感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:124

モデルナ製ワクチン、現時点でアナフィラキシー・死亡例なし/厚労省

 厚生労働省は6月9日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で、5月21日に承認されたモデルナ社のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」による副反応の報告事例を初めて公表した。それによると、国内での接種が始まった5月22日から30日までの時点で17例の副反応が疑われる症状が報告されていた。いずれも症状の程度は「重くない」と評価され、アナフィラキシーや死亡例は確認されなかった。  公表資料によると、5月22~30日における「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」の推定接種者数は、9万241人だった。このうち、49~96歳の男女計17例でワクチン接種による副反応が疑われる症状が医療機関から報告されたという(報告頻度は0.02%)。17例いずれも接種当日に単独もしくは複数の症状が発生しており、皮疹・発疹・紅斑(3例)、血管迷走神経反射、頭痛、浮動性めまい、動悸、そう痒症(各2例)、過敏症、異常感、感覚異常、血圧上昇、悪心・嘔吐、羞明、冷感、咽頭刺激感、口腔咽頭不快感、蕁麻疹(各1例)が報告された。

ファイザー製ワクチン、12~15歳への第III相試験結果/NEJM

 12~15歳の思春期児において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の安全性プロファイルは良好で、抗体反応は16~25歳よりも上回り、同年代で観察された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン有効率は100%と、高い有効性が示された。米国・シンシナティ小児病院のRobert W. Frenck Jr氏らが、進行中の第III相国際無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。ごく最近まで、新型コロナウイルスワクチンは、16歳未満児への使用は認められていなかった。NEJM誌オンライン版2021年5月27日号掲載の報告。

コロナ関連急性呼吸不全の呼吸管理:高流量鼻腔酸素or ヘルメット型非侵襲換気?(解説:山口佳寿博氏)-1402

新型コロナ感染症に惹起された急性低酸素性呼吸不全(ARDS)の病理/形態、分子生物学的異常は、本感染症が発生した2020年の早い段階で明らかにされた(Ackermann M, et al. N Engl J Med. 2020;383:120-128., 山口. CLEAR!ジャーナル四天王-1265)。その結果、コロナARDSの病理/形態学的特徴は;(1)ARDSの通常所見としてのDiffuse alveolar damage(DAD)、(2)特異的所見として、血管内皮細胞炎(Endothelialitis)、血管増生賦活遺伝子と抑制遺伝子の不均衡に起因する著明な血管増生(Angiogenesis)を伴う肺微小循環血栓形成(TMA:Thromboembolic microangiopathy)であることが判明した。

ワクチン接種前の屋内大規模ライブ、抗原検査と予防策で感染者なし

 COVID-19感染拡大を防ぐため、多くの国で屋内での集団イベントが禁止され、経済に大きな影響を与えてきた。2020年年末にスペインで行われた、迅速抗原検査(Ag-RDT)を使った予防策の有効性を評価した試験の結果が、The Lancet Infectious Diseasesオンライン版2021年5月27日号に掲載された。  試験はスペイン・バルセロナのライブ会場で開催され、参加者登録はコンサート当日(2020年12月12日)午前中に行われた(この時点でのスペインのワクチン接種率はほぼ0%:編集部注)。鼻咽腔検体を使ったAg-RDT検査で陰性だった成人1,047例を5時間のイベントに参加する群と、帰宅して通常生活に戻る群に無作為に割り付け(年齢・性別で層別して無作為化)、イベント参加群465例、対照群495例を最終解析の対象とした。

コロナワクチン後の抗体価、上がりやすい因子と上がりにくい因子/千葉大

 千葉大学病院は6月3日、ファイザー社の新型コロナワクチンを2回接種した同病院の職員1,774人の抗体価を調べたところ、ほぼ全員で抗体価の上昇が見られ、同ワクチンの有効性が確認されたと発表した。千葉大によると、ワクチンへの抗体反応を調べる研究としては現時点で最大規模と見られるという。  本研究は、千葉大学医学部附属病院と千葉大学医学研究院が連携して設置した「コロナワクチンセンター」で実施された。ファイザー社の新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を接種した同院職員を対象とし、1回目接種前および2回目接種後に各々採取した血液から抗体価を測定した。

遺伝子ワクチン接種後の新たな変異株感染(Breakthrough Infection)は何を意味するか?(解説:山口佳寿博氏)-1401

米国においては、2020年12月中旬よりFDAが承認した3種のワクチン(Pfizer:BNT162b2、Moderna:mRNA-1273、Johnson & Johnson:Ad26.COV2.S)の接種が急ピッチで進められており、2021年5月28日現在、18歳以上の米国成人の62%、12歳以上の国民の59%が少なくとも1回のワクチン接種を、18歳以上の51%、12歳以上の48%が完全なワクチン接種(BNT162b2:2回接種、mRNA-1273:2回接種、Ad26.COV2.S:1回接種)を終了している(The New York Times. 2021年5月28日)。ただし、血栓形成という特殊副反応のためにAd26.COV2.Sの接種が2021年4月13日から4月23日までの間中止されたので、本ワクチンの接種率は他の2つのワクチンに比べ低い。上記のデータは、ワクチンによる疑似感染が集団免疫の確立に必要な最低感染率40%を超過し(山口. 日本医事新報 2020;5026:26-31)、米国は現時点でワクチン疑似感染による集団免疫を確立しつつある国だと考えることができる。その結果、2021年1月中旬以降、米国のコロナ感染者数、入院者数、死亡者数は順調に低下し、感染者数は2週間平均で37%、入院者数は23%、死亡者数は12%と明確な低下を示している。

国内コロナ患者へのCT検査実施率とVTE発症の実態は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者での血栓症が世界的に報告されている。日本国内でもその状況を把握するために種々のアンケート1)2)が実施されてきたが、発症率や未診断症例(under-diagnosis)に関する詳細は不明であった。そこで、京都大学の山下 侑吾氏らは画像診断症例を対象にCOVID-19症例の静脈血栓塞栓症(VTE)発症の実態を正確に調査するレジストリ研究を実施した。その結果、以下4点が明らかになった。

新型コロナウイルスの感染性高める抗体を発見/大阪大

 大阪大学の荒瀬 尚教授ら研究グループは5月24日、COVID-19 患者由来の抗体解析により、新型コロナウイルスへの感染によって、感染を防御する中和抗体だけでなく、逆に感染性を高める「感染増強抗体」が産生されていることを発見したと発表した。感染増強抗体が新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の特定の部位に結合することで、抗体が直接スパイクタンパク質の構造変化を引き起こし、その結果、新型コロナウイルスの感染性が高くなるというメカニズムで、この感染増強抗体が中和抗体の感染防御作用を減弱させることもわかった。Cell誌オンライン版2021年5月24日号掲載の報告。

コロナワクチン接種の最新版手引き、対象拡大やモデルナが追記/厚労省

 厚生労働省は6月1日付で、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(3.0版)」を公開した。今回の改版では、ファイザー社のワクチン接種対象者が「16歳以上」から「12歳以上」へ変更となったことや、や、5月21日に特例承認されたモデルナ社のコロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)「COVID-19ワクチンモデルナ筋注」についての記載などが追記された。  本改版の改訂内容は以下のとおり。 ・ファイザー社のワクチンのドライアイスを用いた保管方法について削除 ・ファイザー社のワクチンが2~8℃で1ヵ月保管可能になったことに伴う改訂 ・ファイザー社のワクチンの対象者が12歳以上の者になったことに伴う改訂 ・接種単価、超低温冷凍庫の適正使用、武田/モデルナ社のワクチン、基礎疾患を有する者の確認方法、電話や情報通信機器を用いた診療の活用、意思確認を行うことが難しい場合の対応、保冷バッグの取扱い、在宅療養患者等に係る対応、副反応疑い報告についての追記

中国のコロナワクチン2種、初の第III相試験中間解析/JAMA

 中国で開発された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化ワクチン2種の、第III相二重盲検無作為化試験の事前規定中間解析の結果が、アラブ首長国連邦・Abu Dhabi Health Services CompanyのNawal Al Kaabi氏らによって発表された。試験は中国Sinopharmの子会社であるChina National Biotec Group(CNBG)に属する武漢生物製品研究所と北京生物製品研究所がデザインし、中東4ヵ国で被験者を集めて行われた。中間解析にはうち2ヵ国(アラブ首長国連邦とバーレーン)の被験者4万例超のデータが包含された。ワクチンの症候性COVID-19に対する予防効果はプラセボ接種の対照群と比較し72.8~78.1%であり、重篤な有害事象発生率は0.4~0.5%で対照群と同等だったという。JAMA誌オンライン版2021年5月26日号掲載の報告。