糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:14

身長低下と動脈硬化が相関~60歳以上の日本人

 動脈硬化と身長低下はそれぞれ心血管系疾患との関連が報告されているが、動脈硬化と身長低下の関連はこれまで明らかになっていない。今回、長崎大学の清水 悠路氏らによる後ろ向き研究で、高齢者において動脈硬化と身長低下が関連することが示された。Scientific Reports誌2024年4月2日号に掲載。  本研究は、年1回の健康診断を受けた60~89歳の2,435人を対象にした後ろ向き研究。動脈硬化は頸動脈内膜中膜厚(CIMT)が1.1mm以上とし、身長低下は年間の身長減少が最高五分位群にあることとした。

超加工食品の安全性を十分に吟味することなく、利便性・時短性を優先するのは危険!―(解説:島田俊夫氏)

超加工食品は現代社会において利便性・時短性の面から今や世界中で重宝される食品となっています。しかしながら、利便性が高くても健康被害が増える食品であれば逆に寿命の短縮につながる可能性が高く、食の安全性を吟味することは必要・不可欠です。超加工食品の過剰摂取(食品の10%を超えると危険が増大)は生活習慣病(心血管病/がん/糖尿病/肺疾患)、認知症、うつ病、短命(早死)、肥満らを引き起こす可能性大といわれています。

マルチキナーゼ阻害薬・スニチニブの水平展開-難治性褐色細胞腫への応用 PhaseII試験が、Lancet誌に掲載されました!?(解説:石上友章氏)

 この論文は、進行性の転移性褐色細胞腫とパラガングリオーマの患者を対象にした初の無作為化比較試験の結果を報告している。この分野では以前に無作為化比較試験が行われたことがなく、スニチニブの有用性に関する臨床前および初期臨床データが示され、スニチニブの安全性と有効性を評価することを目的としている。スニチニブは、いわゆるマルチキナーゼ阻害薬であり、本邦ではスーテントの商品名で、イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍、根治切除不能または転移性の腎細胞がん、膵神経内分泌腫瘍の適応を取得している。

肥満症治療薬は手術前の胃残留量増加に関連

 ウゴービやオゼンピックのような肥満症治療薬(GLP-1受容体作動薬)の使用者は、全身麻酔を要する手術前でも胃残留量の多いことが、新たな研究から明らかになった。研究グループは、GLP-1受容体作動薬の使用者の場合、現行のガイドラインで推奨されている手術前の絶食時間では不十分な可能性を示唆する結果だとの見方を示している。米テキサス大学健康科学センターヒューストン校のSudipta Sen氏らによるこの研究結果は、「JAMA Surgery」に3月6日掲載された。  全身麻酔を要する手術では通常、誤嚥性肺炎や窒息のリスクを防ぐために手術前の絶食が求められる。Sen氏らは、全身麻酔下にあったGLP-1受容体作動薬の使用者が、手術中に自分の吐物を誤嚥したとの報告を受けて、GLP-1受容体作動薬の使用と胃残留量の増加との関連を調べることを決めたと話す。

小林製薬サプリ摂取者、経過観察で注意すべき検査項目・フォローの目安

 小林製薬が販売する機能性表示食品のサプリメント『紅麹コレステヘルプ(以下、サプリ)』による腎機能障害の発生が明らかとなってから約2週間が経過した。先生の下にも本サプリに関する相談が寄せられているだろうか。日本腎臓学会が独自で行った本サプリと腎障害の関連について調査したアンケートの中間報告から、少しずつサプリ摂取患者の臨床像が明らかになってきている。

CKDへの適応が追加されたエンパグリフロジンへの期待/ベーリンガーインゲルハイム・リリー

 SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)に、2024年2月、慢性腎臓病(CKD)の適応が追加された。この適応追加に関連して日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーは、プレスセミナーを共同開催した。セミナーでは、CKDの概要と最新治療、エンパグリフロジンのCKDに対するEMPA-KIDNEY試験の結果などについて講演が行われた。  はじめに「慢性腎臓病のアンメットニーズと最新治療」をテーマに岡田 浩一氏(埼玉医科大学医学部腎臓内科 教授)が講演を行った。  腎炎、糖尿病、高血圧、加齢など腎疾患の原因はさまざまあるが、終末期では末期腎不全となり透析へと進展する。この腎臓疾患の原因となる病気の発症から終末期までを含めてCKDとするが、CKDの診療には次の定義がある。

糖尿病黄斑浮腫へのアフリベルセプト、高用量も安全・有効/Lancet

 糖尿病黄斑浮腫(DMO)患者へのアフリベルセプト8mgを12週ごとおよび16週ごとの硝子体内投与について、標準対照の2mgを8週ごとに投与との比較において、有効性および安全性は非劣性であることが示された。米国・Retina Consultants of AmericaのDavid M. Brown氏らが、第II/III相無作為化二重盲検非劣性試験「PHOTON試験」の48週時点の結果を報告した。アフリベルセプト8mgは同2mgと比べて、投与頻度を減少し治療アウトカムを改善できる可能性が示されていた。Lancet誌2024年3月23日号掲載の報告。

日本人中年男性の飲酒量と糸球体過剰濾過の関係~関西ヘルスケアスタディ

 糸球体濾過量(GFR)は低値だけでなく、その数値が著しく高い糸球体過剰濾過についてもその後の腎機能低下や心血管疾患との関連が報告されている。大阪公立大学の柴田 幹子氏らは、健康な中年男性における飲酒パターンと糸球体過剰濾過リスクとの関連を評価した前向きコホート研究の結果を、Journal of Epidemiology誌2024年3月5日号に報告した。  本研究では、腎機能が正常で蛋白尿や糖尿病がなく、登録時に降圧薬使用のない日本人中年(40~55歳)男性8,640人を前向きに6年間追跡調査。飲酒量に関するデータはアンケートによって収集され、週当たりの飲酒頻度(1~3日、4~7日)および1日当たりの飲酒量(エタノール量0.1~23.0g、23.1~46.0g、46.1~69.0g、≧69.1g)で層別化された。糸球体過剰濾過は推定糸球体濾過量(eGFR)≧117mL/min/1.73m2と定義され、この値はコホート全体における上位2.5thパーセンタイル値に相当した。

小林製薬のサプリ問題、日本腎臓学会がアンケート中間報告

 小林製薬が製造販売する『紅麹コレステヘルプ』摂取者の腎障害を含む健康被害の報告が相次いでいる―。これを受け、日本腎臓学会は3月29日より学会員を対象とした「紅麹コレステヘルプに関連した腎障害に関する調査研究」アンケートを開始。中間報告として、3月31日19時時点で47例の報告が寄せられ、本アンケートでは死亡例はなかったことを明らかにした。

活性型ビタミンD3がサルコペニアを予防/産業医大

 前糖尿病と糖尿病はサルコペニアの独立した危険因子であることが報告されている。今回、前糖尿病患者への活性型ビタミンD3投与がサルコペニアを予防するかどうか調べた結果、筋力を増加させることでサルコペニアの発症を抑制し、転倒のリスクを低減させる可能性があることが、産業医科大学病院の河原 哲也氏らによって明らかにされた。Lancet Healthy Longevity誌オンライン版2024年2月29日号掲載の報告。  これまでの観察研究では、血清25-ヒドロキシビタミンD値とサルコペニア発症率との間に逆相関があることも報告されている。しかし、ビタミンDによる治療がサルコペニアの発症を防ぐかどうかは不明である。そこで研究グループは、活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールによる治療が前糖尿病患者のサルコペニアの発症を抑制できるかどうかを評価するため、「Diabetes Prevention with active Vitamin D study(DPVD試験)※」の付随研究を実施した。