消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:145

がん生存率の動向~日本含む67ヵ国2,570万例のデータ/Lancet

 CONCORDワーキンググルーブでは、1995~2009年における67ヵ国のがん登録データを調査し、がん種別、国・地域別、期間別に5年生存率を推定した結果を報告した。生存率の大きな違いは、早期診断と最適な治療へのアクセスの差による可能性が高い。著者らは、「継続的な世界的サーベイランスは、がん患者と研究者において不可欠な情報源となり、また保健政策と医療システム改善のための政治家への刺激となるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月26日号に掲載。

早期経鼻栄養、感染症・死亡リスク低下せず/NEJM

 急性膵炎で合併症リスクの高い患者に対し、早期に経鼻栄養チューブによる経腸栄養を始めても、救急受診から72時間後に経口摂取を始め必要に応じて経管栄養を行う場合と比べ、主要な感染症や死亡リスクの低下に結び付かないことが示された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのO.J.Bakker氏らが、208例の患者について行った多施設共同無作為化試験の結果、報告した。重症急性膵炎の患者に対しては、腸管からの感染症予防を目的として、早期に経鼻腸管栄養を開始することが多い。しかし、この戦略を支持するエビデンスは限定的だった。NEJM誌2014年11月20日号掲載の報告より。

C型肝炎は内服でほぼ全例が治癒する時代へ

 C型肝炎ウイルスに対する治療は、2011年の直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals;DAA)の登場で大きく変換した。現在、効果のより高い薬剤・レジメンの開発が続いている。2014年11月26日、都内で開催されたC型肝炎プレスセミナー(主催:アッヴィ合同会社)にて、熊田 博光氏(虎の門病院分院長)がC型肝炎治療の進歩と著効率の変遷を解説、さらに開発中のレジメンを紹介し、「来年にはC型肝炎は内服薬のみでほぼ全症例が治癒する時代が到来するだろう」と予測した。

グラゾプレビル+エルバスビル、8週vs. 12週/Lancet

 肝硬変なし未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型単独感染患者およびHIV/HCV重複感染患者に対し、グラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法はリバビリン併用の有無を問わず、8週投与よりも12週投与が有効であることが判明した。米国・ジョンズホプキンス大学のMark Sulkowski氏らが第II相無作為化試験C-WORTHYの結果から報告した。グラゾプレビル+エルバスビル併用療法に関する検討はすでに、より大規模な第III相試験が行われている。著者は、「われわれの検討結果は、第III相試験の継続を支持するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。

肝移植後HCVへのIFNフリーレジメンの検討/NEJM

 肝移植後の再発C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症患者に対し、インターフェロンを用いない、NS5A阻害薬オムビタスビル+リトナビル・ブースト・プロテアーゼ阻害薬ABT-450(ABT-450/r)+非ヌクレオチド系NS5Bポリメラーゼ阻害薬ダサブビル+リバビリンの24週治療は、治療後のウイルス学的著効(SVR)が12週後、24週後ともに97%を示し、有効であることが示された。米国・インディアナ大学のPaul Y. Kwo氏らが、患者34例を対象とした試験で明らかにした。今回試験対象とした移植後再発患者は、従来の標準治療レジメンでは、治療反応率は13~43%に留まっていたという。NEJM誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。

HCV経口レジメン、グラゾプレビル+エルバスビル第II相試験/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型感染症へのグラゾプレビル(grazoprevir、MK-5172)+エルバスビル(elbasvir、MK-8742)併用療法は、リバビリンの追加併用を問わず、未治療の肝硬変併存患者、ペグインターフェロン+リバビリン(PR-null)既治療が有効であった肝硬変併存患者または非併存患者において、12週投与、18週投与ともに高い効果を示したことが、米国・テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らによる第II相非盲検無作為化試験の結果、報告された。Lawitz氏は、「結果は第III相の試験実施を裏付けるものであった」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年11月11日号掲載の報告より。

NASHへのオベチコール酸、組織所見は改善するが…/Lancet

 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療において、オベチコール酸による組織所見の改善率はプラセボの約2倍に達するが、その効果はNASH診断例を減少させるには十分でないことが、米国セントルイス大学のBrent A Neuschwander-Tetri氏らNASH Clinical Research Networkが行ったFLINT試験で示された。ファルネソイドX受容体は肝臓の脂肪や線維化を抑制することが、脂肪性肝疾患の動物モデルで確認されている。胆汁酸誘導体で、ファルネソイドX受容体のリガンドである6-エチルケノデオキシコール酸(オベチコール酸)は、この受容体のアクチベータである可能性が示唆されている。Lancet誌オンライン版2014年11月7日号掲載の報告。