糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:83

新型コロナで7都府県の健診中断へ/日本人間ドック学会

 2020年4月10日、日本人間ドック学会(理事長 篠原 幸人氏)は健診現場での感染拡大を防ぐため、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る緊急事態宣言を踏まえた人間ドック健診等における対応について」を通知した。  7都府県を対象とした「緊急事態宣言」が4月7日~5月6日まで発出されたことにより、国の定める法定健診(特定健康診査・特定保健指導、労働安全衛生法に基づく一般健康診断、学校保健安全法に基づく児童生徒等及び職員の健康診断)は、4月中の実施が見送られる。通知には以下の協力事項が記載されている。

コレステロール降下薬のCutting Edge(解説:平山篤志氏)-1215

1994年にシンバスタチンの投与により心血管死亡が減少するという4S試験の報告以来スタチンによるコレステロール低下は動脈硬化性疾患の発症抑制、とくに冠動脈疾患の発症リスクを低下させてきた。しかし、最大量の強力なスタチンを用いてもコレステロール低下効果には限界があり、残余リスクの一因であった。コレステロール吸収阻害薬エゼチミブ、そしてPCSK9阻害薬の登場により、スタチンの限界を超えてコレステロールを低下することが可能となり、それに伴い心血管イベントの減少がもたらされた。しかし、薬剤の服用中止により、心血管イベントが増加することから、継続的な治療が必要であり、アドヒアランスをいかに維持するかが重要である。

DAPA-HF試験、非2型DMのHFrEFにもダパグリフロジンが有効/JAMA

 糖尿病(DM)の有無にかかわらず左室駆出率(LVEF)が低下した心不全(HFrEF)患者において、推奨治療へのダパグリフロジンの追加はプラセボと比較し、糖尿病の状態とは関係なく心不全増悪または心血管死のリスクを有意に低下させることが認められた。英国・グラスゴー大学のMark C. Petrie氏らが、20ヵ国410施設で実施した無作為化二重盲検第III相試験「DAPA-HF試験」の探索的解析結果を報告した。HFrEFに対する新たな治療が必要とされている中、選択的ナトリウム・グルコース共役輸送体2(SGLT2)阻害薬は、非DM患者であってもHFrEFに対する治療薬として有効である可能性が示唆されていた。JAMA誌オンライン版2020年3月27日号掲載の報告。

ACS発症の2型DM、低HDL-C値へのapabetalone追加投与は?/JAMA

 急性冠症候群(ACS)を発症した2型糖尿病でHDLコレステロール値が低い患者に対し、標準治療に加え、選択的BET(bromodomain and extraterminal)タンパク質阻害薬であるapabetaloneを投与しても、主要有害心血管イベントリスクは有意には低下しないことが示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K. Ray氏らによる、多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、JAMA誌オンライン版2020年3月27日号で発表された。apabetaloneはブロモドメイン2をターゲットとしており、アテローム血栓症との関連経路に良好な影響をもたらす可能性があると見なされ、プール第II相試験データでは、臨床的アウトカムへの良好な影響が示唆されていたという。

米国青少年の食事の質、半数以上で低いまま/JAMA

 米国の青少年の食事の質は、1999年から2016年にかけてわずかに改善されたものの、半数以上では依然として低劣であることが、米国・タフツ大学のJunxiu Liu氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2020年3月24日号に掲載された。これまでに行われた米国の青少年の食事傾向に関する研究は、重要な主要栄養素やごく一部の食品に限られており、使用されたデータも古いという。  研究グループは、米国の青少年における食事の質の傾向に関して、その特性を明らかにする目的で連続横断研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。

メトホルミンの適正使用で若年者も注意/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝)は、2020年3月18日に「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation(旧:ビグアナイド薬の適正使用に関するRecommendation)」をアップデートし、同学会のホームぺージで公開した。  糖尿病の薬物治療で多用されるメトホルミンは、わが国でも乳酸アシドーシスが報告されている。その多くが各剤の添付文書の禁忌や慎重投与事項に違反した例がほとんどであるが投与量や投与期間に一定の傾向が認められず、低用量の症例や、投与開始直後あるいは数年後に発現した症例も報告されていた。そのため学会では、薬剤の効果や副作用の危険性を勘案した上で適切な患者を選択し、患者に対して服薬や生活習慣などの指導を十分に行うことが重要と考え2012年2月1日に「ビグアナイド薬の適正使用に関する委員会」からRecommendationを行った。以後数回にわたり、メトホルミンの適正使用に関するRecommendationは更新されている。

COVID-19重症例、COPDや糖尿病併存が転帰不良

 中国・広州医科大学のWei-Jie Guan氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の併存疾患を層別化し、重篤な有害転帰リスクを評価した。その結果、併存疾患のない患者よりも併存疾患を有する患者で転帰が不良になることを示唆した。また、併存疾患数の多さが転帰不良と相関していたことも明らかにした。The European respiratory journal誌オンライン版3月26日号掲載の報告。  研究者らは2019年12月11日~2020年1月31日の期間、中国本土の31省・市・区の病院、575施設に入院した患者1,590例のデータを分析。複合エンドポイントはICUへの入室、侵襲的換気、死亡で、その到達リスクとして併存疾患の有無と数を比較した。

SGLT2阻害薬の手術前の休薬は3~4日、FDAが承認

 2020年3月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、2型糖尿病治療として使用されるすべてのSGLT2阻害薬において、術前休薬に関する添付文書の変更を承認した。  当局は、「カナグリフロジン(商品名:カナグル)、ダパグリフロジン(同:フォシーガ)、エンパグリフロジン(同:ジャディアンス)は少なくとも予定手術の3日前、エルツグリフロジン(国内未承認)は少なくとも4日前に休薬する必要がある」とプレスリリースを配信した。また、手術前のSGLT2阻害薬休薬後は血糖値を注意深く監視し、適切に管理すべき、と記している。

inclisiran、家族性高コレステロール血症でLDL-Cを50%低下/NEJM

 家族性高コレステロール血症(FH)ヘテロ接合体の成人患者の治療において、低分子干渉RNA製剤inclisiranの非頻回投与レジメンはプラセボに比べ、LDLコレステロール(LDL-C)値をほぼ半減させ、安全性プロファイルは許容範囲内であることが、南アフリカ共和国・ウィットウォーターズランド大学のFrederick J. Raal氏らによる「ORION-9試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年3月18日号に掲載された。FHは、LDL-C値の上昇と、早発性のアテローム動脈硬化性心血管疾患のリスク増大を特徴とする。前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を標的とするモノクローナル抗体は、LDL-C値を50%以上低下させるが、2~4週ごとの投与を要する。一方、inclisiranは年2回の投与により、FHヘテロ接合体成人患者においてPCSK9の肝臓での合成を阻害すると報告されている。

inclisiran、LDLコレステロールが50%低下/NEJM

 肝臓でのPCSK9産生を阻害する低分子干渉RNA(siRNA)製剤のinclisiranは、6ヵ月ごとの皮下投与によりLDLコレステロール値を約50%低下させることが認められた。ただし、プラセボと比較してinclisiranは穿刺部位の有害事象の発現が多かった。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K. Ray氏らが、inclisiranの2つの第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の解析結果を報告した。これまでの研究で、inclisiranは少ない投与頻度でLDLコレステロール値を持続的に低下させることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2020年3月18日号掲載の報告。