産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:79

膣脱への2つの手術、有効性、安全性は同程度/JAMA

 膣尖部脱と腹圧性尿失禁を有した女性に対する、2つの手術法(仙棘靭帯固定術:SSLF、仙骨子宮靱帯挙上術:ULS)および周術期介入(骨盤底筋訓練、BPMT)の有効性、安全性を検討した結果、術後2年時点のアウトカムは、SSLFとULSのいずれも解剖学的、機能的アウトカム、または重大イベントのアウトカムについて有意な差は示されなかったことが明らかにされた。また、BPMTによるアウトカム改善効果(6ヵ月の排尿症状、2年時点の膣尖部脱アウトカム)も示されなかった。米国・クリーブランドクリニックのMatthew D. Barber氏らが無作為化試験の結果、報告した。米国では骨盤臓器脱(子宮脱)に対する手術が年間30万件以上行われており、SSLFとULSはいずれも米国では一般的に行われているが、有効性、安全性についての比較検討、および周術期介入によるアウトカム改善効果についても明らかではなかった。JAMA誌2014年3月12日号掲載の報告より。

出生前検査、非侵襲的DNA検査は低リスク妊婦でも優れる/NEJM

 低リスクを含む一般妊婦集団を対象に、出産前DNA検査について、大量並列塩基配列決定法による母体血漿無細胞DNA検査(cfDNA検査)と標準的スクリーニングの検出力を比較検討した結果、同集団でもcfDNA検査群のほうが、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)の偽陽性率は有意に低く、陽性適中率は有意に高いことが明らかにされた。米国・タフツ大学病院のDiana W. Bianchi氏らが、全米14州21施設から登録された妊婦1,914例を対象とした検討の結果、報告した。非侵襲的な出生前検査であるcfDNA検査は、高リスク妊婦においては胎児の常染色体異数性を正確に検出することが知られる。しかし、低リスク妊婦における同検出力については不明であった。NEJM誌2014年2月27日号掲載の報告より。

母乳育児はとくに男子で7~8歳時の肥満を防ぐ~日本全国4万人の前向き研究

 国立成育医療研究センター 成育社会医学研究部では、日本の全国的な前向きコホート研究における4万人以上のデータから、母乳栄養が小児期後期での過体重や肥満に及ぼす効果を調査した。その結果、母乳栄養は部分的もしくは短期間であっても、とくに男児において、小児期後期における過体重や肥満の潜在的予防効果があることが示唆された。Obesity誌オンライン版2014年3月4日号に掲載。

「案ずるより産むが易し」とはいうけれど・・・(コメンテーター:後藤 信哉 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(183)より-

 女性にとって出産は人生の一大イベントである。母子ともに無事であることは社会全体の一致した願いである。しかし、「願い」と「事実」の間には解離がある。科学は感情とは無関係に事実を明らかにする。心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症)は前触れなしに突然発症する。心筋梗塞、肺塞栓症であれば発症後1時間後に死亡しても不思議はない。脳梗塞になれば発症後速やかに生涯に渡る麻痺という運命が決まってしまう。突然発症し、不可逆的な血栓イベントを避けたい気持ちは医師、患者、社会が共有している。

出産後の血栓イベント、高リスクはいつまで?/NEJM

 出産後の血栓イベントリスクは、少なくとも12週間は有意に高く続くことが明らかにされた。ただし、6週以降の絶対リスクの増加は小さいことも判明した。産後の女性は、血栓イベントリスクが増大することが知られている。米国・コーネル大学のHooman Kamel氏らは、その期間について、従来定義されている6週間以降どの程度継続するかを明らかにするため、後ろ向きクロスオーバーコホート研究を行った。NEJM誌オンライン版2014年2月13日号掲載の報告より。

統合失調症女性の妊娠・出産、気をつけるべきポイントは

 統合失調症の女性の妊娠・出産では、母体および出生児が複数の有害アウトカムを有するリスクが高いことが明らかにされた。カナダ・トロント大学のSN Vigod氏らが、後ろ向き住民コホート研究の結果、報告した。本検討は、多くの統合失調症を有する女性が妊娠するようになっており、母体および出生児のアウトカムに関する最新のデータが必要になっていたことから行われた。結果を踏まえて著者は、「注目すべきことは、健康格差を減らすための介入である」と提言している。BJOG誌オンライン版2014年1月21日号の掲載報告。

心血管疾患リスク、妊娠第1期の発育が重要/BMJ

 妊娠第1期の胎児頭殿長が大きいほど、小児期の心血管リスクは低いことが、約1万2,000例の妊婦の胎児を対象にした前向きコホート試験の結果、明らかになった。オランダ・エラスムス大学医療センターのVincent W V Jaddoe氏らが報告した。出生時体重が小さいと、成人してからの心血管疾患リスクが増大することは知られていたが、胎児または乳児のどの時期が重要なのかは不明だった。今回の結果を踏まえて著者は、「胎児期早期が後年の心血管系の健康に関して重要な時期のようだ」と述べている。BMJ誌オンライン版2014年1月23日号掲載の報告。