消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:103

がん種横断的MSI検査キット保険適用

 株式会社ファルコバイオシステムズが製造販売を行う、局所進行性又は転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)がんを検出するコンパニオン診断薬「MSI検査キット(FALCO)」を用いた検査が平成30年12月1日より保険適用となった。  「MSI検査キット(FALCO)」は、局所進行性又は転移性のMSI-Highがんに対する効能・効果について製造販売承認事項一部変更承認申請中であるペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の適応を判定するためのコンパニオン診断薬。

EPAとアスピリン、単独/併用の大腸腺腫予防効果は?/Lancet

 オメガ3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)もアスピリンも、大腸腺腫を有する患者割合の低下と関連していなかった。英国・リーズ大学のMark A. Hull氏らが、EPAとアスピリンの単独または併用投与の大腸腺腫予防効果を検証した、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「seAFOod Polyp Prevention trial」の結果を報告した。EPAとアスピリンはともに、大腸がんの化学的予防に関するproof of concept試験で、有効性と優れた安全性プロファイルが示されていた。Lancet誌オンライン版2018年11月19日号掲載の報告。

ICUにおける消化管出血のリスクに対するpantoprazoleの有用性は?(解説:上村直実氏)-954

ICU患者3,298例を対象として、ICUにおけるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の有用性を検証する目的で、pantoprazole群(n=1,645)とプラセボ群(n=1,653)に分けた欧州6ヵ国の多施設共同無作為比較試験の結果がNEJM誌に報告された。主要評価項目である90日までの死亡者数はPPI群510例(31%)、プラセボ群499例(30%)で両群に差はなく、また、副次評価である臨床的に重要なイベント(肺炎、クロストリジウム・ディフィシル感染、心筋虚血の複合)の発生率にも差を認めなかった。さらに、臨床的に重篤な消化管出血は、PPI群(2.5%)に比べてプラセボ群(4.2%)が多かったが、症例数が少なく統計学的に有意な差といえなかった。

「がんだけ診ていればよい時代」は終わった?日本腫瘍循環器学会開催

 2018年11月3~4日、都内にて第1回日本腫瘍循環器学会学術集会が開催され、盛んな議論が行われた。  がんと心血管疾患の関係は以前から見られる。近年、がん治療の進歩が生存率も向上をもたらした。そこにがん患者の増加が加わり、がんと心血管疾患の合併は増加している。がん治療の副作用は、心血管系合併症のリスクを高め、生命予後にも影響することから、がん患者・サバイバーに対する心血管系合併症管理の重要性が増している。実際、乳がん患者の死因は、2010年に、がんそのものによる死亡を抜き、心血管疾患が第1位となっている。

心臓血管疾患を合併しない高齢者においてアスピリン投与は死亡率、とくにがん死亡を増やす可能性がある(解説:今井靖氏)-951

心臓血管疾患におけるアスピリンの効果は周知のことであるが、心臓血管疾患を合併しない高齢者におけるアスピリン投与の意義は必ずしも明らかではない。心臓血管疾患を合併しない高齢者におけるアスピリン投与がイベント抑制に寄与するか否か検討した臨床試験(ASPREE)の報告がすでにNEJM誌においてなされているが、その最初の報告においてはアスピリンの投与を行っても認知症および身体障害の複合についてイベント回避効果がないことが示されている。すべての原因による死亡(全死亡)が副次エンドポイントとされていたがアスピリン投与においてはるかに高率であるとの結果であり、それは他の類似した臨床試験に比較してイベント発症が高率であったことなどを含め注視すべき内容である。

免疫CP阻害薬、心血管障害スクリーニングの結果/腫瘍循環器学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の免疫関連有害事象(irAE)としての心血管障害は、報告数は少ないものの、発症すると重篤化する。しかし、真の発生頻度や種類、発生時期については明らかになっていない。国際医療福祉大学三田病院の古川 明日香氏らは、腫瘍循環器学会において、同院の腫瘍循環器外来におけるICI使用時における心血管障害イベントのスクリーニングの意義について発表した。  スクリーニングの検証は、Active Screening Protocolを作成して行われた。このProtocolは、ICI投与開始前に腫瘍循環器外来を予約。ベースライン(投与開始前)、開始後定期的に、血液学的検査(CK、CK-MB、トロポニンI、BNP、D-dimerなど)、心電図、胸部レントゲン、心エコー検査のフォローアップを行うというもの。

ICU入室患者への予防的PPIの効果は?/NEJM

 ICU入室の消化管出血リスクがある成人患者において、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のpantoprazole投与は、プラセボ投与と比較して、90日死亡率および臨床的に重要なイベント数が同程度であった。デンマーク・Copenhagen Trial UnitのMette Krag氏らによる多施設共同の層別化並行群プラセボ対照盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年10月24日号で発表された。ICU入室患者に対して、消化管ストレス潰瘍の予防的処置はしばしば行われている。しかし、そのリスクとベネフィットは明らかではない。

FOLFOXIRI+BV、大腸がん1~2次治療で優越性(TRIBE2)/ESMO2018

 切除不能大腸がんにおいて、1~2次治療でのFOLFOXIRI+ベバシズマブ(BV)の併用療法が、FOLFOX+BV→FOLFIRI+BVの治療シークエンスと比較して良好なアウトカムを示したことが明らかになった。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、イタリア・ピサ大学のChiara Cremolini氏が発表した第III相TRIBE2試験の中間解析結果より。  TRIBE2試験は、切除不能大腸がんの1~2次治療における3剤併用+BVと2剤併用+BVの有効性を比較する非盲検無作為化第III相試験。被験者は、 Arm A:FOLFOX+BV→維持療法として5-FU+BV(PDまで)→FOLFIRI+BV→5-FU+BV(PDまで)

胆道がん1次治療、GEM・CDDP・S-1トリプレットの可能性/ESMO2018

 ゲムシタビン+シスプラチン(GC)は、長年にわたり凌駕されることのない、進行胆道がん1次治療の標準治療である。しかし、ASCO-GI2018で発表された、わが国の第II相試験では、ゲムシタビン+S-1のGCに対する非劣性が示された。ミュンヘンでの欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)では、GC+S-1(GCS)とGCを比較した第III相KHBO-1082-MITSUBA試験の結果が大阪大学の坂井大介氏により発表された。  KHBO-1401-MITSUBA試験は、GCSのGCに対する優越性を検証する多施設オープンラベル比較試験。