糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:150

2型糖尿病の超過死亡リスクは多様/NEJM

 2型糖尿病患者は一般集団よりも全死因死亡率が15%、心血管死亡率は14%高く、55歳未満では血糖値が目標値内であっても死亡リスクが約2倍に上昇するなど、超過リスクはきわめて多様であることが、スウェーデン・イエーテボリ大学のMauro Tancredi氏らの調査で示された。2型糖尿病患者の最も頻度の高い死因は心筋梗塞であり、そのリスクは脂質低下薬や降圧薬、良好な血糖コントロールにより低減するが、それでも一般集団に比べ死亡の超過リスクが残存する。同氏らは最近、1型糖尿病患者において、HbA1c値が目標値(≦6.9%)でも死亡リスクが2倍に達することを報告していた。NEJM誌2015年10月29日号掲載の報告より。

糖尿病でのパクリタキセルDES vs.エベロリムスDES/NEJM

 糖尿病患者への経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で、パクリタキセル溶出ステント(PDES)はエベロリムス溶出ステント(EDES)に対し、非劣性を示すことができなかったことを、インド・Fortis Escorts Heart InstituteのUpendra Kaul氏らが、1,830例の糖尿病患者を対象に行った試験の結果、報告した。1年後の標的血管不全発症率は、パクリタキセル群が5.6%に対し、エベロリムス群が2.9%と低率だったという。NEJM誌オンライン版2015年10月14日号掲載の報告より。

食事回数と肥満の関係

 食物摂取頻度と肥満との関連の研究結果は一貫していない。滋賀県立大学の村上 健太郎氏らは、米国National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)2003-2012のデータを用いた横断研究から、米国成人の1日の全食事回数・食事(間食を除く)回数・間食回数の多さが、過体重/肥満と中心性肥満のリスク増加に関連することが示唆される、と報告した。the Journal of Nutrition誌オンライン版2015年10月14日号に掲載。

EMPA-REG OUTCOME試験:糖尿病治療薬久々の朗報~治療学的位置付けは今後の課題~(解説:景山 茂 氏)-438

慢性疾患の治療において、短期間の薬効を示す指標(surrogate endpoint)と長期間の治療による予後を示す指標(true endpoint)が乖離することが最初に示されたのは、1970年のUGDP研究である。この研究では、スルホニル尿素類のトルブタミド(商品名:ラスチノン)はプラセボおよびインスリンに比較して死亡率、とくに心血管死が有意に高いことが示された。その後、同研究により、現在は用いられていないビグアナイド類のフェンホルミンについてもトルブタミドと類似の結果が示された。その後も、チアゾリジンジオン類のロシグリタゾンについて、心筋梗塞を増やす可能性が示唆されている。

重度肥満の男子で心血管代謝系リスクが増大/NEJM

 小児および若年成人では、重度の肥満は心血管代謝系のリスク因子の保有率を増大させ、とくに男子でその傾向が強いことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAsheley C Skinner氏らの検討で示された。近年、米国では小児・若年成人の重度肥満の有病率が上昇し、この年齢層の心血管および代謝系の健康状態への懸念が高まっているが、心血管代謝系のリスク因子の保有状況はよく知られていない。また、小児・若年成人では、過体重・肥満者はリスク因子の保有率が高いことが指摘されているが、従来の単一カテゴリーによる肥満分類では、肥満の多彩な重症度を説明するのは難しいという。NEJM誌2015年10月1日号掲載の報告。

糖尿病患者 喫煙で総死亡リスクが1.55倍に

 能動喫煙は、糖尿病患者の総死亡および心血管イベント発症リスクの上昇と有意に関連することが、中国・華中科技大学のAn Pan氏らの研究により明らかになった。また、禁煙した群では、現在喫煙している群と比べて、これらリスクの低下が認められた。この研究結果は、糖尿病患者に禁煙を勧めるための強力なエビデンスとなると考えられる。Circulation誌オンライン版2015年8月26日号の報告。

片頭痛の頻度と強度、血清脂質と有意に相関

 片頭痛は心血管疾患、とくに脂質異常症のリスク増加と関連していることが報告されているが、これまで片頭痛の重症度と血清脂質との関係を調べた研究はなかった。イタリア・G.D'Annunzio UniversityのClaudio Tana氏らは、小規模な後ろ向き研究において、総コレステロールおよびLDL-コレステロール値が、片頭痛の頻度および強度と有意な正の関連があることを明らかにした。また、片頭痛予防薬による治療後に、これら血清脂質値が有意に減少していることを初めて明らかにした。著者は「本研究は予備的研究であり、今後は前向き比較試験によって確認されなければならない」とまとめている。Pain Practice誌2015年9月号(オンライン版2014年7月10日号)の掲載報告。