADHD患者は統合失調症などの精神病(精神病性障害)のリスクが高いことが知られているが、精神病の発症とメチルフェニデートとの長期的な関連は、これまで明確ではなかった。こうした中、新たな大規模研究で、メチルフェニデートは精神病リスクを上昇させず、むしろ小児期の同薬による治療は将来の非感情性精神病性障害に対して予防効果を有する可能性が示唆された。英エディンバラ大学児童・思春期精神医学分野のIan Kelleher氏らによるこの研究は、「JAMA Psychiatry」に3月25日掲載された。

早期発症統合失調症に対するブレクスピプラゾールの有効性~第III相試験事後解析

 米国・Zucker Hillside HospitalのChristoph U. Correll氏らは、早期発症統合失調症患者に対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性を評価するため、第III相試験の事後解析の結果を報告した。Psychiatry Research誌2026年6月号の報告。  統合失調症患者を対象とした4件の6週間ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のデータを統合した。18~65歳の成人を対象とした試験が3件(NCT01396421、NCT01393613、NCT01810380)、13~17歳の青年を対象とした試験が1件(NCT03198078)であった。早期発症の基準は、年齢が13~35歳、罹病期間が5年以内とした。

スマートフォンの問題的使用、若年者の摂食障害関連症状と関連か

 多くの若者にとって、スマートフォンはもはや体の一部ともいえる存在だ。今回、スマートフォンの問題的使用(problematic smartphone use:PSU)や長時間のスクリーンタイムが、体型不満や感情的過食などの摂食障害関連症状と関連している可能性があることが、主に若年者を対象とした研究のシステマティックレビューで示唆された。英キングス・カレッジ・ロンドン精神医学・心理学・神経科学研究所のBen Carter氏らによるもので、詳細は「JMIR Mental Health」に3月9日掲載された。

統合失調症に対する漢方薬と抗精神病薬の併用がMetSに及ぼす影響

 統合失調症患者における抗精神病薬と併用した中長期の漢方薬の使用が、メタボリックシンドローム(MetS)に及ぼす影響を評価し、これらの患者におけるMetSの有病率および関連する影響因子を明らかにするため、中国・Fujian Psychiatric CenterのJing-Shuang Zhang氏らは、レトロスペクティブコホート研究を実施した。Frontiers in Pharmacology誌2026年3月17日号の報告。  2022~24年に統合失調症と診断され精神科病院に入院中の患者897例(平均年齢:47.68±14.67歳)を対象に、レトロスペクティブコホート研究を実施した。

聴覚ビート刺激を組み合わせた音楽は不安軽減に有効

 短時間だけ音楽を聴くことが不安の軽減に役立つ可能性が、新たな臨床試験で明らかになった。試験では、脳活動に影響を与えることを目的とした音のパターンである聴覚ビート刺激(ABS)を組み合わせた音楽を24分間聴くことが、不安症状の軽減に最も効果的であることが示されたという。トロント・メトロポリタン大学(カナダ)心理学教授のFrank Russo氏らによるこの臨床試験の詳細は、「PLOS Mental Health」に1月21日掲載された。  この臨床試験では、先行研究で確認された、音楽にABSを組み合わせた(音楽+ABS)介入による追加の不安軽減効果が再現されるか、また、音楽+ABSの効果が最大となる聴取時間がどの程度かが検討された。

配偶者死別後の健康に男女差、男性で死亡・認知症リスク上昇

 配偶者との死別は人生で最もつらい出来事の一つだが、その影響は男女で異なるのだろうか。今回、日本の高齢者を対象とした大規模研究により、配偶者死別後の影響には明確な男女差があり、男性では死亡や認知症リスクの上昇など不良転帰が目立つ一方、女性では時間の経過とともに幸福感や生活満足度が高まる傾向が示された。研究は、千葉大学予防医学センター社会予防医学部門の河口謙二郎氏らによるもので、詳細は2月12日付の「Journal of Affective Disorders」に掲載された。

アルツハイマー病に対する9種の薬物療法の有効性比較〜ネットワークメタ解析

 依然として、アルツハイマー病は世界的な課題である。近年、アルツハイマー病に対する新規薬物療法が次々と承認されているが、これらの薬剤の認知機能に対する有効性の違いは、明らかになっていない。英国・Imperial College LondonのShanshan Huang氏らは、ネットワークメタ解析を用いて、アルツハイマー病患者における主要な認知機能アウトカムについて、プラセボと比較した9種類の薬物療法の有効性に関してランキングを行った。Journal of Alzheimer's Disease Reports誌2026年2月6日号の報告。