産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:75

妊婦への百日咳ワクチン接種は安全か/BMJ

 妊娠第3三半期の妊婦に対し百日咳ワクチンを接種しても、非接種妊婦に比べて死産のリスクは増大しないことが、英国医薬品庁(MHRA)のKatherine Donegan氏らの検討で示された。グラム陰性桿菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)に起因する百日咳は、初期症状は比較的軽いものの、とくに3ヵ月未満の幼児に重篤で致死的な合併症を引き起こす可能性がある。米国では、市販後調査で安全性に関する懸念が払拭された2011年以降、妊婦への接種が推奨されているが、接種率は現在も低迷しており、安全性に関するエビデンスは限られたものだという。BMJ誌オンライン版2014年7月11日号掲載の報告。

多嚢胞性卵巣症候群の不妊治療に福音/NEJM

 多嚢胞性卵巣症候群女性の無排卵性不妊の治療において、アロマターゼ阻害薬レトロゾール(商品名:フェマーラ)は標準治療に比べ生児出産率や排卵誘発率が良好であることが、米国・ペンシルベニア州立大学ハーシー医療センターのRichard S Legro氏ら国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)生殖医療ネットワークの検討で示された。本症は、欧米では肥満女性に多く、妊娠可能年齢女性の5~10%が罹患するとされ、無排卵性不妊の原因として最も頻度が高いという。不妊治療における標準的1次治療はクロミフェン(選択的エストロゲン受容体調節薬、商品名:クロミッドほか)であるが、アロマターゼ阻害薬はより良好な妊孕性をもたらす可能性が示唆されている。NEJM誌2014年7月10日号掲載の報告。

妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

 うつ症状を有する妊娠中の女性について、妊娠初期に血清ビタミンD値が低いほどそのリスクが高い逆相関の関連性があることがエビデンスとして示された。また同関連は、身体活動度によって修正可能であることも示された。米国・ワシントン大学のJonathan Y. Huang氏らが報告した。Journal of Women's Health誌オンライン版2014年6月11日号の掲載報告。

ADHD女性に対する薬物治療、その課題は

 英国・南エセックスパートナーシップ大学NHS財団トラストのFrank M C Besag氏は、出産可能年齢女性の注意欠如・多動症(ADHD)薬物治療に関する課題を提起した。ADHDに対する薬物治療が胎児や新生児に及ぼす影響に関する情報が少ないとしたうえで、治療継続あるいは治療中止が母子に及ぼす影響を慎重に考慮することの重要性を強調している。Drug Safety誌2014年6月号の掲載報告。

日本発! 大豆・イソフラボンの摂取は子宮内膜がん発症予防に関与するか

 日本人女性の集団ベース前向きコホート研究では、大豆やイソフラボンの摂取が子宮内膜がんの発症リスクを防ぐ関連性は認められないことが、国立がん研究センター・がん予防・検診研究センターのSanjeev Budhathoki氏らの報告によって明らかとなった。BJOG誌オンライン版2014年6月18日号掲載の報告。

高血圧患者の妊娠における周産期リスク解析から学ぶこと(コメンテーター:三浦 伸一郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(204)より-

高血圧患者が妊娠した場合(慢性高血圧の妊婦)の周産期リスクには、妊娠高血圧症候群ガイドライン2009にも掲載されているように加重型妊娠高血圧腎症、常位胎盤早期剥離、small for gestational age、周産期乳児死亡率・早産率の増加が挙げられている。