呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:341

ワルファリン延長投与、中止後も効果は持続するか/JAMA

 6ヵ月間の抗凝固治療を受けた特発性肺塞栓症の初発患者に対し、さらに18ヵ月間のワルファリン投与を行うと、とくに静脈血栓塞栓症の再発リスクが大きく改善されるが、治療を中止するとこのベネフィットは消失することが、フランス・ブレスト大学医療センターのFrancis Couturaud氏らが進めるPADIS-PE試験で示された。本症に対する抗凝固療法を3~6ヵ月で中止すると、一時的なリスク因子(手術など)に起因する静脈血栓塞栓症よりも再発リスクが高くなる。これらの高リスク集団に、さらに3~6ヵ月の延長治療を行うと、治療継続中は再発リスクが抑制されるが、治療中止後もこの効果が持続するかは不明だという。JAMA誌2015年7月7日号掲載の報告。

アトピー乳児、喘息発症リスクが高いのは?

 アトピー性皮膚炎(AD)は喘息や他のアトピー性疾患に先行して発症することが知られる。“アレルギーマーチ”と呼ばれるこれらの発症順序は必ずしも決まっておらず、乳幼児が喘息を発症するリスクについて取り組んだ研究は少ない。フランス・パリ公立アルマン・トゥルソー小児病院のFlore Amat氏らは、生後12ヵ月未満のAD患者を6歳まで追跡したObservatory of Respiratory risks linked with Cutaneous Atopy(ORCA)研究データを解析し、早期発症AD乳児において複数感作あるいは喘息家族歴を認める場合は、幼児期に喘息の発症リスクが高いことを明らかにした。PLoS One誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。

憎きCOPDの喉元に食らいつく治療法:気管支鏡で肺を“つぶす”?(解説:倉原 優 氏)-382

 COPDの外科治療といえば、肺容量減量手術(Lung volume reduction surgery:LVRS)である。まるで早口言葉のような言い回しだが、これはその名のとおり、肺の容量を減量する手術のことである。病的肺を切除して、健常肺の機能を活かそうというのがその治療原理である。LVRSはリスクの高い手術ではあるが、上葉優位な重度の気腫肺がある患者では、生存期間を延長する効果があるとされている。メタアナリシスでLVRSを積極的に推奨しているわけではないが、症例を選べば妥当な選択肢であるとしている。

精神疾患発症と喫煙の関連性

 喫煙は、健康な人よりも統合失調症やうつ病を有する患者においてより多くみられる。そこで、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarie Kim Wium-Andersen氏らは、喫煙は一般集団における抗精神病薬の使用、統合失調症、抗うつ薬使用やうつ病の発症原因となっていると仮定し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)との関連と比較を行った。その結果、喫煙は、統合失調症の発症に影響しているようだが、うつ病には影響しないようだという見解を報告した。International Journal of Epidemiology誌2015年4月号(オンライン版2015年6月7日号)の掲載報告。

COPDの肺容量減少術、気管支鏡下弁留置が有用か/Lancet

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において、気管支内弁を用いた気管支鏡下肺容量減少手術(BLVR)は、肺機能および6分間歩行距離を有意に改善することが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのClaire Davey氏らによるBeLieVeR-HIFi試験で示された。肺の最も増悪した病変部位を切除する肺容量減少手術(LVRS)は、肺気腫患者の肺機能や運動能、生存期間を改善するが、重大な合併症や約5%という早期死亡率が報告されている。BLVRは、最も肺気腫が進行した部位へ向かう気道に、気管支鏡で一方向弁を留置することで、病変のある肺葉を虚脱させる方法である。Lancet誌オンライン版2015年6月23日号掲載の報告。

【JSMO2015見どころ】肺がん

 2015年7月16日(木)から3日間にわたり、札幌にて、第13回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち、6月25日、日本臨床腫瘍学会(JSMO)主催のプレスセミナーが開催され、今年のJSMOで取り上げられる各領域のトピックスや、期待が高まるがん免疫療法などについて、それぞれ紹介された。  肺がんについては、大泉 聡史氏(北海道大学大学院医学研究科 呼吸器内科学分野)より、トピックスや注目演題などが紹介された。