外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:99

ペルツズマブ+トラスツズマブ+化学療法のHER2+乳がん術後療法、引き続き有用(APHINITY)/SABCS2019

 HER2陽性乳がんに対する術後療法としての、ペルツズマブとトラスツズマブと標準化学療法の併用を評価する第III相APHINITY試験の更新データが、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、ベルギー・Institut Jules BordetのMartin Piccart氏より発表された。  APHINITY試験は、2011年11月~2013年8月に症例登録された国際共同無作為化比較試験。2017年に初回解析結果が発表され、今回は2回目の解析データの発表。2017年の発表では、無浸潤疾患生存期間(iDFS)はハザード比(HR)が0.81(95%信頼区間[CI]:0.66~1.00、p=0.045)と、有意にペルツズマブ・トラスツズマブ・標準化学療法併用群(HP群)が良好な結果であった。

リンパ節転移陽性の早期TN乳がん、術前にペムブロリズマブ追加でpCR改善(KEYNOTE-522)/SABCS2019

 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して、術前補助化学療法にペムブロリズマブを追加すると病理学的完全奏効(pCR)率が有意に改善したことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で報告されている(KEYNOTE-522試験)。12月10~14日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)では、本試験のサブグループにおけるpCR率が報告され、リンパ節転移陽性例においてもpCR率が有意に上昇したことが示された。英国・Barts Cancer Institute, Queen Mary University LondonのPeter Schmid氏が発表。

HR+乳がんへの術後化療、ゲノム解析結果に年齢も加味すべきか(MINDACT)/SABCS2019

 ホルモン受容体(HR)陽性乳がんにおいて、多重遺伝子解析を用いた術後化学療法の適応有無の判断に、年齢も考慮に入れる必要がある可能性が示唆された。サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、ベルギー・ブリュッセル自由大学のMartine J. Piccart氏らによるMINDACT試験の計画外サブグループ解析の結果が発表された。  多重遺伝子解析結果と年齢、化学療法の適応の関係については、TAILORx試験の2次分析からの報告がある。MINDACT試験で定義された臨床リスクとの統合に基づく解析が行われ、21遺伝子アッセイ(Oncotype DX)による高再発スコア(高RS;26〜100点)は、40〜50歳の女性における高臨床リスクおよびRS16~20、または臨床リスクとは独立してRS21~25に相当する可能性が示唆され、9年時の遠隔再発リスクにおける化学療法追加の無視できないベネフィットが示された。

転移性脊髄圧迫への放射線療法、単回照射vs.分割照射/JAMA

 固形がん患者のがん転移に伴う脊柱管圧迫に対する放射線療法において、単回照射は5日間分割照射と比較し、主要評価項目である8週時の歩行に関して非劣性基準を満たさなかった。ただし、信頼区間の下限が非劣性マージンと重なっており、単回照射の臨床的重要性の解釈には留意すべき点もあることが示された。英国・Mount Vernon Cancer CentreのPeter J. Hoskin氏らが、多施設共同非劣性無作為化臨床試験「The single-fraction radiotherapy compared to multifraction radiotherapy trial:SCORAD試験」の結果を報告した。がんの骨転移等による脊髄圧迫は、可動性の維持や痛みの軽減のため放射線療法で管理されるが、これまで標準照射レジメンはなかった。JAMA誌2019年12月3日号掲載の報告。

問診表に追加し看護師が活用『irAE逆引きマニュアル』/日本肺癌学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の使用機会は増加し、今後がん治療の中心になっていくと思われる。それに伴い、ICIによる有害事象(irAE)の発現機会も増える。患者は症状を訴え受診するが、irAEの症状は多彩であり、正確な診断にたどり着きにくい。市立長浜病院 呼吸器内科 野口 哲男氏は、昨年の夜間時間外での活用に続き、今年は『irAE逆引きマニュアル』の外来化学療法室看護師での活用について紹介した。

乳がん患者の肥満、化学療法のRDIに影響/JAMA Oncol

 化学療法は体表面積や体重で投与量を決定することが多いが、筋肉や脂肪組織の量および分布といった体組成が耐性やアドヒアランスと関連すると考えられている。今回、米国Kaiser PermanenteのElizabeth M. Cespedes Feliciano氏らは、体組成がアントラサイクリンおよびタキサンベースの化学療法のRelative Dose Intensity(RDI)や血液毒性と関連しているかどうかを評価した。その結果、内臓や筋肉内の脂肪過多が低RDIと関連し、さらにRDIの低下が肥満と乳がん生存率低下との関連を一部媒介することが示唆された。JAMA Oncology誌オンライン版2019年12月5日号に掲載。

乳がんになりやすい血液型

 ABO/Rh式血液型と乳がんの関連について、これまでの研究では結果が分かれている。今回、ギリシャ・Democritus University of ThraceのAnastasia Bothou氏らが実施したギリシャ人女性における症例対照研究では、乳がんとA型の女性の間に有意な関連を示すことが報告された。Journal of B.U.ON.誌2019年9-10月号に掲載。  本研究には、2016~19年にギリシャの2つの病院で診察を受けた女性341例が参加した。症例群は乳がん切除術後に病理学的に乳がんと確認された女性202例、対照群は臨床検査と超音波検査/デジタルマンモグラフィで乳がんではなかった女性139例。

飲酒・喫煙と家族性乳がんリスクの関連

 飲酒および喫煙は乳がんリスクの増加と関連しているが、家族性乳がんのリスクによってその関連性は変わるのだろうか。今回、米国コロンビア大学のNur Zeinomar氏らが検討したところ、適度な飲酒は、とくにエストロゲン受容体(ER)陽性乳がんの女性において乳がんリスクの増加と関連するが、それは家族性乳がんリスクが低いと予測される女性においてのみであることがわかった。また、家族性乳がんリスクが高く、飲酒する女性では、現在の喫煙が乳がんリスク増加と関連することが示された。Breast Cancer Research誌2019年11月28日号に掲載。

高濃度乳房女性にはMRI検査の追加が有用/NEJM

 きわめて高濃度乳房でマンモグラフィ検査が正常の女性において、MRIスクリーニングの追加はマンモグラフィ検査単独と比較し、2年間のスクリーニング中の中間期がんの診断件数が有意に減少することが、オランダ・ユトレヒト大学のMarije F. Bakker氏らによる多施設共同無作為化比較試験「Dense Tissue and Early Breast Neoplasm Screening trial:DENSE試験」の結果、示された。高濃度乳房は乳がんのリスク因子であるが、マンモグラフィ検査によるがん検出には限界があり、高濃度乳房の女性における早期発見率の改善と中間期乳がん減少のためのMRI追加に関するデータが必要とされていた。NEJM誌2019年11月28日号掲載の報告。

飲酒と喫煙に対する健康政策はがん死を減らせるのか

 長期の飲酒と喫煙はがんの危険因子として認識されているが、飲酒と喫煙に対する公衆衛生政策ががんの死亡率に与える影響は検討されていない。今回、オーストラリア・メルボルン大学のHeng Jiang氏らが、オーストラリアにおける1950年代~2013年の飲酒および喫煙に関する政策とがん死亡率の変化との関連を検討した結果、いくつかの政策変更が飲酒・喫煙の変化とその後20年間のがん死亡率の変化に関連することが示された。BMC Medicine誌2019年11月号に掲載。