内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:333

内視鏡検査・治療法の選択肢広がる―『大腸ポリープ診療ガイドライン2020』

 日本人のがん死亡数を部位別にみると、大腸がんは女性で1位、男性で3位となっている(男女合わせると第2位)。 早期発見・早期の適切な治療により完治を目指せるが、欧米諸国と比較すると検診受診率が大幅に低く、死亡数は増加が続いている。今年6月に6年ぶりに改訂された日本消化器病学会編『大腸ポリープ診療ガイドライン2020』(改訂第2版)では、新たなスクリーニング手法として大腸カプセル内視鏡検査、内視鏡治療法としてcold snare polypectomy(CSP)が加わり、検査・治療における選択肢が広がっている。ガイドライン作成委員長を務めた田中 信治氏(広島大学病院内視鏡診療科 教授)に、大腸ポリープ診療ガイドライン2020の改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。  今回の大腸ポリープ診療ガイドライン2020の改訂ではCQ(clinical question)として推奨文を明記するのは「診療において複数の選択肢がある」18項目に絞り、すでに結論が明らかなものはBQ(background question)として整理された(57項目)。また、エビデンスが存在せず、今後の研究課題であるものとして3項目のFRQ(future research question)が設定されている。

高齢者の転倒・骨折予防、スクリーニング+介入は有効か/NEJM

 高齢者の転倒による骨折の予防において、郵送での情報提供に加え、転倒リスクのスクリーニングで対象を高リスク集団に限定した運動介入または多因子介入を行うアプローチは、郵送による情報提供のみと比較して骨折を減少させないことが、英国・エクセター大学のSarah E. Lamb氏らが行った無作為化試験「Prevention of Fall Injury Trial」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2020年11月5日号で報告された。高齢者における転倒の発生は、地域スクリーニングとその結果を考慮した予防戦略によって抑制される可能性があるが、英国ではこれらの対策が骨折の発生、医療資源の活用、健康関連QOLに及ぼす効果は知られていないという。

高血圧や2型DM合併の肥満、オンラインプログラム+PHMが有効/JAMA

 高血圧または2型糖尿病を有する過体重/肥満の患者では、プライマリケア施設による集団健康管理(population health management:PHM)とオンライン体重管理プログラムを組み合わせたアプローチは、オンラインプログラム単独および通常治療単独と比較して、12ヵ月後の減量効果が、差は小さいものの統計学的に有意に優れることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のHeather J. Baer氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年11月3日号で報告された。わずかな体重減少(たとえば3~5%)であっても、重要な健康上の利益をもたらす可能性があることから、米国の診療ガイドラインでは、肥満および過体重の患者の生活様式への介入や助言が推奨されているが、プライマリケア医は時間の制約や研修、医療システムが原因で、患者と体重に関する話し合いをしないことが多いという。また、オンラインプログラムはプライマリケアにおいて効果的で、費用対効果が優れる可能性が示されているが、日常診療での有効性や拡張性は不明とされる。

医療従事者の新型コロナ感染に対応の補償制度スタート/日本医師会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に限定した医療従事者対象の労災補償上乗せ保険として、新たな補償制度が創設された。11月9日から募集がスタートしている。COVID-19対応医療機関でなくてもすべての医療機関が加入可能で、より少ない負担で医療従事者に対する補償を行うことができる仕組みとなっている。11月11日の日本医師会定例記者会見で、今村 聡副会長が活用を呼びかけた。  治療の最前線で働く医療従事者が、万一感染した場合であっても一定の収入が補償されることが重要であるとして、COVID-19患者に対応した医療従事者が感染し休業した場合の支援制度への補助を日本医師会では国に対して要望してきた。今回創設された本制度では日本医師会他医療団体からの寄付金、国の補助金が充当される。今村氏は、「感染拡大が顕著になる中、医療従事者が万一罹患した場合の収入面の不安を少しでも解消し、安心して医療に従事するためのサポートとして、より多くの医療機関に加入していただきたい」と話した。

認知症予防に対するサウナの効果

 サウナのような温熱環境の繰り返しの利用は、認知症発症を予防するうえで、有益である可能性が示唆されている。しかし、疫学的エビデンスはあまり多くない。フィンランド国立保健福祉研究所のPaul Knekt氏らは、サウナによる温熱環境(サウナの利用頻度、セッション回数、滞在時間、温度)とその後の認知症発症リスクとの関連を調査するため、プロスペクティブコホート研究を実施した。Preventive Medicine Reports誌2020年10月2日号の報告。  対象は、Finnish Mobile Clinic Follow-up Surveyにおける認知症でない30~69歳の男女1万3,994例。フォローアップ期間39年の間に、1,805例が認知症と診断された。サウナの利用状況は、アンケートにより収集した。Coxモデルに基づく分析には、サウナ利用変数と潜在的な交絡因子を含めた。

医療従事者とその家族のCOVID-19入院リスク/BMJ

 スコットランドにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者のうち、6分の1は医療従事者とその家族であることが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAnoop S V Shah氏らによる国内コホート研究で明らかにされた。また、全体としては入院絶対リスクは低いが、患者との対面サービスを担う(対面職)医療従事者の入院リスクが非対面職医療従事者と比べて3倍、その家族についても2倍高かったという。医療従事者のCOVID-19感染リスクの研究は行われているが、規模が小さく、単一施設をベースとした断面調査で、バイアスの影響を非常に受けやすい手法によるもの、また医師と看護師に限定されたものであり、医療従事者の家族についても評価した研究は不足していたという。BMJ誌2020年10月28日号掲載の報告。

リアルワールドにおけるSGLT2阻害薬の有用性(解説:住谷哲氏)-1315

SGLT2阻害薬のCVOTとしては腎関連エンドポイントを主要評価項目としたCREDENCEを除けば、エンパグリフロジンのEMPA-REG OUTCOME、カナグリフロジンのCANVAS Program、ダパグリフロジンのDECLARE-TIMI 58、ertugliflozinのVERTIS-CVの4試験がこれまでに報告されている。またそれらのメタ解析もすでに報告され、2型糖尿病患者の心不全による入院の抑制および腎保護作用はほぼ確立した感がある。しかしランダム化比較試験であるCVOTの結果を解釈するときに常に問題となるのは、試験結果の一般化可能性(generalizability)である。

「新型コロナウイルス感染症~日独の対応」Web講演開催/日本国際医学協会

 日本国際医学協会では、2020年11月26日(木)18時より、第60回国際治療談話会総会「新型コロナウイルス感染症~日独の対応」をWeb講演で開催する。日独それぞれにおける治療の実際、防疫課題についての講演が行われる。 <新型コロナウイルス感染症~日独の対応> 日時:2020年11月26日(木) 18:00~21:00(Web講演) 司会:近藤 太郎氏、ゲオルグ・K・ロエル氏(日本国際医学協会) 【講演I】新型コロナウイルス感染症の臨床像と治療の実際 演者:大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)、オリバー・ヴィッツケ氏(エッセン大学病院感染症科 教授、西ドイツ感染症センター[WZI] 理事)

Pfizer社の新型コロナワクチン、接種28日目以降の予防効果確認/第III相試験中間解析

 Pfizer社とBioNTech社が開発している、SARS-CoV-2に対するmRNAベースのワクチン候補BNT162b2の第III相試験の最初の中間解析で、感染歴のないボランティアへの2回目の投与(初回から21日後)の7日目以降に90%以上のワクチン有効率を示した。これは、ワクチン接種の開始から28日目以降の予防効果が達成されたことを意味する。Pfizer社とBioNTech社が11月9日に発表した。11月第3週に米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請する予定という。  BNT162b2の第III相試験は7月27日に開始。現在までに4万3,538人が登録され、そのうち3万8,955人が11月8日時点で21日間隔・2回目の投与を受けている。中間解析は、評価可能なCOVID-19症例数が94例に達した時点で外部の独立データモニタリング委員会により行われ、2回目の投与の7日後に90%を超えるワクチン有効率を示した。今後の研究の進行に応じて、最終的な有効率は変わる可能性がある。

COVID入院患者で注意しなくてはならないのは?(解説:香坂俊氏)-1314

COVIDは11月現在、まだ世界で猛威を振るい続けている。なかでも状況が深刻なのは米国であるが、かの国から興味深い報告がなされた(掲載されたのは珍しくBMJ[英国の雑誌]なのであるが…)。COVID-19の感染が確認された成人患者情報が68の病院のICUから集められ、合計5,019人の「集中治療を要した」COVID患者のデータが解析された。このうち14%が心肺停止となったとされ、このあたりの数値は武漢からの報告ともおおむね一致している(武漢のCOVID専属治療施設での重症例の心肺停止の頻度が20~25%程度であった)。院内心停止が発生した患者は高齢かつ、併存疾患が多く、ICU病床数の少ない病院に入院している傾向にあり、心停止の際にモニターでよく見られたパターンはPEA(無脈性電気活動:50%)とasystole(心静止:24%)であった