消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:151

大腸がん診断後のスタチンで生存延長

 英国・クイーンズ大学ベルファストのChris R Cardwell氏らは、大規模な大腸がん患者のコホートにおいて、大腸がん診断後のスタチン使用が大腸がん特異的死亡リスクを低下させるかどうかを調査した。その結果、大腸がん診断後のスタチン使用が生存期間延長に関連することが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2014年8月4日号に掲載。

献血ドナーのHEV感染率は予想以上/Lancet

 英国の献血ドナー中の遺伝子3型E型肝炎ウイルス(HEV)感染者の割合は0.04%と、予想以上に高率で存在することが明らかになった。また、そうした感染者の献血を受けたレシピエントのうち、同ウイルスへの感染は4割以上で検出されたという。英国National Health Service Blood and TransplantのPatricia E Hewitt氏らが、同国で行われた献血後ろ向きに調査を行い報告した。Lancet誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告より。

消化管・頭蓋内出血リスクの新たな予測法/BMJ

 英国・ノッティンガム大学パーク大学キャンパスのJulia Hippisley-Cox氏らが開発した出血リスク予測のアルゴリズム「QBleed」は、抗凝固薬の使用・非使用患者の上部消化管出血および頭蓋内出血の絶対リスク予測に有用であることが報告された。著者は、「このアルゴリズムをプライマリ・ケアで用いるため、臨床アウトカムと費用対効果についてさらなる検討を行う必要がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告より。

機能性便秘へのプロバイオティクスの効果

 機能性便秘に対するプロバイオティクス治療の研究が増加してきている。英国キングス・カレッジ・ロンドンのEirini Dimidi氏らは、ランダム化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ解析より、成人機能性便秘患者における腸管通過時間、排便量、便秘症状に対するプロバイオティクスの効果を検討した。その結果、とくにビフィドバクテリウム・ラクティスの有効性が示され、プロバイオティクスが全腸管通過時間、排便頻度、便の硬さを改善する可能性が示唆された。一方、これらのデータは、高い異質性とバイアスのリスクのため、解釈には注意が必要としている。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2014年8月6日号に掲載。

HCVに1日1回IFNフリーレジメンが有用/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染のインターフェロン(IFN)フリー治療として、シメプレビル+ソホスブビル併用療法は肝線維化の程度にかかわらず高い効果を発揮し、忍容性も良好であることが、米国・テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らが行ったCOSMOS試験で示された。HCV遺伝子型1型感染の治療は、従来のペグインターフェロン+リバビリン療法から直接作用型抗ウイルス薬を含むIFNフリーのレジメンへと進化している。シメプレビルは1日1回経口投与のNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬、ソホスブビルは1日1回経口投与のヌクレオチドアナログNS5Bポリメラーゼ阻害薬であり、いずれも未治療および既治療の遺伝子型1型感染患者の第III相試験で良好な持続的ウイルス消失(SVR)率を達成している。Lancet誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告。

ステージIV大腸がんの位置による予後の違い

 右側結腸がんは左側結腸がんとは生物学的に異なると考えられているが、予後の違いについては矛盾する結果が報告されている。東京大学の石原 聡一郎氏らは、ステージIV結腸がんにおいて腫瘍位置が予後に及ぼす影響を明らかにするために、多施設共同研究による傾向スコア分析を実施した。その結果、ステージIVの右側結腸がんは、左側結腸がんに比べて、同じステージIVでもより進行した状態で診断され、予後が有意に不良であったことから、腫瘍学的に左側結腸がんより侵攻性であることが示唆された。International Journal of Surgery誌オンライン版2014年8月1日号に掲載。

HIV-HCV重複感染にSOF+RBVが有効/JAMA

 HIV感染患者でC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1、2または3型にも重複感染している患者に対し、インターフェロンを用いない経口薬治療のソホスブビル(SOF)+リバビリン(RBV)は、12週間投与または24週間投与とも高い持続性ウイルス学的著効(SVR)を達成したことが報告された。米国・ジョンズホプキンス大学のMark S. Sulkowski氏らによる非盲検非無作為化非対照の第III相臨床試験の結果、示された。今回の結果について著者は、「さまざまな重複感染患者集団で、この経口療法の試験を進めるべき根拠が示された」とまとめている。JAMA誌2014年7月23・30日号掲載の報告より。

急がれるAll RAS検査承認

 2014年7月29日(火)、東京都千代田区において大腸がんにおけるバイオマーカー「RAS遺伝子」をテーマにしたプレスセミナー(主催:メルクセローノ株式会社)が開催された。その中で、愛知県がんセンター中央病院 薬物療法部長/外来化学療法センター長である室 圭氏が、「大腸がんのさらなる『個別化治療』に向けて バイオマーカーとしての『RAS遺伝子』の可能性」と題して講演を行った。

脳卒中既往者の非心臓手術のタイミング/JAMA

 脳卒中既往患者への非心臓手術の実施リスクについて、とくに発作後9ヵ月未満で行った場合は有害転帰と関連することが明らかにされた。また9ヵ月超でも、脳卒中を起こしていない患者と比べるとリスクは高く一定のままであることも示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のMads E. Jorgensen氏らが、同国住民コホートで待機的非心臓手術を受けた約48万件の手術データを後ろ向きに解析し報告したもので、著者は「今回の結果は、今後のガイドラインにおいて時間依存的リスクに注意を払う必要があることの根拠になると思われる」とまとめている。JAMA誌2014年7月16日号掲載の報告より。