米国・CDCの研究で、18歳未満のCOVID-19患者において、SARS-CoV-2感染後30日以降における糖尿病発症率が増加することが示唆された。CDCのCOVID-19 Emergency Response TeamのCatherine E. Barrett氏らが、Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2022年1月14日号に報告した。
COVID-19は糖尿病患者において重症となるリスクが高い。また、欧州ではパンデミック中に小児における1型糖尿病診断の増加および糖尿病診断時の糖尿病ケトアシドーシスの頻度増加と重症度悪化が報告されている。さらに成人においては、SARS-CoV-2感染による長期的な影響として糖尿病が発症する可能性が示唆されている。
CDCでは、SARS-CoV-2感染後30日以降に糖尿病(1型、2型、その他)と新規に診断されるリスクを調べるため、2020年3月1日~2021年2月26日のIQVIAのヘルスケアデータを用いて構築した後ろ向きコホートから、18歳未満のCOVID-19患者の糖尿病発症率を推定し、パンデミック中にCOVID-19と診断されなかったかパンデミック前にCOVID-19以外の急性呼吸器感染症と診断された患者で年齢・性別が一致した患者の発症率と比較した。さらに、COVID-19に関連する可能性がある外来診察患者を含むデータソース(HealthVerity、2020年3月1日~2021年6月28日)で分析した。
その結果、糖尿病発症率は、COVID-19患者のほうがCOVID-19患者以外(IQVIAでのハザード比[HR]:2.66、95%信頼区間[CI]:1.98~3.56、HealthVerityでのHR:1.31、95%CI:1.20~1.44)およびパンデミック前にCOVID-19以外の急性呼吸器疾患と診断された患者(IQVIAでのHR:2.16、95%CI:1.64~2.86)より有意に高かった。
(ケアネット 金沢 浩子)