総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。
内分泌・代謝については、聖路加国際病院内分泌代謝科の能登洋先生がレクチャーします。糖尿病、脂質異常症、高尿酸症といった代謝性疾患は、それぞれの診断基準となる数値をきちんと把握し、適切な治療でコントロールすることが大切です。内分泌疾患は、内分泌系の仕組みを総合的に捉え、各ホルモンの作用と、多岐にわたる疾患の特徴を押さえます。
※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。
第1回 糖尿病(1)
内分泌・代謝の第1回は、糖尿病の病態と診断について解説します。糖尿病には、1型、2型、その他、妊娠糖尿病の4つの病型があり、血糖値とHbA1cの数値、既往歴から鑑別します。急激な高血糖によって引き起こされる糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖状態、あるいは過度の治療による低血糖。命にかかわることもあるため、試験でよく問われるテーマです。
第2回 糖尿病(2)
内分泌・代謝の第2回は、糖尿病の治療について解説します。治療のポイントは、多様な薬剤の使い分け。各治療薬の作用機序、効果と副作用、禁忌事項を確認します。インスリン療法で重要なのが、用量調節の際の責任インスリンという概念。妊娠糖尿病は、胎児への影響を考慮して、通常の糖尿病よりも診断基準が厳しく、血糖コントロール目標値を厳格に管理することが推奨されています。
第3回 下垂体疾患 副甲状腺疾患 骨粗鬆症
さまざまなホルモンを分泌する下垂体。初めにホルモンの種類と全身の標的器官を押さえます。下垂体ホルモンの過剰分泌や分泌低下によって引き起こされる各疾患も要チェック。副甲状腺ホルモン疾患の鑑別には、カルシウムとリンの値に注目します。骨粗鬆症は、一般的に加齢により発症しますが、内分泌疾患、薬物、糖尿病など、特定の誘因によって発症する場合もあります。骨粗鬆症の各治療薬について、機序と使用法を確認します。
第4回 甲状腺疾患
内分泌・代謝の第4回は、甲状腺疾患について解説します。バセドウ病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、プランマー病など、複数の疾患に起因する甲状腺中毒症。この甲状腺中毒症が重症化した甲状腺クリーゼは、致死率が高いので要注意。甲状腺機能低下症の代表的な疾患は、橋本病、粘液水腫性昏睡です。甲状腺腫瘍について、最新のガイドラインにおける治療方針を確認します。
第5回 代謝性疾患
脂質異常症の診断基準は、LDL-C、HDL-C、中性脂肪を数値別にチェック。総コレステロールから善玉コレステロールを除いた”non-HDL-C”という新たな指標が注目されています。幼少期から動脈硬化性疾患を起こす原発性高コレステロール血症の治療には、PCSK-9阻害薬が近年効果を発揮しています。高齢者の場合は、過度な減量は禁物。軽い肥満の方が死亡リスクを下げます。高尿酸血症は、原因疾患と合併症の有無によって治療薬の使い分けがポイントです。
第6回 副腎疾患 二次性高血圧
副腎から産出分泌されるホルモンには、アルドステロン、コルチゾール、カテコルアミンがありますが、副腎に腫瘍ができてホルモンが過剰分泌されると、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、パラガングリオーマといった疾患が引き起こされます。内分泌疾患により発症する二次性高血圧は、原因疾患を治療することで改善できます。各疾患に関わるホルモン、注目すべき検査所見、鑑別診断、治療の流れを確認します。