糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:15

糖尿病患者は喘息リスクが2倍近く高い可能性

 2型糖尿病患者は喘息を発症する可能性がほぼ2倍であり、一方で喘息患者の糖尿病リスクも高いことを示唆する研究結果が報告された。台北医学大学(台湾)のNam Nguyen氏らが、欧州糖尿病学会(EASD 2024、9月9~13日、スペイン・マドリード)で発表した。  糖尿病や喘息は、世界規模で重大な健康課題となっているが、両者の関連性については十分研究されていない。Nguyen氏らは、2型糖尿病と喘息の関連の実態と、その関連の潜在的な原因やメカニズムの探求を目指すステップとして、システマティックレビューとメタ解析を実施した。

長期間のSU薬使用が低血糖の認識力の低下と関連

 SU薬が長期間処方されている2型糖尿病患者は、低血糖の認識力が低下した状態(impaired awareness of hypoglycemia;IAH)の頻度が高いとする研究結果が報告された。国立成功大学(台湾)のHsiang-Ju Cheng氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of Family Medicine」の7・8月号に掲載された。  IAHに関する研究は一般的にインスリン使用者、特に1型糖尿病患者を対象に行われることが多いため、インスリン分泌促進薬(主としてSU薬)を使用中の2型糖尿病患者におけるIAHの実態は不明点が少なくない。これを背景としてCheng氏らは、台湾でインスリンまたはSU薬による治療を受けている2型糖尿病患者を対象として、薬剤の使用期間とIAHの有病率との関係を調査した。

肥満小児へのリラグルチド、BMIが改善/NEJM

 肥満の小児(年齢6~<12歳)において、生活様式への介入単独と比較してリラグルチドによる56週間の治療+生活様式介入は、BMIの低下が有意に大きく、体重の変化も良好であることが、米国・ミネソタ大学のClaudia K. Fox氏らSCALE Kids Trial Groupが実施した「SCALE Kids試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年9月10日号に掲載された。  SCALE Kids試験は、9ヵ国23施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第IIIa相試験(スクリーニング期間[2週間]、導入期間[12週間]、治療期間[56週間]、追跡期間[26週間]で構成)であり、2021年3月に開始し2024年1月に終了した(Novo Nordiskの助成を受けた)。

1型糖尿病への週1回efsitora、HbA1cの改善でデグルデクに非劣性/Lancet

 成人1型糖尿病患者における糖化ヘモグロビン(HbA1c)値の改善に関して、insulin efsitora alfa(efsitora)の週1回投与はインスリン デグルデク(デグルデク)の1日1回投与に対し非劣性を示すものの、レベル2と3を合わせた低血糖とレベル3の重症低血糖の発生率が高いことが、米国・HealthPartners InstituteのRichard M. Bergenstal氏らが実施した「QWINT-5試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2024年9月21日号に掲載された。  QWINT-5試験は、6ヵ国(アルゼンチン、日本、ポーランド、スロバキア、台湾、米国)の82施設で実施した52週間の第III相非盲検無作為化対照比較非劣性試験であり、2022年8月~2024年5月に参加者を登録した(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。

セマグルチドがタバコ使用障害リスクを下げる可能性

 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)のセマグルチドが処方されている患者は、タバコ使用障害(tobacco use disorder;TUD)関連の受療行動が、他の糖尿病用薬が処方されている患者よりも少ないという研究結果が、「Annals of Internal Medicine」に7月30日掲載された。米ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部のWilliam Wang氏らが報告した。  2型糖尿病または肥満の治療のためにセマグルチドが処方されている患者で喫煙欲求が低下したとの報告があり、同薬のTUDに対する潜在的なメリットへの関心が高まっている。これを背景としてWang氏らは、米国における2017年12月~2023年3月の医療データベースを用いたエミュレーションターゲット研究を実施した。エミュレーションターゲット研究は、リアルワールドデータを用いて実際の臨床試験をエミュレート(模倣)する研究手法で、観察研究でありながら介入効果を予測し得る。

インスリン未治療の2型糖尿病、efsitora vs.デグルデク/NEJM

 インスリン治療歴のない2型糖尿病成人患者において、週1回投与のinsulin efsitoraα(efsitora)による治療は1日1回投与のインスリン デグルデク(デグルデク)治療に対して、糖化ヘモグロビン値(HbA1c)の低下に関して非劣性であることが示された。米国・the MultiCare Rockwood Center for Diabetes and EndocrinologyのCarol Wysham氏らQWINT-2 Investigatorsが、10ヵ国121施設で実施した52週間の無作為化非盲検実薬対照並行群間treat-to-target第III相試験「once-weekly [QW] insulin therapy:QWINT-2試験」の結果を報告した。efsitoraは、週1回投与を目的として設計された新しい基礎インスリンで、小規模な第I相ならびに第II相試験において、安全性および有効性はデグルデクと同等であることが示されていた。NEJM誌オンライン版2024年9月10日号掲載の報告。

SGLT2阻害薬は認知症の発症をも予防できるのか?(解説:住谷哲氏)

 SGLT2阻害薬の慢性腎臓病や心不全合併2型糖尿病患者における臓器保護作用は確立している。また、最近ではSGLT2阻害薬が肝臓がんの発症を抑制するとの報告もなされている。がんと並んで高齢者糖尿病患者で問題になるのが認知症である。本論文では韓国の住民コホートデータベースを用いて、DPP-4阻害薬と比較してSGLT2阻害薬の投与が2型糖尿病患者の認知症発症を抑制するかどうかが検討された。  本研究は無作為化試験ではなく観察研究なので、残余交絡residual confoundingをいかに最小化するかが重要となる。筆者らはそのために、種々の統計学的手法(active comparator new user design、extensive propensity score matching、target trial emulationなど)を駆使して、現時点で可能な限りの補正を実施している。さらに陽性コントロールとして性器感染症、陰性コントロールとして白内障と変形性膝関節症とを用いて、結果の内的妥当性internal validityを担保している。

糖尿病は脳を老化させるが生活習慣次第で抑制も可能

 脳MRIに基づく新たな研究により、糖尿病が脳を老化させる可能性のあることが分かった。特に、血糖コントロールが良くない場合には、実際の年齢に比べて平均4歳、脳の老化が進んでいた。一方、健康的なライフスタイルにより、脳の若さを保つことができることも示唆された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のAbigail Dove氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes Care」に8月28日掲載された。  論文の筆頭著者であるDove氏は、「画像所見上、糖尿病患者の脳が実年齢に比べて高齢に見えるということは、通常の加齢プロセスからの逸脱を意味しており、認知症の早期警告サインと見なせる可能性がある」と述べている。同氏の指摘どおり、以前から2型糖尿病は認知症のリスク因子の一つとして認識されてきた。しかし、認知症発症前の人の脳に、糖尿病や前糖尿病がどのような影響を与えているのかという詳細については、不明点が少なくない。

セマグルチドがHFpEF患者の心不全イベントを抑制/Lancet

 駆出率が軽度低下または保たれた心不全(HFpEF)患者の治療において、プラセボと比較してGLP-1受容体作動薬セマグルチドは、心血管死に対する効果は有意ではないものの、心血管死または心不全増悪イベントの複合エンドポイントと心不全増悪イベント単独のリスクを減少させ、忍容性も良好で重篤な有害事象の発現率は相対的に低いことが、米国・ミズーリ大学カンザスシティ校のMikhail N. Kosiborod氏らSELECT, FLOW, STEP-HFpEF, and STEP-HFpEF DM Trial Committees and Investigatorsの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2024年9月7日号で報告された。

内臓脂肪や皮下脂肪で慢性疼痛リスク上昇か

 内臓脂肪や皮下脂肪の過剰な蓄積が筋骨格系の痛みと関連しているようだ―。オーストラリア・タスマニア大学のZemene Demelash Kifle氏らは、腹部の過剰かつ異所性の脂肪沈着が多部位で広範囲にわたる慢性筋骨格系の痛みの発症に関与している可能性を示唆した。また、男性よりも女性でより強い影響が確認され、これは脂肪分布とホルモンの性差が影響している可能性があるという。Regional Anesthesia&Pain Medicine誌オンライン版2024年9月10日号掲載の報告。