ピロリ菌感染や萎縮性胃炎が骨に与える影響について、海外ではいくつかの報告があるものの日本ではほとんど報告がない。
そこで、神戸薬科大学の水野 成人氏らは、50~60代の男性230人を対象とし、ピロリ菌感染や萎縮性胃炎が骨の状態を測るバイオマーカーとして有用かどうかを調べた。
その結果、ピロリ菌感染や萎縮性胃炎の血清学的診断は、骨粗鬆症のリスクアセスメントに有用であることがわかった。Digestive diseases and sciences誌オンライン版2015年2月8日の報告。
主な結果は以下の通り
・ピロリ菌は有意に海綿骨密度低下のリスクを増加させた。
(オッズ比:1.83、95%CI:1.04~3.21、p=0.03)
・萎縮性胃炎は有意に海綿骨密度低下のリスクを増加させた。
(同:2.22、1.17~4.22、0.01)
・ピロリ菌抗体陽性かつ萎縮性胃炎ありの被験者では、そうでない被験者と比較して、有意に海綿骨密度低下のリスクが高かった。
(同:2.65、1.27~5.55、0.01)
(ケアネット 有田衣里)