精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:367

不眠症への行動療法、夜間頻尿を軽減できるか

 不眠症に対する行動療法は夜間頻尿の軽減につながる可能性が示唆された。米国・ピッツバーグ大学のShachi Tyagi氏らが、不眠症と夜間頻尿を併発している60歳以上の地域住民を対象に、行動療法を行った場合と情報提供のみを行った場合を比較検討した結果、報告した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2014年1月2日号の掲載報告。

双極性障害の診断、DSM-IV-TRでは不十分

 双極性障害を正確に診断することは容易ではない。とくに、かかりつけ医においてはうつ病との鑑別が困難な場合も少なくない。スイス・チューリッヒ大学精神科病院のJules Angst氏らは、ICD-10基準で双極性障害(BD)と診断が付いている患者が、プライマリ・ケアの場面でDSM-IV-TRによってBDと診断されるかを検証した。その結果、診断された患者はわずかで、DSM-IV-TRのBD診断基準は限定的であることが示された。過去20年の間に、DSM-IVおよびDSM-IV-TRにおける軽躁病の診断概念が、非常に限定的であるとのエビデンスが蓄積されていた。Journal of Affective Disorders誌2014年1月号の掲載報告。

アリピプラゾールは急性躁病治療のファーストラインになりうるか

 急性躁病のファーストライン治療は薬物療法であり、まず初めに興奮、攻撃性、危険な行動を迅速にコントロールすることが目的とされている。非定型抗精神病薬アリピプラゾールは、躁病治療において、単独また他剤との併用いずれもが行われている。また、英国精神薬理学会(British Association of Psychopharmacology)のガイドラインでは、単独療法プラセボ対照試験において、アリピプラゾールを含む非定型抗精神病薬は急性躁病また混合性エピソードに有効であることが示唆されたとしている。そこで、英国・Oxford Health NHS Foundation TrustのRachel Brown氏らは、急性躁病症状または混合性エピソードの軽減について、アリピプラゾールの単独または他の抗躁薬との併用治療の有効性と忍容性を評価するとともに、プラセボまたは他剤との比較を行った。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年12月17日号の掲載報告。

タバコ規制、精神疾患患者には効力弱い/JAMA

 2004~2011年の間に、精神疾患患者においても喫煙率の低下はみられたが、精神疾患を有さない人の低下と比べるとその割合は有意に少なかったことが示された。一方で精神疾患患者の禁煙率は、精神科治療を受けている人が受けていない人と比べて有意に高率だったという。米国・ハーバード・メディカル・スクール/ケンブリッジ・ヘルスアライアンスのBenjamin Le Cook氏らが報告した。米国では大幅な喫煙率低下が進んできたが、「タバコ規制運動」は精神疾患患者よりも一般集団にフォーカスされてきた。精神疾患患者では喫煙率やニコチン依存の割合が高いという背景がある。JAMA誌2014年1月8日号掲載の報告より。

ベンゾジアゼピン部分アゴニスト、新たなてんかん治療薬として期待

 ドイツ・Drug-Consult.NetのChris Rundfeldt氏らは、てんかんに対する新たな治療薬として、ベンゾジアゼピン(BZD)受容体部分アゴニストの可能性について言及した。現在、BZD受容体部分アゴニストとしてイミダゾロン誘導体のイメピトインが、イヌのてんかん治療薬として承認されており、従来のBZDでみられる有害事象、忍容性、依存性などの問題を解決する新たな治療薬としてヒトへの応用が期待されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2013年12月号の掲載報告。

SSRI/SNRIへの増強療法、コストパフォーマンスが良いのは

 うつ病患者において、抗うつ薬単独療法で寛解が得られるのは約3分の1にすぎず、その他の抗うつ薬に変更した場合でも累積寛解率は50~55%にとどまる。このような背景から、治療抵抗性うつ病のマネジメントとして増強療法への関心が高まっている。米国・IMS HealthのRolin L. Wade氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬/ 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SSRI/SNRI)に、第二世代非定型抗精神病薬(SGAs)またはL-メチルフォレートを併用する増強療法時のアドヒアランス、ならびに医療コストについて比較検討した。その結果、L-メチルフォレートのほうがSGAと比べて、抗うつ薬のアドヒアランスが高く保たれ、うつ病に特化したコストおよび全医療コストが低いことが示されたことを報告した。Journal of managed care pharmacy誌2014年1月号の掲載報告。

軽~中等度アルツハイマー病にもビタミンEが有効/JAMA

 軽度~中等度のアルツハイマー病(AD)に対するビタミンE(α-トコフェロール)の投与は、身体機能の低下を遅延する効果があることが示された。米国・ミネアポリスVAヘルスケアシステムのMaurice W. Dysken氏らが、AD患者600例超を対象に行った、二重盲検プラセボ対照並行群間無作為化臨床試験「TEAM-AD VA共同無作為化試験」の結果、報告したもので、JAMA誌2014年1月1日号で発表した。なお、ビタミンE+メマンチン投与およびメマンチン単独投与ではプラセボ群と比べて有意差はみられなかったという。これまでの研究で、中等度~重度ADに対するビタミンEの効果は示されていたが、軽度~中等度ADについては、その効果に関するエビデンスは限定的だった。

抗精神病薬の用量決定時、精神科医が望むことは

 抗精神病薬処方時の用量決定には、主として臨床医としての直観(intuition)や経験、そして患者の意向が影響していることが、英国・ロンドン大学のLauren Best-Shaw氏らが行った精神科医へのアンケート調査の結果、明らかになった。また、処方のエビデンスに関して懸念を示す臨床医もいたが、大半が治療薬物モニタリング(TDM)を用いることに前向きで、活用可能であればそれを利用するだろうと回答したという。これまで精神科医が、統合失調症の個々の患者について、どのように抗精神病薬の処方用量を選択しているのか、明らかになっていなかった。Therapeutic Drug Monitoring誌オンライン版2013年12月31日号の掲載報告。

認知症患者のニーズを引き出すアプリ:神奈川県立保健福祉大学

 認知症患者は進行に伴い、意思疎通が難しくなる。このような問題を解決するため、神奈川県立保健福祉大学の友利 幸之介氏らは、作業療法に当たっての作業選択意思決定支援ソフト「ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice;エードック)」の活用基準を確定するため検討を行った。検討の結果、ADOCは中等度認知症患者における大切な作業を把握するのに役立つ可能性があることが示された。Disability and Rehabilitation : Assistive Technology誌オンライン版2013年12月24日号の掲載報告。

双極性障害に対するリチウム療法の効果を予測する遺伝子変異/NEJM

 双極性I型障害患者に対するリチウム維持療法では、GADL1遺伝子変異の状態によって効果に差があることが、台湾中央研究院のC-H Chen氏ら台湾バイポーラ・コンソーシアムの検討で示された。リチウム維持療法は双極性障害患者における躁状態およびうつ状態の予防の第一選択の治療法とされ、再発や自殺のリスクを低減することが示されている。その一方で、効果がみられない患者も多いという。これまでに、リチウム治療の奏効と関連し、臨床での使用に十分な感度を有する一塩基多型(SNPs)はみつかっていない。NEJM誌オンライン版2013年12月25日号掲載の報告。