外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:22

オリゴ転移乳がん・NSCLC、SBRTは有益か?/Lancet

 体幹部定位放射線治療(SBRT)+標準ケアの全身性治療(標準治療)は標準治療単独と比較して、無増悪生存期間(PFS)を延長することが示された。ただし、オリゴ転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者で、SBRT+標準治療は標準治療単独と比較してPFSを4倍以上延長し、有効性のある治療となる可能性が示された一方で、オリゴ転移のある乳がん患者ではベネフィットは観察されなかった。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのChiaojung Jillian Tsai氏らによる第II相非盲検無作為化試験の結果で、著者は「さらなる検討を行い、今回示された所見を検証し、ベネフィットが異なった要因を明らかにする必要がある」とまとめている。転移のあるがん患者の多くは、最終的に全身性治療に対する耐性を獲得し、一部の患者は限定的な病勢進行(すなわちオリゴ転移)を有する。研究グループは、オリゴ転移病変を標的としたSBRTが患者アウトカムを改善可能か評価した。Lancet誌オンライン版2023年12月14日号掲載の報告。

転移乳がんへのnab-PTX、3投1休vs.2投1休

 HER2陰性転移乳がん患者を対象に、nab-パクリタキセルの2投1休と3投1休スケジュールを比較した無作為化第II相試験の結果、2投1休スケジュールでより良好な抗腫瘍活性と安全性プロファイルが示された。中国・北京大学のYaxin Liu氏らによるOncologist誌2023年12月11日号への報告。  本試験では、HER2陰性転移乳がん患者がnab-パクリタキセルの2投1休群(1・8日目に125mg/m2、1週間休薬)および3投1休群(1・8・15日目に125mg/m2、1週間休薬)に1:1で無作為に割り付けられた(病勢進行または治療不耐性まで投与)。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。

7時間以上の座位で乳がんリスク36%増/京都府立医科大

 日本人を対象とした大規模研究により、座っている時間が1日7時間以上だと乳がんの罹患リスクが36%上昇し、余暇の運動量・頻度や歩行時間が多くてもリスクは依然として高かったことを、京都府立医科大学の富田 仁美氏らの研究グループが明らかにした。Cancer Science誌オンライン版2023年12月2日号掲載の報告。  日本人の乳がんの罹患原因のうち、約5%は運動不足に起因していると言われている。しかし、年齢や性別、筋肉量は個々人によって差があるため、適切な身体活動量定量化することは難しい。そこで、研究グループは、座位時間と乳がん罹患との関連を明らかにし、さらに身体活動がその関連に影響を及ぼすかどうかを調査した。

2023年、がん専門医に読まれた記事は?Doctors’Picksランキング

 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」は、2023年の1年間で、がん専門医によく読まれた記事ランキングを発表した(対象期間は2023年1月1日~12月19日)。  昨年まで上位に入っていた新型コロナ関連の話題はトップ10から姿を消し、国内外の臨床腫瘍に関する学会の話題や、注目の臨床試験の結果を掲載したジャーナルの紹介記事が上位にランクインしている。 【1位】第20回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2023|CareNet.com(2/22公開)  2023年3月16~18日に開催された日本臨床腫瘍学会学術集会。2月16日に開催されたプレスセミナーで、会長の馬場 英司氏(九州大学)らが注目演題を発表した。

患者と家族のための情報サイト「教えて、胆道がん」を開設/AZ

 アストラゼネカは2023年12月11日付のプレスリリースにて、胆道がんの治療に役立つ情報を提供するウェブサイト「教えて、胆道がん」(以下、同サイト)を12月8日にオープンしたことを発表した。  胆道がんは、年間約2万3,000例が罹患しているとされる。その5年生存率は膵がんの次に低く、治療選択肢も長年限られていた1)。同社が2023年2月に実施した「胆道がん患者調査」では、胆道がんと診断される前から胆道または胆道がんについて知っていた患者は2割程度にとどまり、約半数は「まったく知らなかった(名前も聞いたことがなかった)」と回答した。また、がんと診断された後に生活が大きく変化する中で、治療法やその後の経過での体の変化等を医療者に相談できているケースは半数に満たず、医療者との、または職場でのコミュニケーションに関して、悩みなどを患者自身が抱えている場合が多いことも明らかになった。

肥満手術で造血器腫瘍リスクが長期にわたって低下

 肥満が2型糖尿病や心血管疾患などの重篤な合併症と関連することは知られているが、肥満が悪性腫瘍の危険因子であることも明らかになってきた。肥満患者へ肥満手術を行うことでがんの発症リスクが低下するとされるが、新たな研究により、肥満手術が造血器腫瘍のリスクを低下させることが示された。スウェーデン・ヨーテボリ大学のKajsa Sjoholm氏らによる本研究の結果は、Lancet Healthy Longevity誌2023年10月号に掲載された。  本試験では、前向き対照Swedish Obese Subjects研究で、肥満手術を受けた人と通常の治療を受けた人の全死亡率を比較した。参加者はスウェーデン全土で募集され、組み入れ基準は年齢37~60歳、検査前または検査時のBMIが男性34、女性38以上であった。主なアウトカムは造血器腫瘍の発生率と死亡率で、悪性リンパ腫、骨髄腫、骨髄増殖性新生物、急性および慢性白血病を含む造血器腫瘍のイベントは、Swedish Cancer Registryから収集した。

食道切除術の術後感染予防、アンピシリン・スルバクタムvs.セファゾリン~日本の全国データ

 セファゾリン(CEZ)は食道切除術における感染予防として広く使用されている。一方、アンピシリン・スルバクタム(ABPC/SBT)は好気性および嫌気性の口腔内細菌をターゲットとしていることから、一部の病院で好んで使用されている。そこで、国際医療福祉大学の平野 佑樹氏らが、食道切除術の術後感染予防における短期アウトカムを2剤で比較したところ、ABPC/SBTがCEZより術後短期アウトカムを有意に改善することが示された。Annals of Surgery誌オンライン版2023年12月15日号に掲載。

身体活動と閉経前の乳がんリスクの関連、19研究のプール解析/JCO

 余暇の身体活動が閉経「後」の乳がんリスクを予防するという強いエビデンスはあるが、閉経「前」の乳がんリスクとの関連は明らかではない。今回、英国・The Institute of Cancer ResearchのIain R. Timmins氏らが19のコホート研究を含む大規模なプール解析を実施した結果、身体活動レベルが高いと閉経前乳がんリスクが低いことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年12月11日号に掲載。  本研究では、閉経前女性54万7,601人、乳がん患者1万231例を含む19のコホート研究の自己申告による余暇の身体活動の個人データを統合した。多変量Cox回帰モデルを用いて、余暇の身体活動と乳がん発症率の関連におけるハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。

合併症のない症候性胆石症、手術は省略可能?/BMJ

 合併症のない症候性胆石症患者の症状再発と合併症の予防において、保存的治療は標準治療である腹腔鏡下胆嚢摘出術と比較して、QOLに関して差はないものの短期的(18ヵ月)には有効で、費用対効果が優れることから、手術に代わる治療法となる可能性があることが、英国・NHS GrampianのIrfan Ahmed氏らが実施した「C-GALL試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年12月6日号に掲載された。  C-GALL試験は、英国の20の2次医療施設が参加した実践的な無作為化対照比較試験であり、2016年8月~2019年11月に患者の適格性の評価を行った(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムなどの助成を受けた)。  年齢18歳以上で、2次医療施設に紹介された合併症のない症候性胆石症(胆石発作または急性胆嚢炎)で、胆嚢摘出術の適応と判定された患者を、保存的治療または腹腔鏡下胆嚢摘出術を受ける群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

高リスクHER2+乳がん、術前療法へのアテゾリズマブ追加でpCR改善は(APTneo)/SABCS2023

 HER2陽性高リスク乳がんに対する術前補助療法として、トラスツズマブ(H)+ペルツズマブ(P)+化学療法は標準治療となっている。また、抗HER2療法に対する免疫系の寄与を示すデータが報告され、免疫チェックポイント阻害薬と抗HER2抗体の組み合わせが裏付けられている。イタリア・Fondazione MichelangeloのLuca Gianni氏らは、HP+化学療法へのアテゾリズマブ(±アントラサイクリン)の追加を評価することを目的として、第III相APTneo試験を実施。サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2023)で病理学的完全奏効(pCR)についてのデータを報告した。