呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:328

肺結核への4ヵ月レジメンの効果/NEJM

 喀痰塗抹陽性・リファンピン(本邦ではリファンピシン)感受性の肺結核に対し、ガチフロキサシン(国内販売中止)を含む4ヵ月レジメンは、エタンブトール(商品名:エブトールほか)投与を含む6ヵ月標準レジメンとの比較において、非劣性は示されなかったことが報告された。英国のロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院のCorinne S. Merle氏らが、アフリカ5ヵ国で1,836例について行った非劣性無作為化非盲検比較試験で明らかにした。本検討は、結核の治療期間が短縮できれば、疾病コントロールの大きな改善につながることから行われたものであった。NEJM誌2014年10月23日号掲載の報告より。

肺結核の1次治療、より簡略なレジメンが非劣性/NEJM

 肺結核の1次治療では、高用量リファペンチン(国内未承認)+モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)の週1回投与を含む6ヵ月レジメンの有効性が、イソニアジド(同:イスコチンほか)+リファンピシン(同:リファジンほか)の6ヵ月連日投与を要する標準治療に劣らないことが、英国・ロンドン大学セント・ジョージ校のAmina Jindani氏らが行ったRIFAQUIN試験で示された。現在の肺結核に対する6ヵ月レジメンは、薬剤感受性菌の場合、適切に投与すれば95%以上の無再発治癒達成が可能だが、より短期間で簡略化されたレジメンの確立が求められている。リファペンチンの間欠投与では再発率が高く、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の重複感染例ではリファマイシン系薬への抵抗性がみられるが、マウス実験では高用量リファペンチンとモキシフロキサシンの併用が治癒率を改善する可能性が示唆されている。NEJM誌2014年10月23日号掲載の報告。

結核性心膜炎に対するプレドニゾロンおよび免疫補助療法(解説:小金丸 博 氏)-268

結核性心膜炎は、医療資源の限られたアフリカやアジアの国々において重大な問題となっている。とくにHIV感染者では合併頻度が高く、死亡率も高い。グルココルチコイドを併用することで炎症反応が弱まり、心タンポナーデや収縮性心膜炎による死亡のリスクが低下するとの報告もあるが、その有効性は確立しておらず、米国と欧州のガイドラインでは相反する勧告が示されている。

新たな鳥インフルエンザワクチン Anhuiの免疫原性/JAMA

 米国・ワシントン大学医学部のRobert B. Belshe氏らは無作為化試験にて、最新の鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス株であるA/Anhui/01/2005(安徽株)を抗原株とした不活化インフルエンザワクチンの免疫原性と安全性を評価した。被験者は、米国FDAが新型インフルエンザのパンデミックワクチンとして承認している、A/Vietnam/1203/2004(ベトナム株)ワクチン(90μg、アジュバント非添加、2回接種)を1年前に接種した人であった。また同ワクチン未接種者に対する安徽株ワクチン(MF59アジュバント添加・非添加)の評価を行った。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。

肺葉切除の長期転帰、胸腔鏡下は開胸と同等/BMJ

 肺がん患者の肺葉切除術について、胸腔鏡下手術vs. 開胸手術の長期生存を検討した結果、全生存、がん特異的生存および無増悪生存のいずれも同等であったことが報告された。米国・ウェイル・コーネル・メディカル大学のSubroto Paul氏らが、肺葉切除術を受けた6,008例について傾向スコア適合分析を行い明らかにした。胸腔鏡下肺葉切除術は開胸肺葉切除術よりも、術後合併症が少ないことは知られている。しかし長期アウトカムへの影響については不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「胸腔鏡下手術は、肺葉切除後のアウトカムを損なうことがないようだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年10月2日号掲載の報告。

H7N9ワクチン、安全性と効果/JAMA

 鳥インフルエンザA/上海/2/13(H7N9)ワクチンの安全性と免疫原性について、MF59アジュバント有無の4つの抗原用量を比較した第II相多施設共同二重盲検無作為化試験の結果が発表された。米国・エモリー大学医学部のMark J. Mulligan氏らによる検討の結果、最小用量3.75μg+MF59アジュバントの2回接種(0、21日)群において、42日時点の抗体陽転率は59%であったことが報告された。鳥インフルエンザH7N9は、2013年に中国で確認された新型の鳥インフルエンザウイルスで、家禽には問題なかったが、ヒトでは重症肺炎を引き起こし、同国では入院率67%、死亡率33%に達した。WHOには2014年6月27日時点で、検査確認症例450例のうち165例の死亡(36.6%)が報告されているという。JAMA誌2014年10月8日号掲載の報告より。