新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言下、多くの事務職はテレワークに代替され、不要不急の外出も制限されている。家にこもる日々が1年以上に渡るが、身体にどのような変化があったのであろうか。
「コロナ太りの実態の把握」をテーマに、株式会社アイスタットは5月18日にアンケートを行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~59歳の有職者、東京・大阪在住の300人が対象。
調査概要
形式:WEBアンケート方式
期日:2021年5月18日
対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(30~59歳/有職者/東京・大阪)を対象
アンケート結果の概要
・コロナ太りは全体の35.3%! 体重の増加量が大きい人ほど、コロナ禍が影響している傾向あり!
・「週1~2日」「気がむいたとき」に運動をしている人は、コロナ太りした人の割合の方が多かった! ダイエットを気にしているのか、運動をし始めた様子がうかがえた!
・コロナ太りした人はそうでない人と比べ食生活の変化では、「食品摂取の偏り、バランスが悪くなった」の割合が最も多かった!
・テレワークを実施している人ほど、「コロナ太り」が多い傾向!
・約4割の人が「肥満がある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい」を知らなかった!
コロナ禍以前から健康維持していた人は太らない
最初に「コロナ禍以前と比較して(最近1年間)の体重増減」を聞いたところ、「ほとんど変わらない」が48.7%で最も多く、次に「約1~2kg増えた」が13.3%、「約2~3kg増えた」が13.0%と続いた。また、「体重増加の有無」の割合をみると「あり」は41.3%、「なし」は58.7%で、約4割の回答者が最近1年間で太ってしまったとの回答結果だった。外出控えによる運動不足などによる結果がうかがえた。
「体重増減は、コロナ禍での外出自粛が影響している」か聞いたところ、「影響している」が46.7%、「影響していない」は53.3%だった。そして、「影響している」と回答した中で「コロナ禍が影響して体重が増えた」と答えた割合は、全体の35.3%だった。また、「影響していない」と回答した中で「体重増加なし」は47.3%で、コロナ禍が体重増加の要因となったことがうかがえた。
「何らかの運動を定期的に行っているか」を聞いたところ、「ほとんど行っていない」が46.3%、「週に1日未満(気がむいたとき)」が10.7%、「週に2日は行っている」が8.3%の順で多かった。コロナ太りの有無との関連をみると、定期的な運動を「週3日以上から毎日」行っていると回答した人は「コロナ太りでない」の回答者の割合が多かったことから、運動習慣ある人の体重はコロナ禍でも維持されていることがわかった。
「食生活に変化があったか」を聞き、コロナ太りの有無との関連をみた。食生活に変化があった内容を回答した人は「コロナ太り」の割合が多く、「特に変わらない」と回答した人は「コロナ太りではない」の割合が多かった。「コロナ太りした」と答えた35.8%の回答者が、「食品摂取の偏り、バランスが悪くなった」と回答し、「間食をとる機会が増えた」も28.3%と回答数が多かった。一方で「コロナ太りしていない」と回答した人の53.6%が「(食生活は)特に変わらない」と回答しており、日ごろの食生活の維持の重要性をうかがわせた。
「コロナ禍で気を付けていること」を聞き、コロナ太りの有無との関連をみた。「コロナ太りした」人の回答では、「特に何もしていない」(28.3%)、「ウォーキング・ジョギングをする」(24.5%)、「定期的に体重を測定し記録する」(22.6%)の順で多かった。一方、「コロナ太りしていない」人の回答では、「特になにもしていない」(42.8%)、「規則正しい生活を心がけている」(21.6%)、「ウォーキング・ジョギングをする」(19.1%)の順で多かった。コロナ太りしない人ほど、コロナ禍前と変わらない生活を過ごしていると推定され、日ごろの健康管理の大切さがうかがわれた。
「最近1ヵ月間のテレワーク実施状況を聞き、実施有無別に分類した。「実施している」が39.3%で、「実施していない」の60.7%を下回った。「ほぼ毎日テレワーク」は16.0%で、定着率の低さが判明した。コロナ太りの有無別にみると、テレワークを実施していると回答した人は「コロナ太り」の割合が多く、実施していないと回答した人は「コロナ太りではない」の割合が多かった。テレワーク実施者は、通勤回避、在宅の増加により、あきらかに運動不足が影響を及ぼしていると推定される結果となった。
最後に「肥満がある人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいことを知っていたか」を聞いたところ、「知らなかった」が39.7%、「なんとなく知っていた」が32.3%、「知っていた」の28.0%の順だった。まだまだ重症化リスクの要因が浸透しておらず、今後の啓発活動が重要であることが示された。
(ケアネット 稲川 進)