精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

アルツハイマー病に伴うアジテーション、抗うつ薬併用有無でブレクスピプラゾールの有効性に違いはあるか

 抗うつ薬使用の有無により、アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有効性および安全性に違いはあるのかを明らかにするため、米国・Connecticut Clinical ResearchのC. Brendan Montano氏らは、ブレクスピプラゾールの2つの第III相臨床試験のデータを統合し、事後解析を実施した。The American Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2026年6月30日号の報告。  ブレクスピプラゾールに関する2つの第III相試験(12週間、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照)のデータを統合した。事後解析として、抗うつ薬使用の有無により患者を層別化した。有効性はCohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)、安全性は治療中に発現した有害事象(TEAE)を用いて評価した。

急性期統合失調症に対する8つの抗精神病薬とKarXTとの比較~ネットワークメタ解析

 米国FDAは、xanomelineとtrospiumを配合したKarXTを統合失調症の新たな治療薬として2024年に承認した。KarXTは、成人統合失調症患者を対象とした3つのランダム化比較試験(RCT)において、プラセボに対する優越性が報告されている。しかし、従来の抗精神病薬との比較は明らかになっていない。英国・LumanityのConor Hickey氏らは、急性期統合失調症の治療に対する8つの第2世代抗精神病薬とKarXTの相対的な有効性、安全性、忍容性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Journal of Comparative Effectiveness Research誌2026年8月号の報告。

組織的なスポーツ活動で自閉症スペクトラム症の子どもの運動能力が向上

 自閉症スペクトラム症(ASD)の子どもは運動能力の課題を抱えていることが少なくないが、組織的なスポーツ、特に武道や水中トレーニングによって、運動能力が向上する可能性が報告された。米オールド・ドミニオン大学のSonia Khurana氏らが行ったシステマティックレビューの結果であり、詳細は「Developmental Medicine & Child Neurology」に7月22日付で掲載された。  ASDの診断基準に、運動能力に関する項目は含まれていない。しかし、最近報告されたメタ解析から、ASDの子どもの50~88%が、バランス感覚、手と目の協調性、微細運動の制御、手先の器用さなどに、何らかの困難を抱えていると推定されている。

アルコール依存症患者の飲酒関連がん、遺伝的体質でリスクに差

 飲酒は頭頸部がんや食道がんなどの飲酒関連がんの重要なリスク因子として知られている。今回、日本人のアルコール依存症患者を対象とした研究で、アルコール代謝に関わる遺伝的体質によって、こうしたがんのリスクが異なることが明らかになった。研究は、国立病院機構久里浜医療センターアルコール内科の横山顕氏、国立保健医療科学院生涯健康研究部の横山徹爾氏によるもので、詳細は7月7日付の「Cancer Medicine」に掲載された。  飲酒は頭頸部がんや食道がん、肝がん、大腸がん、胃がんなどのリスク因子として知られている。

睡眠薬の切り替えまたは減量に関する推奨事項

 世界人口の10~30%が不眠症に罹患しているといわれている。また、睡眠薬を服用する人の4人に1人が、その薬剤に依存するようになるともいわれている。不眠症では、利用可能な薬剤の種類が多岐にわたるため、薬剤の切り替えは複雑である。しかし、これまでの推奨事項は、すべての薬剤クラスを網羅しているわけではなかった。そのため、欧州全体および各地域の診療の特性を考慮した、実践的かつエビデンスに基づいた推奨事項が求められていた。ドイツ・ケルン大学のGoran Hajak氏らは、睡眠薬の切り替えまたは減量に関する推奨事項について、ドイツ睡眠学会およびオーストリア睡眠学会の不眠症ワーキンググループによるナラティブレビューを実施した。

降圧薬による認知症リスクの低下、ARB vs.Ca拮抗薬~日本人大規模データ

 降圧薬の「種類」の違いが、血圧低下とは独立して認知症リスクに影響するかについては、十分に明らかになっていなかった。今回、統計数理研究所/総合研究大学院大学の野間 久史氏らが実施した65歳以上を対象とした標的試験エミュレーションの結果、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の新規開始はカルシウム拮抗薬(CCB)の新規開始に比べて、認知症、とくに血管性認知症のリスクが低いことが示された。Alzheimer’s & Dementia誌2026年8月号に掲載。  本研究では、19自治体の医療・健診情報を統合した約505万人の大規模医療データベースであるLIFE Studyの2014年4月~2024年9月のデータから、新規にARBまたはCCBによる高血圧治療を開始した65歳以上の認知症ではない成人を対象に、標的試験エミュレーションによりARB開始群とCCB開始群の認知症リスクを比較した。

食事のタイミングと日本人の認知症リスクとの関係~LIFE研究

 食事のタイミングと認知症についてのエビデンスは限られている。九州大学の川口 健悟氏らは、深夜の夕食および朝食抜きと、認知症の発症との関連を検討した。GeroScience誌オンライン版2026年7月28日号の報告。  本研究には、2016年4月~2021年3月の19自治体におけるレセプトデータを含むLIFE研究(Longevity Improvement & Fair Evidence Study)のデータが用いられた。深夜の夕食(就寝前2時間以内の夕食を週3回以上)および朝食抜き(週3回以上)については、健康診断時に評価し、「あり」または「なし」として解析した。

親の離婚を経験した子どもは成人期のうつ病リスクが高い

 親が離婚した子どもは、親が婚姻関係を維持していた子どもと比べて成人期にうつ病と診断されるオッズが41%高いことが、7月29日付で「Psychiatry Research」に掲載された論文で示された。ただし、親の精神疾患や物質使用を考慮すると、この関連は大幅に弱まったという。論文の筆頭著者であるティンデール神学大学(カナダ)心理学分野のMary Kate Schilke氏は、「親の離婚そのものが子どもの将来のうつ病リスクを高めると考える人もいるだろう。しかし今回の研究結果は、ことはそれほど単純ではない可能性を示している。離婚に伴いしばしば生じる家庭内の問題、特に親の精神疾患や物質使用は、子どもの長期的なうつ病リスクを説明する上で離婚そのものよりも重要な因子と考えられる」と述べている。

急性期うつ病に対する21種類の抗うつ薬の比較~ネットワークメタ解析

 うつ病は、成人の精神疾患において世界的に頻度が高く、負担が大きく、かつ多大なコストを要する疾患の1つである。うつ病の治療では薬物療法と非薬物療法の両方が利用可能である。しかし、リソースが不十分であるため、心理的介入よりも抗うつ薬が頻繁に使用されている。これらの抗うつ薬の処方は、利用可能な最良の科学的根拠に基づいて行われるべきである。英国・オックスフォード大学のAndrea Cipriani氏らは、成人単極性うつ病患者に対する急性期治療薬としての抗うつ薬を比較、順位付けしたこれまでの研究を更新、拡張することを目的とし、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Focus(American Psychiatric Publishing)誌2026年4月号の報告。

レカネマブ、実臨床でも安全性は臨床試験とおおむね一致

 Sally Osmerさんは、最先端のアルツハイマー病治療薬レカネマブ(商品名:レケンビ)による治療を受ける機会があることを知り、迷わず受け入れた。Osmerさんはアルツハイマー病の家族歴があり、74歳のときに早期アルツハイマー病と診断された。診断当初、彼女は特に症状を自覚していなかったが、画像検査と遺伝子検査から診断が確定したという。Osmerさんは、「アルツハイマー病と診断されたときは、とてもショックを受けた。体は健康なのに脳はゆっくりと衰えていくと考えると、とても怖い。ただ、早期に発見できたのは幸運だったし、治療を開始できたことも嬉しく思っている」と話している。