再発を繰り返す心膜炎患者に対し、従来の抗炎症治療にコルヒチンを追加することで、以降の再発が大きく低下したことが、イタリア・マリア・ヴィットーリア病院のMassimo Imazio氏らにより行われた「CORP2」試験の結果、示された。著者は、「他の無作為化試験の結果と合わせて、今回の所見は、コルヒチンが禁忌あるいは適応とならない場合を除いて、急性および再発性の心膜炎いずれにもファースト治療とみなすべきであろうことを示唆している」とまとめている。コルヒチンは急性心膜炎および再発の初回では有効だが、複数回の再発例に対する有効性、安全性に関するデータはこれまで得られていなかった。Lancet誌オンライン版2014年3月28日号掲載の報告より。
2回以上再発を繰り返す心膜炎を対象に無作為化試験
CORP2は、北イタリア4施設で2005年11月~2012年1月に行われた多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験で、2回以上再発を繰り返す心膜炎成人患者を対象とした。被験者を無作為に1対1の割合で、従来の抗炎症治療に加えて、コルヒチンを投与する群(体重70kg超患者には0.5mgを1日2回、70kg未満患者には同1日1回を投与)またはプラセボを追加する群に割り付けて、6ヵ月間治療を行った。
被験者および試験関係者は全員、治療割り付けについて知らされなかった。主要アウトカムは、intention-to-treatで評価した心膜炎の再発率とした。
従来抗炎症治療+コルヒチン群の再発の相対リスクは0.49に
試験には240例の患者が登録され、各群に120例ずつが割り付けられた。
結果、心膜炎を再発した患者の割合は、コルヒチン追加群21.6%(26/120例)、プラセボ群42.5%(51/120例)であり、相対リスクは0.49(95%信頼区間[CI]:0.24~0.65)と、コルヒチン追加による有意な低下が認められた(p=0.0009)。NNT(治療必要数)は5例であった。
治療薬の副作用および試験薬中断の発生は、両群で同程度だった。最も頻度が高かった有害事象は、胃腸障害(コルヒチン群9例、プラセボ群9例)、肝障害(それぞれ3例、1例)で、重大な有害事象の報告はなかった。