第1回「経過にこだわろう !」
症候診断において最も重要な「病歴」。しかし、症例は教科書通りのものばかりではありません。患者さん側も診断に必要な情報を順序立てて話してくれるわけではなく、経験の浅い医師にとってはついつい時間がかかるばかりで、肝心の診断がつかないことも間々あります。
「マニュアルで診療はできないんです」と講師の前野先生。さまざまな情報から必要なものを選び出して頭の中で鑑別診断リストを作り、効率的な質問を投げかけながらリアルタイムで診断を絞り込んでいく。瞬時にこれらのことができる訓練をしなければいけません。この思考ロジックを、前野先生が研修医の皆さんと一緒にたどっていきます。第1回の症例は「頭痛」。ありふれた症例ですが、問診でのポイントは何処にあるのでしょう?
第2回「“急に”と言われても…」
今回のケースは“急におなかが痛くなった”患者さんです。漠然とした訴えにどうしたらいいのか悩んでしまいますが、どう対応したらいいのでしょう。番組では、症状のどこに注目して、何を聞いたらいいのか、そして重篤な疾患を見逃さないコツは何なのかを、詳しく解説していきます。ゲーム感覚で楽しく学べる診療のコツをどうぞお楽しみください。
第3回「反復するということは?」
今回取り上げるのは「胸痛」を訴える患者さん。胸痛と言えば当然、狭心症、心筋梗塞などの見逃せない疾患の主訴ですね。すぐに心電図!とあなた。しかし、異常は見当たらずホッと安心…はもちろんできません。ホルター心電図でさえ捉えられないことも間々ある心臓の虚血…。さあ、どうしましょう? 心エコー? 心カテ? やっきになって検査をやみくもに繰り返してしまうのが、新人の先生が陥りやすいワナです。
「胸が痛いと言う患者さんにはもちろん心電図は重要な検査です」しかし、「心電図だけでは虚血は診断できないことが多々あります」と前野先生。そんな時重要なのは、「やはり病歴」。そしてそれは「それほど難しいことではないんです」。病歴から分かる病態生理は、診断の大きな手がかりになるだけでなく、それを説明することで患者さんを安心させることもできるというスグレモノ。胸痛だけでなく様々な疾患に応用できる問診のコツ、ベテランの先生も必見!