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2024/07/10
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精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:5

双極性障害とうつ病で異なる臨床的特徴

 中国・上海交通大学のZhiguo Wu氏らは、うつ病と診断された患者とうつ病と診断されたものの双極性障害(BP)I型およびII型であった患者における、現在のうつ病エピソードの人口統計学的および臨床学的特徴を調査した。BMC Psychiatry誌2024年5月10日号の報告  うつ病およびうつ病と診断されたBP-I、BP-IIのDSM-IV診断を確定させるために精神疾患簡易構造化面接法(MINI)を実施した。中国の8ヵ所の精神科施設より抽出されたBP-I、BP-II、うつ病患者1,463例を対象に、人口動態、うつ症状、精神疾患の併存を比較した。診断の臨床的相関を評価するため、多項ロジスティック回帰モデルを用いた。

せん妄に対するアリピプラゾール治療〜システマティックレビュー

 せん妄は、医療現場、とくに高齢者において一般的に見られる神経精神疾患である。せん妄の第1選択の薬理学的介入としてハロペリドールが挙げられるが、強力なエビデンスが存在しているわけではなく、その副作用は重篤となる可能性があり、ドパミンおよびセロトニンを標的とした代替治療薬(非定型抗精神病薬)の使用が検討される。非定型抗精神病薬の中でも、アリピプラゾールは、最も良好な安全性プロファイルを有する薬剤であると考えられる。イタリア・Mental Health Center of FrosinoneのStefano Maddalena氏らは、せん妄に対する薬理学的介入としてのアリピプラゾールに関する研究について、最新の研究を含めたシステマティックレビューを実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2024年4月30日号の報告。

日本人における頭痛で受診する患者としない患者の特徴

 富士通クリニックの五十嵐 久佳氏らは、頭痛で医療機関を受診した患者と受診しなかった患者の特徴を明らかにするため、観察研究を実施した。BMJ Open誌2024年4月29日号の報告。  横断的なオンライン調査および医療請求データを用いて、観察研究を実施した。オンライン調査は、2020年11月に自己記入式アンケートで実施し、2017年12月〜2020年11月の医療請求データは、DeSCヘルスケアより提供された。性別と年齢が請求データと一致した19〜74歳の回答者2万1,480人のうち、頭痛を経験した人は7,311人であった。アウトカムは、参加者の特徴、医療機関の受診状況、薬物療法、片頭痛のQOLアンケート(MSQ)Ver.2.1より測定したQOL、頭痛重症度とした。

東日本大震災による住宅被害や精神的ダメージと修正可能な認知症リスクとの関連

 東北大学の千葉 一平氏らは、地域住民の高齢者における、東日本大震災による住宅被害および精神的ダメージと認知症の修正可能なリスク因子との関連を評価する目的で横断的研究を実施した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2024年5月3日号の報告。  対象は、地域住民の高齢者2万9,039人(平均年齢:69.1±2.9歳、女性の割合:55.5%)。東日本大震災後の災害関連被害(住宅全壊または半壊)および精神的ダメージ(心的外傷後ストレス反応[PTSR])を、自己申告式アンケートを用いて収集し評価した。修正可能なリスク因子には、うつ病、社会的孤立、身体不活動、喫煙、糖尿病を含んだ。災害関連被害と修正可能なリスク因子との関連を評価するため、社会人口統計学的変数と健康状態変数を調整した後、最小二乗法および修正ポアソン回帰モデルを用いた。

治療抵抗性統合失調症患者の再入院に対するLAI抗精神病薬併用の効果

 台湾・Taoyuan Psychiatric CenterのYun Tien氏らは、クロザピンで治療中の治療抵抗性統合失調症患者における長時間作用型注射剤(LAI)抗精神病薬の使用と精神科入院リスクの関連を評価した。The Journal of Clinical Psychiatry誌2024年5月1日号の報告。  本研究は、3次精神科センター単一施設レトロスペクティブコホート研究として実施された。DSM-IV-TRおよびDSM-5の診断基準による治療抵抗性統合失調症患者の再入院ハザード比(HR)を分析した。経口抗精神病薬またはLAI抗精神病薬の有無にかかわらず、クロザピンのさまざまな向精神薬レジメンを検討した。クロザピンの投与量と入院歴により層別化を行った。  主な結果は以下のとおり。

週末の短時間の「寝だめ」、うつ病改善に役立つ可能性

 週末にまとまった睡眠をとる、いわゆる「寝だめ」は疲労回復や心身の健康に役立つのか。賛否が分かれる議論であったが、寝だめがうつ病の改善に一定の効果があるとする研究結果が発表された。中国・中南大学湘雅医院のZhicheng Luo氏らによる本研究はJournal of Affective Disorders誌2024年6月1日号「Research paper」に掲載された。  研究者らは、米国成人における「週末の寝だめ」(Weekend Catch-up Sleep:WCS、週末の睡眠時間から平日の睡眠時間を引いた時間/1日当たり)が米国の成人のうつ症状に与える影響を調査した。2017~20年の国民健康栄養調査(NHANES)から7,719人の参加者を登録した。睡眠時間とうつ症状に関する情報は、自己申告による質問とPHQ-9スコアで評価し、回帰分析を使用してWCSと抑うつ症状の関連を評価した。

治療抵抗性うつ病に対するドパミンパーシャルアゴニストの用量別比較

 治療抵抗性うつ病に対するドパミンパーシャルアゴニスト(アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、cariprazine)による抗うつ効果増強療法は、これまでのネットワークメタ解析において比較されている。しかし、これら薬剤の用量反応の有効性比較は、十分に行われていなかった。iこころクリニック日本橋の寺尾 樹氏らは、用量反応関係を推定し、各ドパミンパーシャルアゴニストの効果を、用量別に比較した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2024年4月19日号の報告。

入院中に認知症が疑われる、または診断された高齢患者の特徴

 日本では、身体疾患による入院時に認知症の疑いまたは診断を受けた患者に対する加算制度が、2016年に開始された。藤田医科大学の芳野 弘氏らは、入院中に認知症の疑いまたは認知症と診断された高齢患者の臨床的特徴を調査した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2024年4月24日号の報告。  参加者569例の年齢、性別、併存疾患、入院の原因疾患、BMI、血液検査、入院前の環境、入院前の処方歴、せん妄の割合を調査した。高頻度の疾患については、それぞれのリスク因子を独立変数とし、単回帰分析を行い、その後、重回帰分析を実施した。

うつ病リスクと関連する飲料は?~5年間コホート研究

 飲料摂取がうつ病に及ぼす影響について、アジア人ではエビデンスが限られている。具体的には、野菜や果物をそのまま摂取することはうつ病の予防につながると報告されているが、野菜や果物をジュースにした場合の情報はほとんどない。さらに、加糖コーヒーとブラックコーヒーの影響の差異を比較した研究も十分ではない。国立精神・神経医療研究センターの成田 瑞氏らは、一般集団における加糖飲料、炭酸飲料、野菜・フルーツジュース、加糖コーヒー・ブラックコーヒー、緑茶の摂取とその後のうつ病との関連を調査した。Clinical Nutrition誌オンライン版2024年4月17日号の報告。  2011~16年に、ベースラインでがん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、うつ病の既往歴がない9万4,873例を対象に、5年間のフォローアップ調査を実施した。うつ病のリスク差(RD)の算出には、ポアソン回帰モデルおよびg-formulaを用いた。多重感度分析も実施した。欠損データの処理には、ランダムフォレストを用いた。相互作用による相対過剰リスクとリスク比を分析することで、性別、年齢、BMIに基づく効果の不均一性を調査した。

気候変動は脳の疾患の悪化と関連

 気候変動は、脳卒中、片頭痛、アルツハイマー病、てんかん、多発性硬化症などの脳の疾患を悪化させる可能性のあることが、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)クイーンスクエア神経学研究所教授のSanjay Sisodiya氏らによる研究で明らかになった。研究グループは、「気候変動は、さまざまな神経疾患にかなりの影響を与える可能性が高い」と危惧を示している。この研究の詳細は、「The Lancet Neurology」6月号に掲載された。  この研究では、1968年から2023年の間に発表された332件の研究データを分析し、気候変動が、2016年の世界疾病負荷研究(Global Burden of Disease Study 2016)で検討された、脳卒中、片頭痛、アルツハイマー病、髄膜炎、てんかん、多発性硬化症などの19種類の神経疾患、および不安や抑うつ、統合失調症などの精神疾患に与える影響を検討した。