循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:291

身長とCADリスクとの関連が大規模研究で判明/NEJM

 遺伝的に低身長であることと冠動脈疾患(CAD)リスク増大との関連が、英国・レスター大学のChristopher P Nelson氏らによる大規模な調査の結果、明らかにされた。これまで、身長とCADリスクに負の相関があることは知られていたが、メカニズムについては不明であった。なお、関連の一部は低身長と脂質プロファイル異常との関連で説明されることも示され、著者は、成人身長と動脈硬化の進展プロセスを調べることで、関連の一部を説明できるのではないかと述べている。NEJM誌オンライン版2015年4月8日号掲載の報告より。

葉酸補充で、脳卒中が減る-臨床試験デザインの重要さを、あらためて教えてくれたCSPPT試験(解説:石上 友章 氏)-352

 疫学や遺伝学研究から、MTHFR(メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素)遺伝子多型や高ホモシステイン血症が、心血管疾患の発症リスクになることが知られていたが、葉酸やビタミンB12を使った介入試験によって、予後の改善やnutrientの有効性が証明されることはなかった。

血栓吸引療法に何を求めるのか(解説:上田 恭敬 氏)-351

 本論文は、以前に行われた多施設、前向き、オープンラベル、無作為化比較対照試験のThrombus Aspiration in ST-Elevation Myocardial Infarction in Scandinavia (TASTE)trialの後に行われた、新たな多施設、前向き、オープンラベル、無作為化比較対照試験であるThe Trial of Routine Aspiration Thrombectomy with PCI versus PCI Alone in Patients with STEMI(TOTAL)trialの結果を報告したものである。

心臓手術の輸血、赤血球保存期間の違いで転帰は?/NEJM

 輸血用赤血球の保存期間と多臓器機能障害スコア(MODS)変化に、関連はないことが示された。米国・ミネソタ大学フェアビューメディカルセンターのM.E. Steiner氏らが、12歳以上の高難度の心臓手術を受ける患者を対象に行った多施設共同無作為化試験の結果、報告した。10日以下vs. 21日以上を検討したが差はみられなかったという。これまで一部の観察研究で、保存期間が2~3週を超えると、ときに致死的となる重大な有害転帰と関連するとの報告があった。NEJM誌2015年4月9日号掲載の報告より。

非重症妊娠高血圧、早期分娩は早計か?/Lancet

 妊娠34~37週、非重症の妊娠高血圧症候群の妊婦について、早期の分娩は母体の有害アウトカムリスクを、わずかだが減少する可能性がある一方、新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)のリスクが有意に増大することが示された。オランダ・フローニンゲン大学のKim Broekhuijsen氏らが非盲検無作為化試験HYPITAT-IIの結果、報告した。結果を踏まえて著者は「ルーチンな早期分娩が正しいとはいえない」と述べ、臨床症状の悪化がみられるまで待機的モニタリング戦略を考慮すべきであるとまとめている。Lancet誌オンライン版2015年3月24日号掲載の報告より。

CABGに内在する新規心筋梗塞発生抑制効果は疑いない(解説:中川 義久 氏)-348

 多枝冠動脈疾患患者における長期成績は、CABGのほうがPCIよりも良好であることが複数の無作為化比較試験および患者登録研究の結果から示されてきた。ここに新たなエビデンスが加わった。Bangalore氏らが米国における膨大な患者登録データから解析したもので、New England Journal of Medicine誌に結果が掲載された。同号にCABGとPCIの無作為化比較試験であるBEST研究の結果も掲載されていることは興味深い。

PCI前の出血リスク予測は有用/BMJ

 ST上昇型心筋梗塞でPCI実施が予定されている患者に対し、術前に周術期出血リスク予測を行うことで、出血回避戦略の実施率が上がり、出血リスクが減少することが明らかにされた。米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのJohn A Spertus氏らが、1万例超について行った前向きコホート試験の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年3月24日号掲載の報告より。