呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:330

ニボルマブ、FDAに非扁平上皮NSCLCへの適応拡大を申請

 2015年9月2日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国・ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、米国食品医薬品局(FDA)が、治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(非小細胞肺がん、以下NSCLC)患者を対象としたニボルマブ(商品名:オプジーボ)に関する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したことを発表した。このsBLAは、ニボルマブの現在の適応である、治療歴を有する扁平上皮NSCLCからの拡大を目的とするもの。FDAによる審査完了の目標期日は 2016年1月2日。

特発性肺線維症(IPF)初の分子標的薬ニンテダニブ発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下、日本ベーリンガーインゲルハイム)は8 月31 日、チロシンキナーゼ阻害剤/抗線維化剤ニンテダニブエタンスルホン酸塩(商品名:オフェブ カプセル100mg、同カプセル150 mg、以下オフェブ)を、特発性肺線維症の効能・効果で発売したと発表。

特発性肺線維症の死亡率は悪性腫瘍よりも高い

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、特定疾患治療研究事業の対象疾患である「特発性肺線維症」(以下IPFと略す)の治療薬ニンテダニブ(商品名:オフェブ)の製品記者発表会を、8月20日都内において行った。  ニンテダニブは、本年7月に製造販売を取得、今秋にも発売が予定されている治療薬で、IPFでは初めての分子標的薬となる。

ネットによる手洗い行動介入は気道感染症の抑制に有効/Lancet

 インターネットを利用して手洗い行動を促す介入法は、気道感染症の拡大の抑制に有効であることが、英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏が実施したPRIMIT試験で示された。手洗いは、気道感染症の拡大予防に広く支持され、とくに新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスのパンデミック(pandemic)の際には世界保健機関(WHO)が推奨した。一方、主な感染経路は飛沫とする見解があるなど、手洗いの役割については議論があり、また非貧困地域の成人に関する質の高い無作為化試験のエビデンスはこれまでなかったという。さらに、パンデミックのリスクの増大に伴い、迅速に利用できる低コストの介入法が求められている。Lancet誌オンライン版2015年8月6日号掲載の報告。

Stage IIIA/N2のNSCLC、術前化学放射線療法は有用か/Lancet

 Stage IIIA/N2の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療では、術前の化学療法に放射線療法を併用しても、さらなるベネフィットは得られないことが、スイス・Kantonsspital WinterthurのMiklos Pless氏らSAKK Lung Cancer Project Groupの検討で示された。局所進行Stage III病変は治癒の達成が可能な最も進行したNSCLCであるが、最終的に患者の60%以上ががんで死亡する。Stage IIIA/N2の標準治療は同時併用化学放射線療法と手術+化学療法で、後者については術後または術前化学療法+手術が、手術単独よりも生存期間において優れることが示されているが、術前化学放射線療法+手術の第III相試験はこれまで行われていなかった。Lancet誌オンライン版2015年8月11日号掲載の報告より。

肺がん左上葉切除術は脳梗塞の危険因子か

 脳梗塞は肺切除術後のまれな合併症であるが、重度の後遺症をもたらしうる。千葉大学の山本 高義氏らが、肺がん術後に脳梗塞を発症した患者の特徴を検討したところ、脳梗塞が左上葉切除を受ける肺がん患者で高頻度に発症しており、左上肺静脈断端における血栓症がその原因となっている可能性が示唆された。Surgery Today誌オンライン版2015年8月14日号に掲載。

PADIS-PE試験:ワルファリンをいつ中止するのが良いのか?~特発性肺血栓塞栓症の初発患者の場合(解説:西垣 和彦 氏)-398

ワルファリンは、いわば“両刃の剣”である。深部静脈血栓症(DVT)を含めた静脈血栓塞栓症(VTE)による肺血栓塞栓症(PE)予防の有効性は顕著であるが、抗血栓薬自体の宿命でもある出血も、しばしば致命的となる症例も少なくない。したがって、メリットとデメリットを十分に勘案し、最大限の効果が得られる抗凝固療法継続期間を求めることには必然性がある。

唐辛子をほぼ毎日食べると死亡リスク低下/BMJ

 香辛料入り食品を習慣的に摂取すると、あまり食べない集団に比べ、全死因死亡のほか、がん、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡が減少することが、China Kadoorie Biobank collaborative groupのJun Lv氏らの調査で示された。香辛料は、世界の食文化に不可欠の要素であり、食品の味や風味付け、彩り、保存食のほか医療用としても長い歴史を持つ。最近は、とくに味付けのための使用が増加しており、中国では全国的に唐辛子の消費量が多いという。一方、カプサイシンなど、香辛料の主要な生理活性成分は、種々の慢性疾患において有益な役割を果たすことが、実験的研究や地域住民研究で報告されている。BMJ誌オンライン版2015年8月4日掲載の報告より。