呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:169

新型コロナワクチン接種、間違い防止チェックリストの活用を/厚労省

 厚生労働省は各医療機関などが新型コロナワクチン接種を実施するにあたり、ホームページ内の「新型コロナワクチンの接種を行う医療機関へのお知らせ」「新型コロナワクチンに関する自治体向け通知・事務連絡等」ページにて『予防接種を適切に実施するための間違い防止チェックリスト』を公開している。  このリストは、「確認チェックリスト」「医師がチェックする確認事項の解説」「事故予防対策の例」の3つに項目立てされており、受付・問診から救急搬送措置に至るまで、注意すべきポイントが一連の流れに沿って記載されている。

イスラエルの新型コロナワクチンの効果、地域や年齢による差は?

 新型コロナワクチンの接種が各国にて急ピッチで進められているが、社会における実質的な効果の検証が求められている。イスラエル・ワイツマン科学研究所のHagai Rossman氏ら研究チームが、国内におけるワクチン接種の開始前後におけるCOVID-19症例数と入院数の経時的変化について分析したところ、ワクチン接種における年齢および地域の優先順に、COVID-19症例数および入院者数が大幅かつ速やかに減少傾向を示していたことがわかった。イスラエルでは、2020年12月20日から新型コロナワクチン接種が始まり、優先対象の60歳以上では、2月24日時点で85%が2回の接種済みだという。著者らは、本結果がコロナパンデミックに対する全国的なワクチン接種キャンペーンの実効性を示唆するものだと述べている。Nature Medicine誌オンライン版2021年4月19日号に掲載の報告。

新型コロナワクチン、既感染者での効果は?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)既感染者にワクチンを接種すべきかどうか、はっきりしていない。これまでに既感染者が未感染者よりワクチンによる抗体応答が有意に高かった報告は少ない。今回、イタリア・シエナ大学のGabriele Anichini氏らが実施したコホート研究では、既感染者でのワクチン単回接種後の中和抗体価が、未感染者における2回接種後より有意に高いことが示された。NEJM誌オンライン版2021年4月14日号のCORRESPONDENCEに報告。

アナモレリン、がん悪液質に新たな治療選択肢/小野薬品

 小野薬品工業は、2021年4月21日、グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)について、「悪性腫瘍(非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌)におけるがん悪液質」の効能又は効果で国内において新発売した。  がん悪液質は、がんに伴う体重減少(特に筋肉量の減少)や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群であり、がん患者の生活の質(QOL)や予後に顕著な影響を及ぼすことが分かってきているが、これまでに国内でがん悪液質の治療薬として承認された薬剤はなかった。

アビガン、発症早期COVID-19患者に対する第III相試験開始/富士フイルム富山化学

 富士フイルム富山化学は、アビガン(一般名:ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を対象とした新たな第III相試験を国内で開始したことを、4月21日に発表した。本試験は、重症化リスク因子を有する、発症早期のCOVID-19患者において有効性・安全性を検証する二重盲検プラセボ対照試験。  アビガンについては、非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象とした国内第III相試験において、主要評価項目で統計学的有意差を確認したことから、アビガンの製造販売承認事項一部変更承認申請を行っている。

中和抗体カクテル療法で症候性COVID-19発症リスクが81%減/ロシュ

 ロシュ社(スイス)は4月12日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染者との家庭内での濃厚接触者を対象に、中和抗体カクテル療法によるCOVID-19発症リスクおよび負担軽減を評価した第III相臨床試験(REGN-COV 2069試験)において、良好な結果を確認したと発表した。casirivimabとimdevimabの皮下投与により、試験開始時に感染していなかった人の症候性感染の発症リスクが81%減少したことが示されたという。

新型コロナ既往者の再感染リスクは84%減少/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染既往者は、非既往者に比べ感染リスクは約84%減少し、その効果持続期間の中央値は7ヵ月であることが、英国・Public Health England ColindaleのVictoria Jane Hall氏らによる、英国内の病院に勤務する医療従事者やスタッフなど約2万6,000例を対象とした大規模前向きコホート試験の結果で示された。なお期間については、セロコンバージョンを含んでおらず最短である可能性があるという。COVID-19からの回復者に再感染の保護効果があるのかについて理解を深めることは喫緊の課題とされている。著者らは、SARS-CoV-2への獲得抗体が症候性および無症候性の再感染リスク減少と関連するのかどうかを検討した。結果を踏まえて著者は、「SARS-CoV-2への感染既往は、大半の人にとって将来的な感染に有益な免疫をもたらすことを示すものであった」と述べている。Lancet誌2021年4月17日号掲載の報告。

緊急気管挿管後の有害イベント、45.2%で発生/JAMA

 重症患者への気管挿管後の主要有害イベント発生率は、45.2%と頻繁にみられることが、29ヵ国、197ヵ所の医療機関、約3,000例を対象に行った観察試験で示された。とくに多くみられたのは心血管系の不安定化で、緊急挿管を受けた患者の42.6%で発生がみられたという。イタリア・ミラノ・ビコッカ大学のVincenzo Russotto氏らによる、International Observational Study to Understand the Impact and Best Practices of Airway Management in Critically Ill Patients(INTUBE)試験の結果で、JAMA誌2021年3月23日号で発表された。重症患者への気管挿管は最も頻繁に行われる行為であると同時にリスクの高い手技でもあるが、これまで挿管時の有害イベントに関する情報は限定的であった。

ファイザー製ワクチン、免疫チェックポイント阻害薬投与がん患者での安全性

 全身薬物療法で治療後もしくは治療中のがん患者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡リスクが高いため、ワクチン接種の優先度が高いグループと見なされる。しかし、がん患者におけるワクチンの安全性および有効性データはない。また、一部の専門家から、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)投与患者において、ワクチンで免疫関連有害事象を誘発または増強する可能性が指摘されている。今回、イスラエル・Tel Aviv Sourasky Medical CenterのBarliz Waissengrin氏らは、ICIで治療されたがん患者におけるファイザー社製ワクチン(BNT162b2 mRNAワクチン)の安全性について調査した。Lancet Oncology誌オンライン版2021年4月1日号に掲載。

ニボルマブ+化学療法の肺がん術前補助療法、pCRを改善(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年4月10日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と化学療法を3サイクル投与する併用療法が、化学療法と比較して、切除可能なStage1b〜3aの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法として、病理学的完全奏効(pCR)を有意に改善したと発表。  これは、切除可能なNSCLC患者の術前補助療法として、ニボルマブ(またはイピリムマブ)と化学療法の併用を化学療法単独と比較した第III相CheckMate-816試験の結果で、米国がん学会(AACR 2021)で発表されたもの(抄録番号:#5218)。