泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:81

ピオグリタゾンと膀胱がんリスクとの関連

 カナダ・ユダヤ総合病院(モントリオール市)のLaurent Azoulay氏らの検討で、2型糖尿病患者では膀胱がんのリスクがピオグリタゾン(商品名:アクトスほか)の使用により増大することが示された。チアゾリジン系経口血糖降下薬であるピオグリタゾンと膀胱がんについてはその関連が指摘される一方で否定的な見解もみられる。この問題解決のために地域住民ベースの観察試験がいくつか実施されたが、相反する結果が得られており、さらなる検討が求められている。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年5月31日号)掲載の報告。

膣脱修復術後の失禁予防のための中部尿道スリング術

骨盤臓器脱の経膣的手術後に、尿失禁リスクに対して予防的に行う中部尿道スリング術のベネフィットとリスクについて検証した多施設共同無作為化試験の結果、3ヵ月と12ヵ月時点の尿失禁は低率となる一方、有害事象が高率でみられることが、米国・ミシガン大学のJohn T. Wei氏らにより明らかにされた。文献的には膣脱修復術を受ける女性は5人に1人に上り、欧州女性に関する報告では手術を受けた女性の4人に1人に尿失禁が出現することが示されている。これらに対して近年施術されるようになったのがスリング術だが、この予防的処置の相対的なベネフィットとリスクについては、これまで明らかにされていなかったという。NEJM誌2012年6月21日号より。