循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:190

腹部大動脈瘤スクリーニング、男女で異なるべき/Lancet

 英国において、女性に対する腹部大動脈瘤(AAA)スクリーニングプログラムは、男性と同様のデザインでは、費用対効果が得られそうもないという。英国・ケンブリッジ大学のMichael J. Sweeting氏らによる解析結果で、Lancet誌オンライン版2018年7月26日号で発表された。英国においてAAA死亡に占める女性の割合は3分の1。男性については、国家的スクリーニングプログラムで死亡が減少し、費用対効果が認められているが、女性に同様のプログラムを提供した場合の有益性、有害性、および費用対効果については、公式な評価は行われていなかった。

減塩したい患者さん向け、単身者でもできる作り置きレシピ発表

 2018年8月1日、都内にて心血管疾患予防のための「ハートレシピ」発表会が開かれた(日本心臓財団/エドワーズライフサイエンス共催)。4回目となる今回の「ハートレシピ」は、栄養バランスが偏りやすく料理をする習慣のない、高齢の単身者が増加している点に着目し、「簡単で作り置きしやすいこと」をテーマに考案。発表会ではレシピ解説のほか、渡辺 弘之氏(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター長)による講演や、渡辺氏とファッションデザイナーのドン小西氏による対談、一般募集のシニア男性が参加した料理教室などが行われた。ドン小西氏は2012 年に心臓弁膜症と診断され、心臓手術を受けている。

TAVR vs.SAVR、術後の右室機能低下と予後への影響【Dr.河田pick up】

 開心術後の右室機能の低下はこれまでにも報告されており、心肺バイパスに伴う虚血や心筋機能低下が関連すると考えられている。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)の治療成績を比較したPARTNER 2A試験の患者群において、SAVRが右室機能の低化と関連するか、右室機能の低化が死亡率と関連するかが検討された。米国クリーブランド・クリニックのPaul C. Cremer氏らによるEuropean Heart Journal誌オンライン版2018年7月21日号掲載の報告。

高齢心房細動症例で心臓外科手術が行われる場合、外科的左心耳閉鎖術は有効か否か?(解説:今井靖氏)-896

心房細動患者において血栓塞栓症の発症リスクは約5倍と見積もられており、その塞栓症予防としてワルファリンが唯一の治療選択であったところに経口直接抗凝固薬(DOAC)が加わった。しかしながら抗凝固薬投与は出血傾向を生じるという負の側面があり、その点において主な塞栓源となる左心耳を閉塞することで抗凝固薬に並ぶ、あるいは抗凝固療法との併用効果について期待されるところである。

高齢高血圧患者での起立性低血圧と認知症リスク

 起立性低血圧(OH)が認知症発症リスク増加と関連することが系統的レビューで示唆されたが、最も高リスクの超高齢高血圧患者ではデータが限られている。今回、オーストラリア・Neuroscience Research AustraliaのRuth Peters氏らが80歳以上の高血圧患者において調査した結果、OHは認知症や認知機能低下リスク増加と関連することが示された。European heart journal誌オンライン版2018年7月24日号に掲載。

抗うつ薬治療が心血管イベントの長期的リスクを軽減/JAMA

 うつ病は急性冠症候群(ACS)の不良な転帰と関連しているが、抗うつ薬治療が長期的予後に良好な影響を及ぼすことが、韓国・全南大学校のJae-Min Kim氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。うつ病でACSを呈した患者において、24週間のエスシタロプラム治療を行った患者群ではプラセボ群と比べて、追跡期間中央値8.1年後のMACE発生リスクが有意に低かったという。これまで、抗うつ薬治療の長期的予後への影響について、ほとんどデータはなかったという。JAMA誌2018年7月24日号掲載の報告。

日本の心房細動患者に多い死亡原因

 わが国のコミュニティベースの心房細動(AF)コホートである伏見AFレジストリにおいて死因を調べたところ、悪性腫瘍や感染症などの非心血管死が全死亡の半分以上を占めていた。また、死亡に関連する臨床的因子をみると、心血管死では脳卒中より心不全に主に関連していたことを、国立病院機構京都医療センターの安 珍守氏らが報告した。European heart journal/Quality of care & clinical outcomes誌オンライン版2018年7月18日号に掲載。

アスピリンの効果、用量や体重で大きな差/Lancet

 アスピリンの血管イベントやがんの抑制効果には、用量や患者の体重によって大きな差があり、良好な効果を得るには、より個別化された治療戦略を要することが、英国・オックスフォード大学のPeter M. Rothwell氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年7月12日号に掲載された。全例に同一用量を一律に投与するone-dose-fits-allアプローチでは、アスピリンの長期的な心血管イベントの予防効果はわずかであり、標準的な用量は体が大きい患者には過少で、小さい患者には過剰であることが報告され、他のアウトカムについても同様である可能性が示唆されている。

心房細動患者への抗凝固薬とNSAID併用で大出血リスク上昇【Dr.河田pick up】

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は頻繁に使用される薬剤である一方、出血と血栓症のリスクを高める可能性がある。心房細動患者におけるNSAIDsの影響を定量化して求めることを目的として、Yale大学のAnthony P. Kent氏らが行ったRE-LY(Randomized Evaluation of Long Term Anticoagulant Therapy)試験のPost-Hoc解析結果が報告された。Journal of American College of Cardiology誌2018年7月17日号に掲載。