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2024/07/10
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精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

日本における入院患者のせん妄に対する新規睡眠導入薬の予防効果〜レトロスペクティブコホート研究

 新規睡眠導入薬であるラメルテオン、スボレキサント、レンボレキサントなどは、せん妄の高リスク患者の予防に有用であることが示唆されている。しかし、入院患者において、すべての新規睡眠導入薬のせん妄予防効果を同時に評価した研究は、これまでなかった。久留米大学の逸見 竜次氏らは、精神疾患以外で一般内科および外科に入院し、不眠症のリエゾン介入を受けた患者を対象に、睡眠導入薬の使用とせん妄予防との関連を明らかにするため、本研究を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2024年6月3日号の報告。

片頭痛患者に対するフレマネズマブ治療の日本における費用対効果

 日本においてフレマネズマブは、反復性片頭痛(EM)および慢性片頭痛(CM)患者に対して有効な治療薬だが、その費用対効果は明らかになっていなかった。大阪・富永病院の竹島 多賀夫氏らは、日本の医療観点から、治療歴を有するEMおよびCM患者に対するフレマネズマブの費用対効果について標準治療(SOC)との比較を行った。PharmacoEconomics誌オンライン版2024年5月21日号の報告。  フレマネズマブとSOCの有効性および健康関連QOLに関連するデータを分析するため、マルコフモデルで推定回帰モデルを行った。モデルには、さらに文献データを追加した。調整された日本の医療観点には、生産性の損失も含めた。主なモデルアウトカムは、質調整生存年(QALY)、コスト(2022年時点の日本円)、増分費用効果比(ICER)を含む費用増加アウトカムとした。分析は、EM患者とCM患者の個別に実施し、その後組み合わせた。費用と効果は、年率2.0%の割引を行った。

片頭痛予防の再定義、抗CGRPモノクローナル抗体による早期治療が治療反応を強化

 片頭痛予防に承認されている抗CGRPモノクローナル抗体による治療は、患者によって治療反応が異なり、多くの国では費用償還(reimbursement)ポリシーがあるため、治療が妨げられることもある。スペイン・Vall d'Hebron HospitalのEdoardo Caronna氏らEUREkA study groupは、6ヵ月間の抗CGRP抗体に対する良好/優良な治療反応およびそれに関連する臨床的因子を調査するため、本研究を実施した。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌オンライン版2024年5月22日号の報告。  本研究は、2018年3月以降に抗CGRP抗体による治療を行った高頻度の反復性片頭痛または慢性片頭痛患者を対象とした欧州の多施設共同プロスペクティブリアルワールド研究である。良好/優良な治療反応の定義は、6ヵ月後の1ヵ月あたりの頭痛日数(MHD)の減少がそれぞれ50%以上、75%以上とした。治療反応と独立して関連する変数を特定するため、一般化混合効果回帰モデルを用いた。

双極性障害患者の精神疾患生涯有病率〜メタ解析

 双極性障害は、重篤な精神疾患であり、その負担の一部は生涯にわたる精神疾患の併存と関連しており、診断、治療、予後にも影響を及ぼす。ブラジル・Universidade Federal da BahiaのGabriela Leda-Rego氏らは、双極性障害患者の精神疾患生涯有病率を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2024年5月8日号の報告。  1993〜2022年に公表された関連論文をMedline/PubMed、Embase、Cochrane Library(Central)、PsycINFO、Scopus、Web of Science、および言語制限なしの手動で検索し、メタ解析を実施した。最初に特定された1万2,698件のうち、最終的に適格基準を満たした114件を選択した。双極性障害患者における精神疾患に関する2つのメタ解析(有病率、リスク比)を実施し、その後、単変量分析で有意であると特定されたモデレーターについて多変量メタ回帰モデルを用いて、モデレーター効果の包括的な調査を行った。

統合失調症に対する抗精神病薬の有効性および安全性の性差

 抗精神病薬は、精神疾患患者にとって中心的な治療薬であるが、有効性と安全性のバランスをとることが求められる。治療アウトカムを改善するためにも、抗精神病薬の有効性および安全性に影響を及ぼす個別の因子を理解することは重要である。オーストラリア・モナシュ大学のMegan Galbally氏らは、抗精神病薬に関連する有効性および忍容性における性差について、調査を行った。CNS Drugs誌オンライン版2024年5月7日号の報告。  大規模抗精神病薬比較試験であるClinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness(CATIE)の第IおよびIa相試験のデータを2次分析した。CATIE試験では、統合失調症患者を経口オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ziprasidone、ペルフェナジンによる治療にランダムに割り付け、二重盲検治療を行った。評価基準には、陽性陰性症状評価尺度(PANSS)、臨床全般印象度(CGI)、Calgary Depression Rating Scale、自己報告による副作用、服薬コンプライアンス、投与量、体重、さまざまな血液パラメータを含めた。

アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有用性〜メタ解析

 最近のランダム化比較試験(RCT)において、アルツハイマー病患者の行動障害(アジテーション)のマネジメントに対するブレクスピプラゾールの有用性が示唆されている。しかし、その有効性および安全性は、まだ明らかとなっていない。ブラジル・Federal University of CearaのGabriel Marinheiro氏らは、アジテーションを有するアルツハイマー病患者を対象にブレクスピプラゾールとプラセボを比較したRCTのメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌オンライン版2024年5月20日号の報告。

ストレスチェックで、その後の精神疾患による長期休職が予測できるか

 労働安全衛生法の改正に伴い、2015年より50人以上の労働者がいる事業所では、ストレスチェックの実施が義務化された。京都大学の川村 孝氏らは、ストレスチェックプログラムを用いた従業員の精神疾患による長期病欠の予測可能性を検討した。Journal of Occupational and Environmental Medicine誌2024年5月1日号の報告。  対象は、2016〜18年に精神疾患の長期病欠を取得した大学職員。対象者と性別、年齢、職種が一致した職場に出勤している大学職員を対照群に割り当てた。57項目の質問票より得られたデータの分析には多変量回帰分析を用い、最終的に予測モデルを開発した。2019年に検証を行った。

精神病性うつ病の維持療法に対する抗うつ薬や抗精神病薬治療の実際の有効性

 精神病性うつ病は、機能障害や自殺リスクの高さを特徴とする重度の精神疾患であるが、その維持療法に使用される薬物療法の有効性を比較した研究は、あまり多くない。フィンランド・東フィンランド大学のHeidi Taipale氏らは、日常診療下における精神病性うつ病患者の精神科入院リスクに対する特定の抗精神病薬と抗うつ薬、およびそれらの併用療法の有効性を比較するため、本研究を実施した。World Psychiatry誌2024年6月号の報告。  新たに精神病性うつ病と診断された16〜65歳の患者を、フィンランド(2000〜18年)およびスウェーデン(2006〜21年)の入院、専門外来、病気休暇、障害年金のレジストリより特定した。主要アウトカムは、重度の再発を表す精神科入院とした。特定の抗精神病薬および抗うつ薬による薬物療法の影響を比較した。薬剤の使用期間および非使用期間に関連する入院リスク(調整ハザード比[aHR])は、各個人を自身の対照とする個人内デザインにより評価し、層別Coxモデルで分析した。フィンランドとスウェーデンの2つのコホート研究をそれぞれ事前に分析し、次に固定効果メタ解析を用いて統合した。

コーヒー・紅茶と認知症リスク、性別や血管疾患併存で違い

 コーヒーや紅茶の摂取は、認知症リスクと関連しているといわれているが、性別および血管疾患のリスク因子がどのように関連しているかは、よくわかっていない。台湾・国立台湾大学のKuan-Chu Hou氏らは、コーヒーや紅茶の摂取と認知症との関連および性別や血管疾患の併存との関連を調査するため、本研究を実施した。Journal of the Formosan Medical Association誌オンライン版2024年5月6日号の報告。  対象は3施設より募集したアルツハイマー病(AD)の高齢患者278例、血管性認知症(VaD)患者102例、対照者468例は同期間に募集した。コーヒーや紅茶の摂取頻度および量、血管疾患の併存の有無に関するデータを収集した。コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスクとの関連性を評価するため、多項ロジスティック回帰モデルを用いた。性別および血管疾患の併存により層別化して評価を行った。

うつ病と心血管疾患発症の関連、女性でより顕著

 日本人400万人以上のデータを用いて、うつ病と心血管疾患(CVD)の関連を男女別に検討する研究が行われた。その結果、男女とも、うつ病の既往はCVD発症と有意に関連し、この関連は女性の方が強いことが明らかとなった。東京大学医学部附属病院循環器内科の金子英弘氏らによる研究であり、「JACC: Asia」2024年4月号に掲載された。  うつ病は、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などのCVD発症リスク上昇と関連することが示されている。うつ病がCVD発症に及ぼす影響について、性別による違いを調べる研究はこれまでにも行われているものの、その明確なエビデンスは得られていない。