呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:169

新型コロナワクチンで再注目、必須抗菌薬の国内生産体制をどう維持するか

 2019年、抗菌薬のセファゾリンが原薬の異物混入等の理由から一時製造中止となり、供給不足が医療現場に大きな混乱をもたらした。これにより、原薬供給が海外の特定国とメーカーに集中している現状では、いったん不測の事態が生じれば医療現場に必須の薬剤が供給不能になる、という問題点が明らかになった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においても、流行初期のマスク不足やワクチン確保の局面において、医薬品の国内生産の重要性が改めて注目されている。  厚生労働省はセファゾリン供給不足の事態を受け、「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」を立ち上げ、1)供給不安の予防、2)供給不安への早期対応、3)実際に供給不安に陥ったときの対応という側面から、対応策を検討してきた。

医師の8割が新型コロナワクチンを希望、その本音は?/医師1,000人に聞きました

 新型コロナウイルスのワクチン接種が世界中で始まり、接種者は1億人を突破した。2月下旬より医療者を対象に接種が始まる日本でも、さまざまな新型コロナワクチンに関する情報が次々と飛び込んできており、そんななかで医師のワクチンに対する心境に変化はあるのだろうかー。  今回、医師の接種希望に関する心境の変化やその理由を探るため、昨年10月に会員医師へ行った新型コロナワクチン接種に関するアンケートの回答者1,027人に対し、2回目のアンケートを実施した[1月27日(木)~2月3日(水)]。980人から回答を得た結果より、医師のワクチン接種希望者は1回目のアンケートでは61.2%だったのが、2回目では82%に増加したことが明らかになった。

中国製COVID-19ワクチン、アジュバント併用で免疫反応増大/Lancet

 中国のバイオテクノロジー企業Clover Biopharmaceuticalsが開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「SCB-2019」について、免疫増強剤(AS03またはCpG/Alum)の配合投与(アジュバントワクチン)により、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する強力な液性免疫および細胞性免疫が認められ、高い中和抗体価も得られたことが示された。西オーストラリア大学のPeter Richmond氏らによる第I相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、著者は、「いずれのアジュバントワクチンとも忍容性は良好であり、さらなる臨床開発に適する」と述べている。SARS-CoV-2ワクチンの開発加速の一手段として、アジュバントワクチンの検討が進められている。著者らは、2つの異なるアジュバントを組み合わせたスパイクタンパク質安定化三量体(S-Trimer)を含有する、タンパク質サブユニットワクチン候補SCB-2019の用量設定とアジュバントの正当性を検証した。Lancet誌オンライン版2021年1月29日号掲載の報告。

新型コロナ感染症に対する回復期血漿療法は有効か?(解説:山口佳寿博氏)-1353

新型コロナに対する治療の一環として自然感染から回復した患者血漿を投与する療法が試みられている。これと同様の治療法はS蛋白の種々なる領域に対するMonoclonal抗体治療である。しかしながら、Monoclonal抗体製剤は高価であり世界のすべての地域で簡単に施行できる方法ではなく、費用対効果の面から安価な回復期血漿療法(一種のPolyclonal抗体療法)が多くの国で試みられている。患者の回復期に得られた血漿を新たな患者に輸血する方法はエボラ出血熱、SARS、MERS、鳥インフルエンザなど種々の感染症において施行されてきた。

副反応は大丈夫?新型コロナワクチンの疑問に答えるLINEボット

 国内でも新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が月内にもはじまる見込みだが、新しいワクチンであることから副反応等を理由に、接種をためらう人も多い。  こうした状況を憂慮した医師を中心に、ワクチンに関するよくある質問に答えるLINEのチャットボットを利用した情報提供がはじまった。  この「コロワくんの相談室」はLINEに友達追加することで、無料で利用できる。 ・ワクチンの接種方法 ・ワクチンの効果 ・ワクチンの仕組み ・ワクチンの副反応  という画面のメニューから、自分の知りたい内容を選んでいくと、ボットが事前に用意された回答を提示する。回答の下には関連する厚生労働省サイトや、回答の根拠となる論文誌へのリンクもつけられており、医療従事者が患者に説明する際にも利便性が高そうだ。

遺伝子ワクチンの単回接種は新型コロナ・パンデミックの克服に有効か?(解説:山口佳寿博氏)-1352

現在、新型コロナに対する世界のワクチン争奪戦は熾烈を極め、ワクチンが世界全域に満遍なく配布されるかどうかは微妙な問題である。本邦にあってもPfizer社、Moderna社、AstraZeneca社と総計3.14億回分(2回接種として1億5,700万人分で全国民に行き渡る量)のワクチンが契約されているが、各製薬メーカーのワクチン生産能力には限界があり、契約されている全量が滞りなく納入されるという保証はない。それ故、世界全体で新型コロナのパンデミックを乗り切るためにはワクチンの2回接種ではなく1回接種を考慮する必要がある。

KRASG12C変異陽性肺がんにおけるsotorasib、迅速かつ持続的な効果示す/アムジェン

 アムジェンは、2021年1月29日、126例のKRASG12C変異を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)の患者を対象に治験薬sotorasibを評価した臨床試験であるCodeBreaK100の第II相コホートから得られた結果を発表した。この結果は、国際肺癌学会(IASLC)2020 世界肺癌会議(WCLC)のPresidential Symposiumで発表され、中央値で1年超の追跡評価期間を有する、NSCLCを対象として完遂した主要な第II相試験の初めての結果である。  Sotorasibの奏効率(ORR)および病勢コントロール率(DCR)は、それぞれ37.1%と80.6%であり、奏効期間の中央値は10ヵ月であった(データカットオフ2020年12月1日、追跡期間中央値12.2ヵ月)。

悪性胸膜中皮腫の1次治療、ニボルマブ+イピリムマブがOS改善/Lancet

 未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫(MPM)の治療において、ニボルマブ+イピリムマブ療法は標準的化学療法と比較して、全生存(OS)期間を4ヵ月延長し、安全性プロファイルは同程度であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのPaul Baas氏らが行った「CheckMate 743試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年1月30日号で報告された。MPMの承認済みの全身化学療法レジメンは、生存に関する有益性は中等度であり、転帰は不良だという。ニボルマブ+イピリムマブ療法は、非小細胞肺がんの1次治療を含む他の腫瘍で臨床的有益性が示されている。

血液によるCOVID-19重症化リスクの判定補助キットが保険適用/シスメックス

 シスメックスは2月4日、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、インターフェロン-λ3(IFN-λ3)キット「HISCLTM IFN-λ3試薬」が2月3日に保険適用を受けたことを発表した。同キットと全自動免疫測定装置を用いて血清中のIFN-λ3を測定することで、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助するための情報を提供する。  シスメックスは国立国際医療研究センターとの共同研究を通じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクの経過観察に有用なバイオマーカーとして、IFN-λ3を特定した。IFN-λ3は重症化の症状が認められる数日前に急激に血液中の濃度が上昇することが確認されており、重症化の予測や経過観察補助としての臨床有用性が報告されている1,2)。同製品は、2020年12月22日にSARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、製造販売承認を取得している3)。

新型コロナ、20歳未満は感染しにくいが感染させやすい

 新型コロナウイルスの家庭内感染の調査から、20歳未満の若年者は高齢者より感染しにくいが、いったん感染すると人にうつしやすいことが、中国・武漢疾病予防管理センターのFang Li氏らの後ろ向き研究で示唆された。また感染力は、症状発現前の感染者、症状発現後の感染者、無症状のままだった感染者の順で高かった。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年1月19日号に掲載。