心房細動発症後のがん発症率高い、肺がんは8倍にも

提供元:ケアネット

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公開日:2018/11/02

 

 デンマークの約5万5千人のコホート研究で、心房細動(AF)発症がその後の高いがん発症率に関連し、とくにAF診断後90日以内のがん発症率が高かったことを、デンマーク・Silkeborg Regional HospitalのNicklas Vinter氏らが報告した。Journal of the American Heart Association誌2018年9月4日号に掲載。

 本研究は、Danish Diet, Cancer and Health studyにおいてベースライン時にAFおよびがんに罹患していなかった、男性2万6,222人および女性2万8,879人における集団ベースのコホート研究。参加者のAFの発症(Danish National Patient Registry)およびその後のがんの発症(Danish Cancer Registry)を2013年まで追跡した。新規発症したAFを時間依存性曝露としてCox比例ハザードモデルを使用した。

 主な結果は以下のとおり。

・男性(年齢中央値:56歳)と女性(同:56歳)の追跡期間中央値は、それぞれ16.7年、19.6年であった。

・AFはがん全体の高いリスクと関連していた(男性のハザード比[HR]:1.41、95%信頼区間[CI]:1.26~1.58、女性のHR:1.15、95%CI:1.02~1.32)。また男性において、肺がん(HR:1.66、95%CI:1.19~2.30)、大腸がん(HR:1.37、95%CI:1.02~1.85)の高いリスクと関連していた。

・AF診断後90日以内のがんリスクはより高かった。HR(95%CI)は以下のとおり。
がん全体 男性:2.89(2.10~3.98)  女性:3.72(2.49~5.56)
肺がん  男性:7.70(4.34~13.68) 女性:7.98(3.96~16.09)
大腸がん 男性:3.35(1.03~10.90) 女性:5.91(2.44~14.29)

(ケアネット 金沢 浩子)