産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

ホルモン避妊法、脳梗塞・心筋梗塞のリスクは?/BMJ

 生殖年齢15~49歳の女性において、現在使用されているエストロゲン・プロゲスチンおよびプロゲスチン単剤による避妊法は、レボノルゲストレル放出子宮内避妊具を除き、虚血性脳卒中および一部の症例では心筋梗塞のリスク増加と関連していることが、デンマーク・Nordsjaellands HospitalのHarman Yonis氏らが同国居住の女性約203万例を対象に行った前向きコホート研究の結果で示された。著者は、「絶対リスクは低いが、臨床医はホルモン避妊法を処方する際、ベネフィットとリスクの評価に動脈血栓症の潜在的リスクを含めるべきである」と述べている。BMJ誌2025年2月12日号掲載の報告。

妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)

妊娠糖尿病患者が食事療法のみで血糖管理が困難になれば、インスリンを投与するのがゴールドスタンダードである。わが国では妊娠糖尿病に対するメトホルミン投与は禁忌であるが、米国での妊娠糖尿病患者の69%はメトホルミンまたはグリブリド(グリベンクラミドと同じ)が投与され、英国では薬物療法が必要となった妊娠糖尿病患者の59%にメトホルミンが投与されているとのデータがある。さらに英国のNICEガイドラインではメトホルミンが妊娠糖尿病に対する第一選択薬に推奨されている。

日本における妊娠中の抗うつ薬継続投与、約10年の変化は

 近年、複数の日本の学会より周産期の抗うつ薬治療に関する治療ガイドラインが発表されており、最新の動向や妊娠中の抗うつ薬継続投与を評価し、出産前抗うつ薬処方を最適化することが重要であると考えられる。東北大学の石川 智史氏らは、日本での2012〜23年における妊娠中の抗うつ薬処方の変化を評価した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2025年1月10日号の報告。  対象は、2012〜23年に日本で出産した女性。妊娠中の抗うつ薬処方率、傾向、継続性について、大規模行政レセプトデータを用いて評価した。年次変化は、出産時女性の年齢に合わせて調整された多変量ロジスティック回帰モデルを用いて評価した。

妊娠糖尿病、メトホルミン±SU薬vs.インスリン/JAMA

 妊娠糖尿病治療において、経口血糖降下薬(メトホルミンおよび必要に応じてグリベンクラミドを追加)は、インスリンと比較して、在胎不当過大児の出生割合に関する非劣性基準を満たさなかった。オランダ・アムステルダム大学医療センターのDoortje Rademaker氏らが、無作為化非盲検非劣性試験の結果を報告した。妊娠糖尿病のコントロールにおいて、メトホルミンおよびグリベンクラミドの単剤投与はインスリンの代替として使用されているが、これらの経口血糖降下薬による治療がインスリン単独の治療と比較して、周産期アウトカムに関して非劣性であるかどうかは明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2025年1月6日号掲載の報告。

出産後の抜け毛の量が育児中の不安に独立して関連

 出産後に抜け毛が多い女性は不安が強く、交絡因子を調整後にも独立した関連のあることが明らかになった。東京科学大学病院周産・女性診療科の廣瀬明日香氏らの研究によるもので、詳細は「The Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」に10月27日掲載された。  個人差があるものの、出産後女性の多くが抜け毛を経験し、一部の女性は帽子やかつらを使用したり外出を控えたりすることがあって、メンタルヘルスに影響が生じる可能性も考えられる。産後の脱毛症の罹患率などの詳細は不明ながら、廣瀬氏らが以前行った調査では、育児中女性の91.8%が「抜け毛が増えた」と回答し、73.1%がそれに関連する不安やストレスを感じていることが明らかにされている。今回の研究では、その調査データをより詳しく解析し、産後脱毛と育児中のメンタルヘルスとの関連を検討した。

ペムブロリズマブ、進行再発子宮体がんの1次治療に承認/MSD

 MSDは、2024年12月27日、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)が、進行再発子宮体がんに対する化学療法との併用療法において、国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを発表した。  今回の製造販売承認事項一部変更承認は、化学療法歴のない進行再発子宮体がん患者810例(日本人7例を含む)を対象に、ミスマッチ修復正常(pMMR)588例またはMMR欠損(dMMR)222例に分け、ペムブロリズマブ・化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)併用療法およびペムブロリズマブ単独維持療法の有用性を検討した国際共同第III相試験KEYNOTE-868/NRG-GY018試験の結果に基づいている。

一部の主要ながんによる死亡回避、予防が治療を上回る

 「1オンスの予防は1ポンドの治療に値する」は、米国の建国の父ベンジャミン・フランクリンの有名な格言の一つだが、がんに関してはそれが間違いなく当てはまるようだ。米国立がん研究所(NCI)がん対策・人口科学部門長のKatrina Goddard氏らによる新たな研究で、過去45年間に、がんの予防とスクリーニングによって子宮頸がんや大腸がんなど5種類のがんによる死亡の多くが回避されていたことが明らかになった。この研究の詳細は、「JAMA Oncology」に12月5日掲載された。

閉経後HRT(ホルモン補充療法)のビッグデータを用いたtarget trial emulation(標的模倣試験)の結果(解説:名郷直樹氏)

閉経後のホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)は、かつて観察研究で心血管イベントを減らすがランダム化比較試験では増やすという真逆の結果が報告され、多くの論争を呼んだ。結論としては、RCTでは閉経直後でない多くの患者が対象とされていたり、 ITT解析がなされていたりすることと、観察研究での実際に投与された患者での解析による選択バイアスや、観察研究では排除できない交絡によって、違いが出たとされている。さらに最近では、新しいホルモン製剤によるHRTが主流となっている現状もある。

鉄剤処方や検査・問診のポイント~「鉄欠乏性貧血の診療指針」発刊

 貧血の7割を占めるといわれる鉄欠乏性貧血。これに関し『鉄欠乏性貧血の診療指針』が2024年7月に発刊された。これまでに「鉄剤の適正使用による貧血治療指針」が2004年から2015年にわたり3回発刊されてきたが、近年では高用量の静注鉄剤をはじめとした新たな鉄剤が普及しつつあることから、鉄欠乏性貧血の診療の改訂が必要と判断され、このたび、タイトルを刷新して発刊に至った。そこで今回、診療指針作成のためのワーキンググループのメンバーである生田 克哉氏(北海道赤十字血液センター)に鉄欠乏性貧血を診断、治療するうえで知っておくべきポイントなどを聞いた。なお、本書は発刊1年後を目処に学会ウェブサイトへPDFとして掲載される予定だ。

更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ

 経口エストロゲン・プロゲスチン療法は、虚血性心疾患および静脈血栓塞栓症のリスク増加と関連していた。一方、tiboloneは、虚血性心疾患、脳梗塞、心筋梗塞のリスク増加と関連していたが、静脈血栓塞栓症とは関連していなかった。スウェーデン・ウプサラ大学のTherese Johansson氏らが、スウェーデン統計局、ならびに保健福祉庁の処方薬登録、全国患者登録、がん登録および死因登録のデータを用いて行った、無作為化比較試験(RCT)を模倣するtarget trialの結果を報告した。閉経後10年以上経過後または60歳を超えてからの経口エストロゲン・プロゲスチン療法開始は、心疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症のリスクが増加する可能性が示唆されているが、現行更年期ホルモン補充療法の心血管疾患リスクに関する研究は不足していた。BMJ誌2024年11月27日号掲載の報告。