産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:65

子宮頸部上皮内腫瘍の治療が産科アウトカムに及ぼす影響/BMJ

 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対する治療は、早産などの産科アウトカムを悪化させる可能性があることが、英国・インペリアルカレッジのMaria Kyrgiou氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年7月28日号に掲載された。子宮頸部の局所治療は早産や周産期合併症、死亡のリスクを増加させるが、円錐切除術の深さとの関連の可能性が示唆されている。治療が早産のリスクに及ぼす影響の検討結果には乖離が存在し、交絡因子としてCINが関与している可能性があるという。

早期抗レトロウイルス療法によるカップルのHIV-1伝播予防、5年超の効果/NEJM

 性的パートナーの一方でHIV-1感染陽性が認められた場合、すみやかに抗レトロウイルス療法(ART)が行われるようになったのは、HIV-1血清陽性・陰性者カップル間での伝播予防について検討したHPTN(HIV Prevention Trials Network)052試験の中間報告で、96%超の伝播予防効果が報告されたことによる(追跡期間中央値1.7年、2011年5月発表)。同研究について、追跡5年超の解析結果が、米国・ノースカロライナ大学のM.S. Cohen氏らによって発表された。早期治療群のカップル間伝播の低減効果が持続していることが確認されたという。NEJM誌オンライン版2016年7月18日号掲載の報告。

体外受精は乳がんリスクを増加させるか?/JAMA

 1980~95年にオランダで不妊治療を受けた女性を平均21年追跡し、乳がんリスクについて体外受精(IVF)療法群と非IVF療法群を比較したが、体外受精群のリスク増加はみられず、一般集団と比較しても乳がんリスクに有意な差はないことが示された。オランダがん研究所のAlexandra W. van den Belt-Dusebout氏らが、後ろ向きコホート研究「OMEGA」の結果、報告した。これまでにいくつかの研究で、IVFのため卵胞刺激を行った女性の乳がんリスク増加が報告されているが、追跡期間が短いなどの限界があり、結論は得られていなかった。今回の所見を受けて著者は、「IVF療法を受けた女性で乳がんリスクは増加しない」とまとめている。JAMA誌2016年7月19日号掲載の報告。

英国公的施設におけるダウン症候群のNIPT導入効果/BMJ

 ダウン症候群の精度の高いスクリーニング検査である、DNA解析データに基づく非侵襲的出生前検査(NIPT)について、その受け入れ状況、アウトカムおよびコストに関する調査が行われた。NIPTは、利用できる機会が世界的に広がっているが、主として行われているのは私的なマタニティ施設である。また、公的施設での実施コストやその影響について、臨床設定での評価は行われていなかった。本論文では、英国・UCL Institute of Child HealthのLyn S Chitty氏らが、同国8つのNHSマタニティ施設で調査。その結果、公的施設での付随的な実施は、ケアの質や女性の選択に関する改善などを可能にすることが明らかになったという。BMJ誌オンライン版2016年7月4日号掲載の報告。

更年期症状の緩和に植物ベース療法は有用?/JAMA

 植物エストロゲン含有サプリメントの利用は、更年期におけるホットフラッシュや膣乾燥の頻度をわずかだが低下する効果がある一方、寝汗は低下しない。オランダ・エラスムス大学医療センターのOscar H. Franco氏らによる、システマティックレビューとメタ解析の結果で、JAMA誌2016年6月21日号で報告している。西欧諸国の女性のうち40~50%が、更年期症状を緩和するため補完療法を用いているといわれる。研究グループは、植物ベース療法と更年期症状の関連を明らかにするため本検討を行った。

B型肝炎の母子感染予防、テノホビルが有効/NEJM

 B型肝炎e抗原(HBeAg)陽性で、HBV-DNA量20万IU/mL超の妊婦に対し、妊娠30~32週からテノホビル・ジソプロキシル・フマル酸塩(TDF)の経口投与を始めると、母子感染率は低下することが示された。米国・ニューヨーク大学のCalvin Q.Pan氏らが、妊婦200例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2016年6月16日号で発表された。