呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:340

中国の入院例から鳥インフルエンザAウイルスH10N8の新型検出/Lancet

 鳥インフルエンザA(H10N8)ウイルスについて、感染症例1例から既報のH10N8ウイルスとは異なる新規の再集合体H10N8ウイルスが分離されたことを、中国・南昌市疾病管理予防センター(CDC)のHaiYing Chen氏らが報告した。症例は73歳女性で、発症後9日目で死亡。新たなウイルスが、患者の死亡と関連している可能性についても言及している。なお、この新規ウイルスは、ノイラミニダーゼ阻害薬に反応を示したという。Lancet誌オンライン版2014年2月5日号掲載の報告より。

H7N9型インフル、ヒト-ヒト感染の可能性依然残る/NEJM

 2013年に中国で発生した新型鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染例のほとんどでは疫学的な関連性が認められず、ヒト-ヒト間伝播の可能性は除外できないことが、中国・公衆衛生救急センターのQun Li氏らの調査で判明し、NEJM誌2014年2月6日号で報告された。2013年2~3月に、中国東部地域でH7N9ウイルスのヒトへの感染が初めて確認された。これまでに急速に進行する肺炎、呼吸不全、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、死亡の転帰などの特性が報告されているが、研究者はその後も詳細な実地調査などを進めている。

最重症COPDに低用量オピオイドは安全か/BMJ

 低用量オピオイド(経口モルヒネ30mg/日以下相当)は、COPD患者の入院や死亡を増大せず、重度呼吸器疾患における症状軽減への使用は安全である可能性が報告された。スウェーデン・ルンド大学のMagnus P Ekstrom氏らが行った同国住民ベースの前向き連続患者コホート研究の結果で、一方で、高用量オピオイドは死亡を増大する可能性も示された。重度呼吸器疾患の患者では慢性の息切れ(呼吸困難)がみられるが、オピオイドによる緩和が可能である。またCOPD患者では一般に不安解消のためにベンゾジアゼピン系薬が用いられているが、これらの単独または併用使用が、呼吸抑制や入院、早期死亡を招くのではないかという懸念があった。BMJ誌オンライン版2014年1月30日号の掲載報告。

今後の喘息治療では何が求められるのか

 2014年1月27日(月)、東京都千代田区でグラクソ・スミスクライン株式会社により、気管支喘息治療剤「レルベア エリプタ」(一般名:ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル)のメディアセミナーが開催された。本剤は昨年12月9日に発売された新規のICS/LABA製剤である。当日は3つの講演が行われた。

PM2.5/PM10の長期曝露、冠動脈リスク増大と相関/BMJ

 イタリア・ラツィオ州保健局のGiulia Cesaroni氏らは、ヨーロッパの大気汚染曝露コホート研究(ESCAPEプロジェクト)に参加する11コホート・約10万人を平均11.5年追跡したデータを解析した結果、大気中の粒子状物質いわゆるPM2.5やPM10などへの長期曝露と冠動脈イベント発生とが相関していることを明らかにした。その関連は、現在ヨーロッパで定められている制限基準値(PM2.5は年間25μg/m3未満、PM10は40μg/m3未満)以下でも認められたという。結果を踏まえて著者は、「今回の結果は、現状の基準値が死亡率だけを考慮したもので過小評価されていることを示し、基準値を引き下げることを支持するものである」と報告している。BMJ誌オンライン版2014年1月21日号掲載の報告。

ダウン症患者の睡眠時無呼吸症候群は体位や睡眠状態と関係するのか

 ダウン症の子供ではノンレム睡眠時の無呼吸低呼吸指数がとくに仰向けの体位で高く、これはダウン症による筋緊張低下が影響していることが理由である可能性を、オーストラリアのリッチー•センターのLauren C Nisbet氏らが報告した。Journal of clinical sleep medicine誌オンライン版2014年1月15日の掲載報告。

1日1回投与の新規喘息治療薬、国内長期投与における安全性・有効性を確認

 成人気管支喘息患者を対象とした52週間長期投与試験の結果、1日1回投与タイプの新規吸入薬フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール配合剤(FF/VI、商品名:レルベア)およびFF(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)単剤は、いずれも忍容性が良好であり、朝・夜のピークフロー値(PEF)および喘息症状の改善・維持が認められた。近畿大学医学部奈良病院 呼吸器・アレルギー内科教授の村木 正人氏らが、日本人の患者243例について行った多施設共同・非対照・非盲検試験の結果を報告した。アレルギー・免疫誌2013年10月号掲載の報告より。

禁煙補助療法、バレニクリンとブプロピオンの併用は有用か/JAMA

 禁煙補助療法について、バレニクリン(商品名:チャンピックス)単独投与とバレニクリン+ブプロピオン(国内未承認)併用投与を検討した結果、治療開始12週と26週時点での長期禁煙率は併用投与のほうが有意に高かったが、治療開始52週後では、長期禁煙率および7日間禁煙率ともに両群間に有意差はなかったことが報告された。米国・メイヨークリニックのJon O. Ebbert氏らが、500例超の喫煙者を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、明らかにした。JAMA誌2014年1月8日号掲載の報告より。

禁煙補助薬として抗うつ薬は有用なのか

 抗うつ薬は禁煙を助ける可能性があるといわれている。米国・バーモント大学のJohn R Hughes氏らは、抗うつ薬が禁煙を補助するかどうかを検討するため、Cochrane Tobacco Addiction Group Specialised Registerを用いてレビューを行った。その結果、ブプロピオン(国内未承認)とノルトリプチリンは長期的に禁煙を補助する可能性があること、一方でSSRIやモノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬は禁煙を助けないことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年1月8日号の掲載報告。