呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:83

医師のがん検診受診状況は?/1,000人アンケート

 定番ものから自費で受ける最先端のものまで、検査の選択肢が多様化しているがん検診。CareNet.comが行った『がん検診、医師はどの検査を受けている?/医師1,000人アンケート』では、40~60代の会員医師1,000人を対象に、男女別、年代別にがん検診の受診状況や、検査に関する意見を聞いた。その結果、主ながん種別に受ける割合の多い検査が明らかとなったほか、今後受けたい検査、がん検診に感じる負担など、さまざまな角度から意見が寄せられた(2022年8月26~31日実施)。

ソトラシブ、KRAS G12C変異陽性NSCLCのPFSを有意に延長(CodeBreaK-200)/ESMO2022

 KRAS G12C変異陽性の既治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対して、ソトラシブがドセタキセルよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが、米国・Sarah Cannon Research InstituteのMelissa L. Johnson氏から、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表された。  ソトラシブの有効性は単群試験のCodeBreaK100で示されていたが、今回発表されたのは、日本も参加した国際共同無作為化比較第III相試験CodeBreaK 200試験の主解析の結果である。

NSCLC術後補助療法 ペメトレキセド+シスプラチンはビノレルビン+シスプラチンと同様のOS(JIPANG)/ESMO2022

 完全切除を受けた非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術後化学療法として、ペメトレキセド+シスプラチン療法とビノレルビン+シスプラチン療法の無再発生存期間(RFS)と全生存期間(OS)に関する最終結果を、国立がん研究センター東病院の葉清隆氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表した。  これは日本で実施された第III相試験であるJIPANG試験の最終解析報告であり、すでにRFSと忍容性については報告がなされている。

日本でのコロナ死亡例の分析結果/COVID-19対策アドバイザリーボード

 第98回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが、9月7日に開催された。その中で大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター/COVIREGI解析チーム)らのチームが、「COVID-19レジストリに基づく死亡症例の分析」を報告した。  レジストリ研究は、わが国におけるCOVID-19患者の臨床像および疫学的動向を明らかにすることを目的に、2020年1月から行われている。COVID-19と診断され、医療機関において入院管理されている症例を対象に(8月22日時点で登録症例数は7万920症例)、COVID-19の臨床像・経過・予後、重症化危険因子の探索、薬剤投与症例の経過と安全性について解析、検討が行われている。

20歳未満のコロナ死亡例、基礎疾患やワクチン接種状況は?/国立感染症研究所

 国立感染症研究所は9月14日、新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報)の結果を発表した。オミクロン株の感染拡大に伴い、小児の感染者数が増加し、重症例や死亡例発生も報告されている。厚生労働省および同研究所は、日本小児科学会、日本集中治療医学会、日本救急医学会とともに、急性期以降の死亡例も含めて、積極的疫学調査を実施した。その結果、基礎疾患の有無がほぼ同数であり、ワクチン接種対象年齢でも87%が未接種で、発症から死亡まで1週間未満が73%(中央値4日)を占めていることなどが明らかになった。  本結果は、2022年1月1日~8月31日に報告された小児等の死亡例に関する暫定的な報告となる。調査対象となったのは、急性期の死亡例、加えて、死因を新型コロナとは別原因とした症例で、発症からの日数は問わないとする急性期以降に死亡した症例の計41例。そのうち32例について8月31日までに実地調査を行うことができ、明らかな内因性死亡と考えられたのは29例であった。調査項目は、年齢、性別、基礎疾患、新型コロナワクチン接種歴、発症日、死亡日、症状/所見、死亡に至る経緯等となっている。小児の死亡例は、2022年1月から継続的に発生し、疫学週28週目(7月11~17日)から増加していた。

オシメルチニブのEGFR陽性NSCLCアジュバント、3.6年で5.5年の無再発生存(ADAURA)/ESMO2022

 完全切除EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブの術後補助療法の有効性と安全性を評価する第III相無作為化二重盲検比較試験ADAURAの第2回解析が発表され、オシメルチニブの有効性が持続していることが明らかになった。  ADAURAの初回解析における、術後オシメルチニブ±補助化学療法はプラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無病生存期間(DFS)の利益を示した。

5~11歳への3回目接種を追加、新型コロナ予防接種の手引き9版/厚労省

 厚生労働省は、9月6日に全国の市町村に「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(9版)」を発出するとともに、同省のホームページでも公開した。本手引きは2020年12月17日の初版以来、十数回の更新を行い、その時どきの臨床知見、行政施策を反映した内容に改訂されている。 【第2章 5(新型コロナワクチンの概要)、第7章(ワクチン各論)】 ワクチンの有効期限について事務連絡の日付・名称を更新 【第4章 3(13)(接種を受ける努力義務等の取扱い)】 接種を受ける努力義務などの取扱いについて更新

JAK阻害薬とSteroid併用の重要性(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

今回取り上げた論文は、英国のRECOVERY試験の一環としてJanus kinase(JAK)阻害薬であるバリシチニブ(商品名:オルミエント)のコロナ感染症における死亡を中心とした重症化阻止効果を検証した多施設ランダム化非盲検対照試験(Multicenter, randomized, controlled, open-label, platform trial)の結果を報告している。本論評では、非盲検化試験(Open label)の利点・欠点を考慮しながら、重症コロナ感染症治療におけるJAK阻害薬とSteroid併用の意義について考察する。ランダム化非盲検対照試験では、試験の標的薬物の内容を被験者ならびに検者(医療側)が認知している状態でランダム化される。従来の臨床治験では非盲検法はバイアスの原因となり質的に問題があるものとして高い評価を受けてこなかった。しかしながら、コロナ感染症が発生したこの数年間では、その時点で効果を見込める基礎治療を標準治療として導入しながら標的の薬物/治療を加えた群(治験群)と加えなかった群(対照群)にランダムに振り分け、標的薬物/治療の有効性を判定する非盲検化試験が施行されるようになった。

BA.2.75「ケンタウロス」に対するコロナ治療薬の効果を比較/NEJM

 2022年6月よりインドを中心に感染拡大したオミクロン株BA.2.75(別名:ケンタウロス)は、日本を含め、米国、シンガポール、カナダ、英国、オーストラリアなど、少なくとも25ヵ国で確認されている。河岡 義裕氏、高下 恵美氏らによる東京大学、国立感染症研究所、国立国際医療研究センターが共同で行った研究において、BA.2.75に対し、4種類の抗体薬と3種類の抗ウイルス薬についてin vitroでの有効性を検証したところ、一部の抗体薬とすべての抗ウイルス薬が有効性を維持していることが示された。本結果は、NEJM誌オンライン版2022年9月7日号のCORRESPONDENCEに掲載された。