内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:247

糖尿病薬物治療で最初に処方される薬は/国立国際医療研究センター

 糖尿病の治療薬は、さまざまな種類が登場し、患者の態様に合わせて治療現場で処方されている。実際、2型糖尿病患者に対して最初に投与される糖尿病薬はどのような治療薬が多いのだろうか。  国立国際医療研究センターの坊内 良太郎氏らのグループは、横浜市立大学、東京大学、虎の門病院の協力のもとこの実態について全国規模の実態調査を実施した。調査の結果、最初の治療薬としてDPP-4阻害薬を選択された患者が最も多く、ビグアナイド(BG)薬、SGLT2阻害薬がそれに続いた。

旅行制限などの緩和に求められるコロナワクチン接種率~モデリング研究

 SARS-CoV-2拡大抑制のためにさまざまな公衆衛生的・社会的対策(PHSM)が実施されているが、PHSMの緩和に関する政策立案は非常に難しい。中国・香港大学のKathy Leung氏らは、ワクチンの集団接種により、国内および世界でのCOVID-19の蔓延を悪化させることなく、旅行制限やその他のPHSMをどの程度緩和できるかをモデリング研究で検討した。Lancet Public Health誌オンライン版2021年8月10日号に掲載。

塩野義のコロナワクチン、日本人I/II相臨床試験で初回投与後の安全確認

 塩野義製薬は8月24日、同社が開発している新型コロナウイルスワクチン(S-268019)について、アジュバントを変更した新製剤による国内第I/II相臨床試験における全被験者60例への初回投与が8月19日までに完了したことを発表した。初回投与3日後までに生じた副反応は、いずれも軽度~中等度であり、安全性への懸念は確認されていないという。  塩野義製薬のコロナワクチン「S-268019」は、昆虫細胞とバキュロウイルスを組み合わせたタンパク発現技術であるBEVS (Baculovirus Expression Vector System)を活用した遺伝子組換えタンパクワクチンで、2020年12月より第I/II相臨床試験を開始。その後、検討結果や集積された知見を踏まえ、アジュバントを変更した新製剤で2021年7 月末より日本人成人を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験を新たに実施している。本試験では、20~64歳の日本人の男女60例を対象とし、同ワクチンを3週間間隔で2回接種した際の副反応などの安全性、忍容性および免疫原性の結果から、抗原タンパク量の低減化を含め至適な用量を検討すると共に、それぞれの指標について接種後1年間の追跡評価を実施する予定。

新型コロナの唾液PCR検査、無症候者へは推奨できない?/JAMA

 鼻咽頭スワブによるリアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR法)は新型コロナウイルス検出のための標準検査として行われているが、唾液を用いたPCR法は鼻咽頭によるPCR法より簡便であることから診断・スクリーニングにおいて魅力的な代替手段である。現に日本国内においても帰省や出張の前に検査を希望する人らが市販の唾液PCR検査キットに依存する傾向にある。しかし、米国・Children’s Hospital Los AngelesのZion Congrave-Wilson氏らが調査した結果によると、唾液を用いたPCR法(以下、唾液PCR法)は、感染初期の数週間に有症状の人の新型コロナウイルスを検出するには感度が高かったものの、無症候性の新型コロナウイルスキャリアの感度はすべての時点で60%未満だった。このことから、同氏らは無症候性感染者の唾液の感度低下を踏まえ、無症候感染者には唾液PCR法を新型コロナのスクリーニングに使用すべきではないと示唆している。JAMA誌オンライン版2021年8月13日号のリサーチレターでの報告。

日本人高齢者における慢性疾患治療薬の使用と新規抗認知症薬使用との関連

 新たに抗認知症薬が使用された高齢者において、慢性疾患に対する治療薬の使用状況がその後の認知症発症に影響を及ぼすかについて、東京都健康長寿医療センターの半田 宣弘氏らが、調査を行った。BMJ Open誌2021年7月15日号の報告。  首都圏の患者を対象としたレトロスペクティブコホート研究を実施した。対象は、2012年4月~6月(バックグラウンド期間)に抗認知症薬を使用していなかった柏市在住の77歳以上の高齢者4万2,024人。主要アウトカムは、2015年3月までのフォローアップ期間中の新規抗認知症薬の使用とした。対象者は、年齢別に77~81歳(1群)、82~86歳(2群)、87~91歳(3群)、92歳以上(4群)に分類した。年齢、性別に加え、バックグラウンド期間に使用していた14セットの薬剤を共変量とし、Cox比例ハザードモデルを用いて分析した。

歯周病の予防・治療で良好な血糖コントロールと合併症予防をめざす/日本糖尿病学会

 糖尿病では、合併症として腎障害、網膜症、末梢神経障害などは注意すべき疾患としてよく知られている。しかし、歯周病など口腔疾患はあまり注意喚起されることが多くない。食事療法で大切な入り口となる口腔内疾患と糖尿病の関係について、第64回日本糖尿病学会年次学術集会(会長:戸邉 一之[富山大学])の教育講演で成瀬 桂子氏(愛知学院大学歯学部内科学講座)が、「糖尿病併存疾患としての歯周病」をテーマに講演を行った。  歯周病とは、歯周組織に原発し、歯周組織を破壊する疾患の総称であり、歯肉炎と歯周炎に大別される。歯肉炎は、歯頚部に付着する細菌の塊であるプラーク(歯垢)により引き起こされる。歯肉炎は歯肉組織に限局した炎症であり、可逆性であるが、歯周炎は歯肉に初発した炎症が、セメント質、歯根膜および歯槽骨などの深部歯周組織に波及した慢性炎症である。

百貨店など大型商業施設でのクラスターの共通所見と対策/感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のいわゆるデルタ株の拡大で、百貨店やショッピングセンターなどの大規模商業施設のスタッフ間のクラスター感染が報告されている。生活に密着する施設での発生から今後のさらなる感染拡大が懸念されている。  この状況を受け、国立感染症研究所実地疫学研究センターは、現時点での、クラスターの発生原因に関する共通すると思われる代表的な所見を提示し、共通する対策に関して提案を行った。

コロナワクチン接種後の脳静脈血栓症、VITT併存で重症化/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種後の脳静脈血栓症は、ワクチン起因性免疫性血栓性血小板減少症(VITT)が併存すると、これを伴わない場合に比べより重症化し、非ヘパリン抗凝固療法や免疫グロブリン療法はVITT関連脳静脈血栓症の転帰を改善する可能性があることが、英国・国立神経内科・脳神経外科病院のRichard J. Perry氏らCVT After Immunisation Against COVID-19(CAIAC)collaboratorsの調査で示された。研究グループは、これらの知見に基づきVITT関連脳静脈血栓症の新たな診断基準を提唱している。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年8月6日号で報告された。

新「内科専門医」と「総合内科専門医」、年代・診療科別の取得予定は?医師1,000人に聞きました

 9月に実施が予定されていた「総合内科専門医」試験は来年度に延期となったが、新「内科専門医」試験は2021年7月に初めて実施され、従来の「認定内科医」試験は6月が最後の試験となった。今後の取得予定について、医師たちはどのように考えているのか? CareNet.comの内科系診療科の会員医師1,000人を対象にアンケートを行った(2021年度総合内科専門医試験について延期発表前の2021年8月12日~13日実施)。  回答者の属性としては、30代が35.6%と最も多く、40代(26.6%)、50代(20.5%)と続いた。既取得の認定医・専門医・指導医資格としては「内科認定医」が最も多く、60%以上が取得していた。総合内科専門医についても約36%の医師が既取得であり、約14%が内科指導医資格を有していた。

異種ワクチン接種、AZ/ファイザーとファイザー/AZの有効性と安全性/Lancet

 アデノウイルスベクターワクチン(ChAdOx1 nCoV-19、AstraZeneca製、ChAd)とmRNAワクチン(BNT162b2、Pfizer-BioNTech製、BNT)の異なるワクチンを用いた接種法について、BNT/ChAd接種法はBNT/BNT接種法に対する非劣性基準を満たさなかったが、BNT/ChAdおよびChAd/BNTの2つの異種接種法はいずれもChAd/ChAd接種法と比べて、SARS-CoV-2抗スパイクIgG値が高く、COVID-19疾患および入院に対して有効であることが示された。英国・オックスフォード大学のXinxue Liu氏らが同種vs.異種COVID-19ワクチンプライムブースト接種法の安全性と免疫原性を検討した参加者盲検無作為化非劣性試験「Com-COV試験」の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「ChAd/ChAdと比べてBNT/ChAdの免疫原性は高いことに加えて、今回の試験データは、ChAdおよびBNTを用いた異種プライムブーストワクチン接種を柔軟に行うことを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2021年8月6日号掲載の報告。