消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:105

抗血小板療法を受けていない集団の大出血リスクは?/JAMA

 抗血小板療法を受けていない集団における、大出血および非致死的大出血の推定年間発生リスクを、ニュージーランド・オークランド大学のVanessa Selak氏らが算出した。同国のプライマリケア受診患者を対象とした前向きコホート研究の結果で、著者は「今回の結果を、心血管疾患(CVD)1次予防のための集団レベルのガイドラインに示すことができるだろう」と述べている。アスピリン治療開始の決定には、同治療によるベネフィットと有害性を考慮する必要がある。最も重大な有害性は大出血であるが、至適な地域集団における出血リスクのデータは不十分であった。JAMA誌2018年6月26日号掲載の報告。

素因遺伝子パネルと膵がんリスクの関連(解説:上村直実氏)-886

わが国の死因順位をみると悪性新生物による割合が増加し続けているが、最近、肝炎ウイルスやピロリ菌による感染を基盤に発症することが判明した肝臓がんや胃がんによる死亡者数が激減しており、さらに、増加し続けてきた肺がんと大腸がんによる死亡者数もついに低下してきた。このような状況の中、毎年のように死亡者数が増加しているのが膵がんである。

転移のある大腸がんの3次治療、新たなVEGFR阻害薬が有効/JAMA

 転移を有する大腸がんの3次治療の選択肢は少ない。中国・同済大学上海東病院のJin Li氏らは、2ライン以上の化学療法を施行後に病勢が進行した転移を有する大腸がんの治療において、経口血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害薬fruquintinibが、プラセボに比べ全生存(OS)期間を統計学的に有意に延長することを示した(FRESCO試験)。研究の成果は、JAMA誌2018年6月26日号に掲載された。fruquintinibは、高い選択性を持つVEGFR-1、-2、-3の低分子阻害薬であり、腫瘍の増殖と関連する血管新生を抑制する。

膵がんアジュバントにおけるmFOLFIRINOXの可能性(PRODIGE 24/CCTG PA.6)/ASCO2018

 切除後の膵臓がんでは、術後補助化学療法を行ったにもかかわらず、7割の患者が2年以内に再発するとされる。そのため、より良好な成績の術後補助化学療法が求められている。この術後化学療法として、フルオロウラシルのボーラス投与を省いたmodified FOLFIRINOX(mFOLFIRINOX)療法とゲムシタビン単剤療法を比較した第III相試験PRODIGE 24/CCTG PA.6が行われ、その結果をフランス・Institut de Cancérologie de LorraineのThierry Conroy氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。

膵がん患者の5%に素因遺伝子変異/JAMA

 膵がんの素因遺伝子や、その変異と関連する膵がんのリスクはよく知られていない。米国・メイヨー・クリニックのChunling Hu氏らは、膵がんと関連のある6つの遺伝子変異を同定し、これらの変異は全膵がん患者の5.5%にみられ、そのうち膵がんの家族歴のある例が7.9%、ない例は5.2%であることを示した。研究の成果は、JAMA誌2018年6月19日号に掲載された。遺伝学的に膵がんの素因を有する集団は、遺伝子検査を用いた早期発見により、ベネフィットを得る可能性があるという。