内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:231

小児市中肺炎、退院後の経口アモキシシリン投与量と期間/JAMA

 救急部門または入院病棟から退院(48時間以内)した市中肺炎の小児患者において、外来での経口アモキシシリン投与は、低用量群は高用量群に対して、また3日間群は7日間群に対して、いずれも非劣性であることが示された。英国・ロンドン大学セントジョージ校のJulia A. Bielicki氏らが、患児824例を対象に行った多施設共同2×2要因デザイン非劣性無作為化試験の結果を報告した。なお著者は、「今回の試験結果の解釈については、重症度、治療環境、抗菌薬投与歴、非劣性マージンの受容性について考慮する必要がある」と指摘している。JAMA誌2021年11月2日号掲載の報告。

医師の生命保険の年間払込額、3割は10万円以下/会員アンケート結果

 10月にCareNet.comにて医師の『生命保険の加入状況に関するアンケート』を実施した結果、9割超の医師が何らかの生命保険に加入し、医師の生命保険加入者の約3割の年間払込額が10万円以下であることが明らかになった。また、重粒子線治療などが支払い対象となる「先進医療特約」については加入者の4割が申し込んでいた。  生命保険文化センターが行った一般家庭における「2021年度生命保険に関する全国実態調査(速報版)」によると、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%、そのうち医療保険の加入率は93.6%だった。また、世帯の普通死亡保険金額は平均2,027万円、世帯年間払込保険料は平均37.1万円であることが明らかになった。

中和抗体薬の発症抑制での投与時の注意など、コロナ薬物治療の考え方10版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、11月4日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第10版」をまとめ、同会のホームページで公開した。  今回の改訂では、前回9版以降の新しい知見などの追加のほか、中和抗体薬カシリビマブ/イムデビマブに関しての追記が行われた。  主な改訂点は下記の通りである。 ●抗ウイルス薬 レムデシビル 入手方法につき2021年10月18日より一般流通が開始されたこと。 ●中和抗体薬 カシリビマブ/イムデビマブ 【海外での臨床報告の追加】 96時間以内に感染者と家庭内接触のあった被験者1,505例を対象としたランダム化比較試験で、カシリビマブ/イムデビマブの単回皮下投与により、発症に至った被験者の割合は、本剤群11/753例、プラセボ群59/752例であり、プラセボと比較し、発症のリスクが81.4%有意に減少。

Webベースの認知症BPSDケアプログラムの普及促進のために

 COVID-19パンデミックとその結果引き起こされたソーシャルディスタンスの順守は、認知症患者の精神神経症状を誘発する可能性があるといわれている。東北大学の中西 三春氏らは、認知症の精神神経症状に対応するためのWebベースの心理社会的介入プログラムの有効性およびWebベースツールを利用する認知症介護者に対するeラーニングトレーニングコースの有用性を評価した。JMIR Medical Education誌2021年10月12日号の報告。  本研究は、東京において準実験的研究として実施された。eラーニングコースは、2020年7月~12月に専門の介護者に対し3回実施した。コースを修了した介護者は、認知症患者の精神神経症状レベルを評価するため、Webベースツールを介したNeuropsychiatric Inventory(NPI)合計スコアを用いた。主要アウトカムは、2021年3月までNPI評価のフォローアップを実施した介護者数およびベースラインから最新の評価までのNPIスコアの変化とした。2019年7月~2020年3月に対面によるトレーニングコースを完了した専門の介護者を対照群とし、情報を入手した。

ファイザーの経口コロナ治療薬、入院・死亡リスク89%減

 米国・ファイザーは11月5日付けのプレスリリースで、同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規経口治療薬であるPF-07321332・リトナビル配合剤(商品名:Paxlovid)について、入院していない成人のCOVID-19高リスク患者を対象にした第II/III相試験(EPIC-HR試験)の中間解析で、発症3日以内に治療を開始した場合、プラセボと比較して入院または死亡のリスクが89%減少したことを発表した。28日目までの全試験集団において、プラセボ投与群の死亡が10例に対して、本剤投与群で死亡例はなかったという。EPIC-HR試験の中間解析結果を受け、同社はこの研究への追加登録を中止し、今後米国での緊急使用許可を目指してFDAへ速やかにデータを提出する予定。

子供へのマスクはどうするの?疑問に回答/成育医療研究センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は社会生活を混乱させただけでなく、子供たちの日常も奪った。12歳未満の子供にはCOVID-19ワクチンの接種も、現在わが国ではできないことから、今後の感染の増加について子供の保護者や学校関係者などは危惧をしている。また、この時期に妊娠した妊婦は情報が少ない中での生活に不安を抱えている。  こうした不安や心配の声に応えるべく国立成育医療研究センター(理事長:五十嵐 隆氏)は、11月5日に同センターのホームページに「コロナ禍の今、あらためて伝えたいお子さんと妊婦さんのためのQ&A」を公開し、COVID-19やそれ以外の感染症対策や症状、こころの問題について、情報発信を開始した。

認知症の焦燥性興奮にミルタザピンの効果は?/Lancet

 ミルタザピンは、欧州で高齢者や認知症患者に最も一般的に処方されているノルアドレナリン作動性/特異的セロトニン作動性抗うつ薬である。英国・プリマス大学のSube Banerjee氏らは、「SYMBAD試験」において、認知症患者の焦燥性興奮の治療におけるミルタザピンの効果について検討し、プラセボと比較して有効性は認められず、確定的ではないものの死亡率を高める可能性があることを示した。研究の詳細は、Lancet誌2021年10月23日号に掲載された。  研究グループは、認知症患者の焦燥性興奮の治療におけるミルタザピンの有効性と安全性の評価を目的に、英国の国民保健サービス(NHS)下の26の施設で二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムの助成を受けた)。  対象は、非薬物療法に反応しない焦燥性興奮がみられるアルツハイマー型認知症(probableまたはpossible)で、コーエン・マンスフィールド焦燥評価票(CMAI)スコアが45点以上の患者であった。

変異株流行期はワクチン接種率高くても制限解除は難しい?/Lancet

 集会の中止・禁止や教育施設の閉鎖、出入国制限、個人の移動制限、都市封鎖、個人用保護具の供給量増などの非医薬品介入(NPI)時期とワクチン接種状況とのバランスを慎重に調整すれば、NPIの緩和が原因となる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者急増のリスクは大幅に軽減される可能性があるものの、デルタ変異株については、ワクチン接種率が高くても、イングランドでの入院や死亡の再急増(第3波)を招くことのないNPIの全面解除はできなかった可能性があることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRaphael Sonabend氏らが実施した数理モデル解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年10月27日号に掲載された。  研究グループは、英国のコロナ対策ロードマップ、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のデルタ変異株の影響、および将来に起こりうる感染流行の軌跡を評価する目的で、疫学的数理モデルを用いた後ろ向き研究を行った(英国国立健康研究所[NIHR]などの助成を受けた)。

ロナプリーブがコロナ発症抑制に適応追加、投与対象は?

 厚生労働省は11月5日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として今年7月、国内における製造販売を承認した「ロナプリーブ」について、患者との濃厚接触者および無症状のSARS-CoV-2陽性者の発症抑制を目的とした使用を新たに認めた(適応追加の特例承認)。併せて、すでに承認されているCOVID-19治療においても、静脈内投与が困難な場合に皮下投与が可能となった。ただ、予防投与の対象は、ワクチン未接種またはワクチンによる効果が不十分な濃厚接触者または無症状の陽性者(いずれも原則として重症化リスク因子を有する人)と限定的になっている。また、発症予防の基本はワクチン接種であり、添付文書には同薬剤が「ワクチンに置き換わるものではない」と明記されている。

ミュー変異株、ワクチン接種者が持つ中和抗体にきわめて高い抵抗性/NEJM

 新型コロナウイルスの注目すべき変異株の1つであるミュー株(B.1.621系統)が、新型コロナウイルスに感染した人およびワクチン接種した人の血清に含まれる中和抗体に対し、きわめて高い抵抗性を示したことが明らかになった。本結果は東京大学医科学研究所の佐藤 佳氏らの研究によるもので、NEJM誌オンライン版2021年11月3日号のCORRESPONDENCEに掲載された。  ミュー株の発生源はコロンビアで、最初に分離されたのは2021年1月11日。2021年8月30日時点で南米諸国など39ヵ国から検出されている。  本試験では、ミュー株のスパイクタンパク質を有するシュードウイルスと、従来株の新型コロナウイルスに感染した人の回復後の血清(13例)、およびファイザー製ワクチン接種を完了した人の血清(14例)を用いた中和試験を実施。その結果、ミュー株は従来株に比して、感染者が持つ中和抗体に対して10.6倍、ファイザー製ワクチン接種者が持つ中和抗体に対して9.1倍の抵抗性を示した。これにより、ミュー株はベータ株よりも高い抵抗性を有する、既存の変異株の中で最も抵抗性の高い変異株であることが明らかとなった。