糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:151

新システム人工膵臓、長期使用の有用性を確認/NEJM

 クローズドループシステムの人工膵臓の、長期使用の有用性が報告された。1型糖尿病患者を対象とした検討で、これまでのセンサー併用型ポンプ療法と比較して血糖コントロールを改善し、低血糖の発生は低く、成人被験者では血糖値の低下に結びついたという。英国・ケンブリッジ大学のHood Thabit氏らが、小児・青年25例と成人33例を対象とした12週間使用について検討を行い報告した。在宅療法としてのクローズドループシステムの人工膵臓の長期使用の可能性、安全性および有効性については、これまで確認されていなかった。NEJM誌オンライン版2015年9月17日号掲載の報告。

糖尿病黄斑浮腫と脂質異常症との関連、その真偽は?

 糖尿病黄斑浮腫(DME)は糖尿病患者の視力障害を引き起こすが、その発症・進展のリスク因子として、脂質異常症が知られている。アイルランド・クィーンズ大学のRadha Das氏らは、DMEと脂質異常症との関連を調べる目的でシステマティックレビューを行った。その結果、症例対照研究のメタ解析では血清脂質とDMEの強い関連を示唆するエビデンスが得られたものの、前向き無作為化比較試験のみのメタ解析ではその関連が確認されなかったことを明らかにした。

EMPA-REG OUTCOME試験:SGLT2阻害薬はこれまでの糖尿病治療薬と何が違うのか?(解説:小川 大輔 氏)-423

2015年9月14日から、ストックホルムで開催された欧州糖尿病学会(EASD)に参加した。今大会でEMPA-REG OUTCOME試験の結果が発表されるとあって、世界中から集まった糖尿病の臨床医や研究者の注目を集めていた。私も当日、発表会場に足を運んだが、超満員でスクリーンの文字がよく見えない位置に座るしかなかった。しかし、EMPA-REG OUTCOME試験の結果は同日論文に掲載されたため、内容を確認することができた。

EMPA-REG OUTCOME試験:リンゴのもたらした福音(解説:住谷 哲 氏)-422

リンゴを手に取ったために、アダムとイブは楽園から追放された。ニュートンは、リンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見した。どうやら、リンゴは人類にとって大きな変化をもたらす契機であるらしい。今回報告されたEMPA-REG OUTCOME試験の結果も、現行の2型糖尿病薬物療法に変革をもたらすだろう。

EMPA-REG OUTCOME試験:試験の概要とその結果が投げかけるもの(解説:吉岡 成人 氏)-421

心血管イベントを主要アウトカムとするEMPA-REG OUTCOMEの試験結果が、2015年9月17日の欧州糖尿病学会(EASD2015、スウェーデン・ストックホルム)で発表され、New England Journal of Medicine誌のオンライン版に同時掲載された。日本国内で使用できる6種類のSGLT2阻害薬の中で、最も遅れて市場に登場したエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)の驚くべきデータであり、大きな話題を呼んでいる。

エンパグリフロジン、心血管死リスクを有意に低下/NEJM

 心血管ハイリスク2型糖尿病患者に対して、標準治療へのエンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)の追加投与は、主要複合心血管系アウトカムおよび全死因死亡を低下したことが、カナダ・トロント大学のBernard Zinman氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。エンパグリフロジンは、新規クラスのナトリウム依存性グルコース共輸送担体2(SGLT2)阻害薬。これまで、心血管ハイリスク2型糖尿病患者への上乗せ治療効果については検討されていなかった。NEJM誌オンライン版2015年9月17日号掲載の報告。

米国直近の糖尿病有病率は12.4%、1988年から増加傾向続く/JAMA

 米国の2011~12年の糖尿病有病率は12.4%であり、1988~94年の9.8%、2001~02年の10.8%から増加傾向が続いていることが明らかになった。同様の傾向は、男女別にみても、また年齢別や人種別にみた場合も認められたという。米国疾病予防管理センター(CDC)のAndy Menke氏らが、米国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)のデータを基に調べ報告した。JAMA誌2015年9月8日号掲載の報告。