精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

不眠の重症度は日本人の認知症リスクに影響するか?

 睡眠障害は、認知症発症の修正可能なリスク因子である可能性が示唆されている。しかし、不眠症と認知症との関連性は依然として明らかになっていない。神奈川県立保健福祉大学のAung Thet Oo氏らは、高齢者における不眠症の重症度が認知症発症を促進させるかどうかを検討するため、本研究を実施した。Archives of Gerontology and Geriatrics誌オンライン版2026年4月26日号の報告。  本研究は、山梨県都留市の地域住民を対象とした7年間の縦断研究として実施した。2016年1月に機能障害のない65歳以上のすべての住民を対象にベースライン調査を実施し、高齢者5,255人が回答を行った。

肥満治療のついでにアルコール使用障害も治せる時代が来る? セマグルチド第III相試験の衝撃(解説:永井聡氏)

肥満症や糖尿病治療の日常臨床では、アルコール使用障害(AUD)の患者にも多く遭遇する。“非”アルコール性である“代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)”では、GLP-1関連薬の効果が期待されている一方、アルコール関連肝疾患(ALD)では「お酒を控えて…」などの一言二言では、まず効果は期待できない。ALDの背景にあるAUDについて治療施設へ受診を勧めても受診が進まず、日常診療でもうまくいかないことが多い。しかし、セマグルチド投与により「自然と飲酒量が減った」「酒への強い欲求がなくなった」といった事例が報告され、セマグルチド1.0mgのAUDに対する第II相臨床試験(48例、9週間投与)では、アルコール消費量や飲酒に対する「飲酒渇望(craving)」が減少することが報告されていた。

最低賃金を引き上げると自殺リスクは低下するか?

 2014年以降、米国では薬物中毒と自殺による死亡率の上昇に伴い、平均寿命が低下した。米国・ハーバード大学のYuji Mizushima氏らは、米国における近年の大幅な最低賃金の引き上げが、これらの結果に影響を及ぼしたかどうかを評価した。American Journal of Epidemiology誌オンライン版2026年5月4日号の報告。  2010〜19年のNational Vital Statistics System(NVSS)の死亡データを用いて、25歳以上を対象に、州ごとの最低賃金引き上げの導入状況と教育水準(大学卒以上とそれ以外)による影響の違いを考慮した3重差分分析を行った。最低賃金引き上げの導入状況のばらつきと介入の異質性に対処するため、2段階補完推定法を用いた。

精神疾患の疾病負担、その世界的現況:GBD 2023/Lancet

 「疾病、傷害、リスク要因に関する世界疾病負担(GBD)研究」2023年版では、375の疾病・傷害について調査が行われ、このうち12が精神疾患であった。オーストラリア・Queensland Centre for Mental Health ResearchのDamian F. Santomauro氏らMental Disorder Collaboratorsは、2023年の時点で、利用可能な医療資源の有無を問わず、すべての国・地域で精神疾患が大きな健康上の負担をもたらし、場合によっては、この負担は時間とともに増大し、人口集団間で不均等に分布していることを示した。研究の成果はLancet誌2026年5月23日号に掲載された。

日本人双極症の入院予防に対する気分安定薬と抗精神病薬の単剤/併用療法の有効性

 双極症の薬物療法に関する臨床的エビデンスは依然として限られている。とくに、臨床現場で広く用いられている併用療法の有効性については、システマティックに評価されていない。臨床疫学研究推進機構の奥村 泰之氏らは、双極症に対して用いられる気分安定薬および抗精神病薬の単剤療法と併用療法の再発予防効果を、厚生労働省が保有する匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いて評価した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2026年4月30日号の報告。  本研究は、厚生労働省が保有するNDBを用いた、個人内比較デザインの集団ベースコホート研究である。

インフルワクチンによるアルツハイマー病リスク低下、高用量ワクチンでより有効

 高用量のインフルエンザワクチンは、高齢者におけるアルツハイマー病のリスクを低下させる可能性があるとする研究結果が報告された。高用量ワクチンを接種した高齢者は、標準用量ワクチン接種者と比べ、アルツハイマー病リスクが有意に低かったという。米国でのアルツハイマー病の患者数は2025年時点で700万人以上に上り、2050年までにこの2倍以上に増加すると予測されている。米テキサス大学ヒューストン健康科学センターの神経学教授であるPaul Schulz氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に4月1日掲載された。

統合失調症スペクトラム症に最適な抗精神病薬の投与量は?

 急性期の統合失調症スペクトラム症に対する最適な抗精神病薬の用量に関する研究が進められている。しかし、依然として不明点が多く残存している。ドイツ・ミュンヘン工科大学の古川 由己氏らは、急性期統合失調症における抗精神病薬の用量反応関係を明らかにするため、2段階アプローチよりも多くの情報を活用した1段階用量反応メタ解析を実施した。EClinicalMedicine誌2026年3月26日号の報告。  2025年1月13日までのCochrane Schizophrenia Groupレジストリーおよび2026年1月19日までのPubMedより、成人および小児・青年の急性期統合失調症患者を対象に、20種類の抗精神病薬を固定用量で検討した研究を検索した。

統合失調症に対するブレクスピプラゾール2~4mgの有用性評価:メタ解析

 ブレクスピプラゾールは、統合失調症治療薬として承認された新規ドーパミンD2パーシャルアゴニストであり、D2、5-HT1A、5-HT2A受容体への作用バランスを取ることで、有効性と忍容性を向上させた薬剤である。パキスタン・イスラマバード大学のSher Bano氏らは、ブレクスピプラゾール2~4mg/日の有効性と安全性に関する最新のエビデンスを評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。PCN Reports誌2026年4月12日号の報告。  PubMed、ScienceDirect、Cochrane Libraryより、2011~25年に公表された研究を、特定のキーワードを用いて検索した。

日本において軽度うつ病の初回受診時から抗うつ薬が処方される割合は?

 軽度うつ病に対する抗うつ薬の有効性については、依然として議論が続いている。ガイドラインでは、まず心理社会的介入を推奨しているが、実際の臨床現場では抗うつ薬が処方されることが少なくない。杏林大学の浦田 実氏らは、軽度うつ病患者の精神科初診時における抗うつ薬の処方パターンを調査し、処方決定に影響を与える症状関連因子を特定することを目的に、レトロスペクティブカルテレビュー研究を実施した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2026年4月8日号の報告。

治療抵抗性の幻聴に対する視聴覚補助療法、その有効性は?

 統合失調スペクトラム症では、抗精神病薬治療を行っているにもかかわらず、幻聴が持続することが少なくない。認知行動療法(CBT)は確立された心理療法であるが、難治性幻聴に対する視聴覚補助療法であるAVATAR療法は、インタラクティブなデジタルアバターを統合した新しいアプローチとして近年導入されている。台湾・高雄医学大学のTien-Wei Hsu氏らは、薬剤抵抗性の幻聴に対するAVATAR療法とCBTの有効性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Psychological Medicine誌2026年4月13日号の報告。