産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

大戦中の砂糖配給制の影響を胎児期に受けた人は糖尿病や高血圧が少ない

 第二次世界大戦中と終戦後しばらく、砂糖が配給制だった時期に生まれた人には、2型糖尿病や高血圧が少ないとする、米南カリフォルニア大学(USC)ドーンサイフ経済社会研究センターのTadeja Gracner氏らの研究結果が「Science」に10月31日掲載された。2型糖尿病リスクは約35%、高血圧リスクは約20%低いという。この結果は、現代の人々が砂糖のあふれた環境によって、いかに大きな健康被害を受けているかを示しているとも言えそうだ。  この研究では、第二次世界大戦中に英国で行われた砂糖配給制に焦点が当てられた。英国では1942年に砂糖が配給制となり、国民の砂糖摂取量は1日当たり平均40g(ティースプーンで約8杯分)となった。ちなみに、現在流通している一般的な加糖飲料の中には50gほどの砂糖が使われているものもある。英国の砂糖配給制は戦後もしばらく継続され、1953年9月になって終了した。それとともに砂糖の摂取量は平均80gへと倍増した。

局所進行子宮頸がんに対するペムブロリズマブ+同時化学放射線療法が承認/MSD

 MSDは、2024年11月21日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)が、局所進行子宮頸癌に対する同時化学放射線療法(CCRT)との併用について、国内製造販売承認事項一部変更の承認取得を発表した。  今回の承認は、未治療の国際産婦人科連合(FIGO)2014進行期分類のIB2~IIB期またはIII~IV A 期の局所進行子宮頸がん患者1,060例(日本人90例を含む)を対象とした国際共同第III相試験KEYNOTE-A18試験のデータに基づいたもの。

更年期にホットフラッシュの多い女性は糖尿病リスクが高い

 更年期にホットフラッシュや寝汗などの症状を頻繁に経験した女性は、その後、2型糖尿病を発症する可能性が高いことが報告された。米カイザー・パーマネンテのMonique Hedderson氏らの研究によるもので、「JAMA Network Open」に10月31日、レターとして掲載された。  更年期には、ホットフラッシュ(突然の体のほてり)や寝汗(睡眠中の発汗)など、血管運動神経症状(vasomotor symptoms;VMS)と呼ばれる症状が現れやすい。このVMSは肥満女性に多いことが知られており、また心血管代謝疾患のリスクと関連のあることが示唆されている。ただし、糖尿病との関連はまだよく分かっていない。Hedderson氏らは、米国の閉経前期または閉経後早期の女性を対象とする前向きコホート研究(Study of Women’s Health Across the Nation;SWAN)のデータを用いて、VMSと糖尿病リスクとの関連を検討した。

BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO

 乳がんと診断された男女2万5千例以上を対象とした研究で、BRCA1/2病的バリアント保持者における二次原発がんリスクの高さが明らかになった。英国・ケンブリッジ大学のIsaac Allen氏らによるJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年10月29日号掲載の報告より。  本研究では、1995~2019年に英国国民保健サービス(NHS)臨床遺伝学センターで乳がんと診断され、生殖細胞系列のBRCA遺伝子検査を受けた女性2万5,811例と男性480例について、二次原発がん診断、死亡、転移、対側乳房/卵巣手術の1年後または2020年12月31日まで追跡調査が行われた。

世界の死産率と新生児死亡率の傾向/Lancet

 2014年、UNICEFとWHOは、「すべての新生児のための行動計画(Every Newborn Action Plan:ENAP)」の中で、すべての国が2030年までに年間死産率(annual stillbirth rate:SBR)を出生1,000件当たり12件以下にするという絶対目標を表明している。米国・ワシントン大学のNicholas J. Kassebaum氏らGBD 2021 Global Stillbirths Collaboratorsは、近年、死産は世界的に徐々に減少しているものの、その数は依然としてかなり多く、とくに開発が遅れている国々に高度な負担が集中しているとの調査結果を報告した。研究の成果は、Lancet誌2024年11月16日号に掲載された。

妊娠超初期の薬剤中絶、有効性と安全性を確認/NEJM

 子宮内妊娠が確認される前の超初期における薬剤中絶は、子宮内妊娠が確認されるまで中絶を延期するという標準的なアプローチと比較して、完全な中絶に関して非劣性であることが示された。スウェーデン・カロリンスカ研究所のKarin Brandell氏らVEMA (Very Early Medication Abortion) Study Groupが、多施設共同無作為化非劣性対照試験の結果を報告した。ミフェプリストン・ミソプロストールによる薬剤中絶は、高い有効性と安全性が確認されている。しかしながら、妊娠が超音波検査で確認できる前の妊娠超初期での有効性および安全性のエビデンスは不十分であった。NEJM誌2024年11月7日号掲載の報告。

乳がん患者の妊娠・出産のためのタモキシフェン中断についてステートメント公表/日本がん・生殖医療学会

 日本がん・生殖医療学会では10月30日、「乳癌患者の妊娠・出産のためのタモキシフェン内服中断、そして最終投与からの望ましい避妊期間についてのステートメント」を公表した。2023年に初回報告されたPOSITIVE試験の結果に基づき、「一定期間タモキシフェンを内服したのちに、最長2年として内服を中断して妊娠・出産を試みる場合、短期的な予後への影響はないものと考えられる」とし、最終投与からの望ましい避妊期間について以下のように推奨をまとめている。

再発・転移子宮頸がんへのtisotumab vedotin、日本人でも有望な結果/日本癌治療学会

 再発・転移子宮頸がんに対する新規ADC・tisotumab vedotinは、担当医師の選択による化学療法と比較して全生存率を有意に改善したことが昨年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2023)で報告された。この国際共同第III相ランダム化非盲検試験innovaTV 301の日本人のサブグループの解析結果を、第62回日本癌治療学会学術集会(10月24~26日)において久留米大学の西尾 真氏が発表した。 ・対象:再発・転移子宮頸がん患者(化学療法+ベバシズマブ、抗PD-(L)1療法後に病勢進行) ・試験群:tisotumab vedotin(2.0mg/kg、3週ごと:TV群) 対照群:医師選択の化学療法(トポテカン、ビノレルビン、ゲムシタビン、イリノテカン、ペメトレキセド:CT群) ・評価項目: [主要評価項目]全生存期間(OS) [副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性

出産女性へのトラネキサム酸予防投与、出血リスクを軽減/Lancet

 出産する女性へのトラネキサム酸の予防投与はプラセボと比較して、生命を脅かす出血リスクを軽減することが認められ、血栓症のリスクを高めるというエビデンスは確認されなかった。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のKatharine Ker氏らAnti-fibrinolytics Trialists Collaborators Obstetric Groupが、無作為化比較試験のシステマティックレビューと個別被験者データ(IPD)を用いたメタ解析の結果で示した。トラネキサム酸は、臨床的に産後出血と診断された女性に推奨される治療薬であるが、出血を予防可能かについては不明であった。著者は、「出産するすべての女性にトラネキサム酸の使用を推奨するわけではないが、死亡リスクの高い女性では産後出血の診断前にトラネキサム酸の使用を検討すべきである」とまとめている。Lancet誌2024年10月26日号掲載の報告。

早期初潮がうつ病と関連〜メタ解析

 早期初潮とうつ病との関連におけるエビデンスには、一貫性がない。中国・北京師範大学のLing Jiang氏らは、早期初潮とうつ病との関連性を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2024年10月9日号の報告。  2024年6月17日までに公表された研究を複数のデータベースより検索した。プールされたエフェクトサイズを算出するため、ランダム効果モデルを用いた。