精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

自殺企図と関連する睡眠薬使用、状況や時間に応じてどう変化するか?

 近年の睡眠薬の処方は、ベンゾジアゼピン系薬剤から、デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)やメラトニン受容体作動薬などの非GABA作動性睡眠薬へと移行している。獨協医科大学の佐々木 太郎氏らは、自殺企図に関与する睡眠薬の影響が状況依存的、経時的に変化するかどうかを調査した。Neuropsychopharmacology Reports誌2026年6月号の報告。  本研究は、多施設共同レトロスペクティブコホート研究として実施された。日本の3つの医療機関に2020年4月〜2025年3月の間に自殺企図で受診した患者を連続して登録した。受診時に回収した空の薬剤パッケージから、自殺企図に関与した睡眠薬を特定した。

猛暑への長期曝露、認知症発症リスクを高める可能性

 猛暑は熱中症や心血管イベントのリスク因子として知られているが、認知症発症に対する長期的影響については十分なエビデンスが蓄積されていない。日本の大規模高齢者コホートを用いて、長期にわたる極端な暑熱曝露と認知症発症および全死亡との関連を検討した結果が発表された。東京科学大学・公衆衛生学分野の森田 彩子氏らによる本研究は、Alzheimer's & Dementia誌2026年1月4日号に掲載された。  2016~19年に実施された日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)の縦断データを用いた。

タウPET検査、トレーサー選択がアルツハイマー病診断の精度に影響/Lancet

 アルツハイマー病の診断、進行ステージおよび治療の選択において重要なバイオマーカーとして注目されるタウPET画像について、検査で使用する放射性医薬品(トレーサー)の選択により、年齢やアルツハイマー病の進行段階を問わず、タウ病理の検出頻度に違いが生じることが、米国・ピッツバーグ大学のGuilherme Povala氏らによる「HEAD試験」の結果で示された。トレーサーとして、[18F]MK6240はフロルタウシピル(18F)(商品名:タウヴィッド)と比較して、認知機能正常例および認知障害例のいずれにおいても、タウ病理を有する人をより多く特定した。著者らは、「この結果は、臨床試験における患者層別化やより精度の高い治療方針決定に、直接的な影響を与えるものである」とまとめている。Lancet誌2026年5月30日号掲載の報告。

うつ病に対する5つの抗精神病薬補助療法、その有効性と忍容性は?

 うつ病成人の多くは、従来の抗うつ薬では寛解に至ることが困難である。米国食品医薬品局(FDA)は、有効性と安全性に関する十分なエビデンスに基づき、うつ病の治療薬として5種類の非定型抗精神病薬を承認している。カナダ・トロント大学のRoger S. McIntyre氏らは、うつ病に対するFDA承認の非定型抗精神病薬併用療法の有効性および忍容性を比較し、医療従事者および当事者への意思決定支援を提供することを目的として、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2026年5月6日号の報告。

高齢者におけるベンゾジアゼピン減量のための最適な戦略は?

 慢性的なベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZRA)の使用は、転倒、認知機能低下、機能低下、その他の有害事象に関する懸念があるにもかかわらず、65歳以上の高齢者において依然として一般的に行われている。BZRAの減薬を支援するための複数の戦略が提案されているが、高齢者におけるこれらの減薬介入の安全性と有効性は、介入の種類を問わず包括的に統合されていない。スペイン・Clinica Psicogeriatrica Josefina ArreguiのKevin O'Hara-Veintimilla氏らは、65歳以上の高齢者における慢性的なBZRA使用を減らすための構造化された戦略の安全性と有効性に関する入手可能なエビデンスを統合することを試みた。Age and Ageing誌2026年5月4日号の報告。

レビー小体型認知症の発症率は考えられているよりも高い可能性

 米CNN創業者テッド・ターナー(Ted Turner)氏の命を奪った進行性の脳疾患であるレビー小体型認知症(DLB)の発症率は10万人年当たり約4.8例と、これまで考えられていたよりも高い可能性が、新たなエビデンスレビューで示唆された。この発症率は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、一部の認知症や非定型パーキンソン症候群(非定型パーキンソニズム)などのより広く知られている神経変性疾患の発症率よりも高いという。バーリ大学(イタリア)のDaniele Urso氏らによるこの研究結果は、「JAMA Neurology」に5月11日掲載された。Urso氏らは、「DLBは、主に高齢になってから発症する認知症であり、他のいくつかの比較的まれな神経変性疾患よりも発症頻度が高い」と結論付けている。

アルツハイマー病のバイオマーカー、中年期にも検出可能か/Lancet

 アミロイドβ(Aβ)およびリン酸化タウ(p-tau)タンパク質の蓄積を特徴とするアルツハイマー病の神経病理学的所見は、主に高齢者の検体のバイオマーカーを用いて評価しており、中年期の血漿バイオマーカーの状態や、その認知機能との関連はほとんど知られていないという。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のXiaqing Jiang氏らは、これらの血漿バイオマーカーによって定義されるアルツハイマー病の神経病理学的陽性所見は、相対的に頻度は低いものの、中年期にも検出可能であり、認知能力の低下やその加速と関連し、特定の集団においてより強い関連性を持つ可能性があることを示した。研究の成果はLancet誌2026年5月30日号で報告された。

うつ病の再発を予測する残存症状は?

 うつ病の急性期治療が成功した後の再発予防は、依然として臨床上の課題となっている。残存する抑うつ症状は、再発の信頼できる予測因子であると考えられる。しかし、特定の残存症状が再発リスクにどの程度影響を及ぼしているかをシステマティックに評価した研究は、これまであまりなかった。ベルギー・ルーベン大学のDavid Borghgraef氏らは、うつ病の急性期治療が成功した後に残存する抑うつ症状と再発リスクとの関連を調査するため、スコーピングレビューを実施した。Canadian Journal of Psychiatry誌オンライン版2026年5月6日号の報告。

テレビや映画の偏った自閉症の描写が診断の遅れを招く可能性

 映画やテレビに登場する自閉スペクトラム症(ASD)の男性のステレオタイプな描写の影響で、女性やノンバイナリーの人の間でASDの診断が遅れがちになっている可能性が、新たな研究で示唆された。ドラマ『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』(原題:The Big Bang Theory)のシェルドン・クーパーや、映画『レインマン』(原題: Rain Man)のレイモンド・バビットといった登場人物は、ひと目でASDだと分かるように描かれている。しかし、こうした描写は過度に誇張され単純化されているため、ASDの人には共感しにくいものになっていることが判明したという。英スターリング大学のSarah Dantas氏らによるこの研究の詳細は、「Societies」に4月29日掲載された。

不眠症と心房細動の関連、全国178万人データで検証

 不眠症は多くの人が経験する身近な症状であり、生活の質の低下に加え、さまざまな健康リスクとの関連も指摘されている。今回、日本の全国規模データを用いた解析から、不眠症は心房細動の発症リスク上昇と有意に関連することが示され、特に若年層や女性でその傾向が強いことが明らかになった。睡眠の状態が心臓のリズム異常と関連する可能性を示した研究として注目される。研究は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学分野の増田拓郎氏、江尻健太郎氏、東京大学医学部附属病院循環器内科先進循環器病学講座の金子英弘氏らによるもので、詳細は4月20日付の「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。