外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:98

乳がん関連リンパ浮腫、リンパ節照射より腋窩手術の種類が影響/JCO

 乳がん関連リンパ浮腫について、腋窩手術の種類と領域リンパ節照射(RLNR)による影響を検討したところ、センチネルリンパ節生検(SLNB)、腋窩リンパ節郭清(ALND)ともRLNR追加でリンパ浮腫発現率は増加しなかった。また、ALND単独のほうが、SLNBにRLNRを追加するよりリンパ浮腫リスクが高かったことが、米国・ハーバード大学医学大学院のGeorge E. Naoum氏らによる前向きスクリーニング研究の長期結果で示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年7月30日号に掲載。

医師の年収、男性多い職場ほど男女差も大きい/BMJ

 非外科専門医および外科専門医のいずれにおいても、所得の性差を説明しうる因子を詳細に調整した後でさえ、男性医師の割合が高い職場では年収の性差が大きいことが明らかにされた。米国・ランド研究所のChristopher M. Whaley氏らが、医師の職場の男女構成によって医師の所得に男女で違いがあるかを調査した、後ろ向き観察研究の結果を報告した。医師の所得に男女差があることはよく知られているが、医師の職場の多様性と所得の性差との関連はこれまで評価されてこなかったという。BMJ誌2020年7月30日号掲載の報告。  研究グループは、医師専用のオンラインプラットフォームのDoximity、およびIQVIAが提供しているSK&Aデータベースを用い、2014~18年の医師の所得と、職場における男性医師の割合について調査した。

コロナ禍、がん診断の遅れで5年後がん死増加の恐れ/Lancet Oncol

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、がん死に影響するとの報告が英国から寄せられた。同国ではCOVID-19のパンデミックにより2020年3月に全国的なロックダウンが導入されて以降、がん検診は中断、定期的な診断・診療も延期され、緊急性の高い症候性患者のみに対して診断・治療が行われているという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のCamille Maringe氏らは、診断の遅れが主ながん患者の生存率にどのような影響を及ぼすのかモデリング研究にて検討し、回避可能ながん死が相当数増加すると予想されることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「緊急の政策介入が必要である。とくに、COVID-19パンデミックのがん患者への影響を軽減するため、定期的な診断サービスの確保を管理する必要がある」とまとめている。Lancet Oncology誌オンライン版2020年7月20日号掲載の報告。

がん患者の脱毛軽減に有用な頭皮冷却装置、国内初の製造販売承認

 2020年7月10日、「抗がん剤治療の副作用による脱毛を低減・抑制する国産初の『頭皮冷却装置』発表記者会見」が開催された(株式会社毛髪クリニックリーブ21主催)。小林 忠男氏(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 招へい教授)が「乳がん化学療法患者さんにおけるリーブ21 CellGuard(セルガード、頭皮冷却装置)を用いた脱毛の軽減化について」を、渡邉 隆紀氏(仙台医療センター乳腺外科医長)が「乳がんにおける化学療法と脱毛の問題点」について講演した。

合併症のない小児虫垂炎、抗菌薬療法vs.手術/JAMA

 合併症のない小児虫垂炎において、抗菌薬療法のみの非外科的治療戦略の初回治療成功率は67.1%であり、外科的治療戦略と比較して、1年後の障害日数は統計学的に有意に少なかったことが、米国・オハイオ州立大学医学校のPeter C. Minneci氏らによる検討の結果、示された。ただし、フォローアップの完遂率が75%と低く、許容可能な非外科的手術成功率は、事前規定の閾値との比較では統計学的に有意ではなく、仮定した障害日数の群間差には未到達であったという。現在、小児および青少年の虫垂炎の大半は外科的治療で行われているが、研究グループは、抗菌薬療法のみの非外科的治療は、患児および家族への悪影響を少なく治療できる可能性があり、患児と家族に好まれるのではないかとして本検討を行った。JAMA誌オンライン版2020年7月27日号掲載の報告。

閉経後ホルモン補充療法、乳がんへの長期影響は?/JAMA

 2件の無作為化試験の長期フォローアップの解析から、子宮摘出術を受けた女性において、結合型エストロゲン(CEE)単独療法を受けた患者群はプラセボ群と比較して、乳がん発生率および乳がん死亡率の低下と有意に関連していることが明らかにされた。また、子宮温存療法を受けた女性において、CEE+メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)療法を受けた患者群はプラセボ群と比較して、乳がん発生率は有意に高く、乳がん死亡率に有意な差はみられなかった。米国・Harbor-UCLA Medical CenterのRowan T. Chlebowski氏らによる報告で、これまで閉経後ホルモン療法の乳がんへの影響は、観察研究と無作為化試験の所見が一致せず結論には至っていなかったことから、一般閉経後女性を対象としたホルモン補充療法の大規模前向き無作為化試験「Women's Health Initiative」参加者の長期追跡評価試験を行い、CEE+MPA療法またはCEE単独療法の乳がん発生・死亡への影響を調べる検討を行った。JAMA誌2020年7月28日号掲載の報告。

腹壁ヘルニア修復術、ロボット手術は入院日数短縮せず/BMJ

 腹壁ヘルニアの修復術では、ロボット手術と腹腔鏡手術で術後90日までの入院日数に差はなく、ロボット手術は手術時間が2倍近く長く、医療費が有意に高額であることが、米国・McGovern Medical School at UTHealthのOscar A. Olavarria氏らの検討で示された。研究の詳細は、BMJ誌2020年7月14日号に掲載された。腹壁ヘルニア修復術におけるロボット手術と腹腔鏡手術を比較した、米国のデータベースを用いた後ろ向き研究では、術後の入院期間はロボット手術で短く、臨床アウトカムに差はないと報告されている。これらの知見を裏付けるために、無作為化対照比較試験の実施が望まれていた。

ラメルテオンの術後せん妄予防効果~胃切除後高齢者を対象とした第II相試験

 高齢患者における胃がん症例数は増加しており、術後せん妄を予防する重要性は高まっている。静岡県立静岡がんセンターの本田 晋策氏らは、胃切除後の高齢患者における術後せん妄の予防に対するラメルテオンの有効性を評価するため、単施設プロスペクティブ第II相試験を実施した。Surgery Today誌オンライン版2020年7月8日号の報告。  対象は、75歳以上の高齢患者。手術の8日前から退院までラメルテオン8mg/日を投与した。術後せん妄の評価には、集中治療室におけるせん妄評価法(CAM-ICU)を用いた。

併存症のある高齢乳がん患者、補助化学療法と生存は関連するか/JAMA Oncol

 複数の併存疾患を有する高齢乳がん患者において、補助化学療法は生存と関連するのか。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのNina Tamirisa氏らは、併存疾患を有する70歳以上の乳がん患者を対象に、補助化学療法と生存の関連を評価する、後ろ向きの大規模コホート研究を実施した。JAMA Oncology誌オンライン版2020年7月16日号に掲載の報告より。  対象は米国国立がんデータベースに登録された、70歳以上のエストロゲン受容体陽性、ERBB2陰性、Charlson/Deyo 併存疾患指数が2または3の乳がん患者。2010年1月1日~2014年12月31日にリンパ節転移陽性乳がんの手術を受けていた。

日本のがん患者のカウンセリングニーズは?1万件超の電話相談を分析

 日本のがんサバイバーらのアンメットニーズを、電話相談の主訴から、男女差を主眼に解析し、その特徴をあぶりだした神奈川県立がんセンター 臨床研究所 片山佳代子氏らの研究が、Patient Education and Counseling誌2020年5月16日に掲載された。  分析されたがん患者の電話相談は10,534件。男女別相談者別にデータのコーディングを行い、複数の関連コードをまとめ主要な19のカテゴリーを生成した。