医療従事者の新型コロナ感染に対応の補償制度スタート/日本医師会

提供元:ケアネット

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公開日:2020/11/16

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に限定した医療従事者対象の労災補償上乗せ保険として、新たな補償制度が創設された。11月9日から募集がスタートしている。COVID-19対応医療機関でなくてもすべての医療機関が加入可能で、より少ない負担で医療従事者に対する補償を行うことができる仕組みとなっている。11月11日の日本医師会定例記者会見で、今村 聡副会長が活用を呼びかけた。

 治療の最前線で働く医療従事者が、万一感染した場合であっても一定の収入が補償されることが重要であるとして、COVID-19患者に対応した医療従事者が感染し休業した場合の支援制度への補助を日本医師会では国に対して要望してきた。今回創設された本制度では日本医師会他医療団体からの寄付金、国の補助金が充当される。今村氏は、「感染拡大が顕著になる中、医療従事者が万一罹患した場合の収入面の不安を少しでも解消し、安心して医療に従事するためのサポートとして、より多くの医療機関に加入していただきたい」と話した。

 年間保険料は原則として1名あたり1,000円とされているが、医療機関のCOVID-19対応の状況に応じて補助金が充当され、例えば都道府県等指定のCOVID-19患者受け入れ医療機関や、発熱患者の診療または検査を行う医療機関等では、医師・看護師ら医療資格者の保険料は無料となっている。

<新型コロナウイルス感染症対応 医療従事者支援制度>
制度に加入できる医療機関:日本国内の病院、診療所、介護医療院、助産所、訪問看護ステーション
※病院・診療所については保険医療機関
補償の対象者
・医療機関が加入している政府労災保険等で給付の対象となるすべての医療従事者(被用者)が補償の対象(アルバイト、パートタイマー、臨時雇い等を含む)
・医療資格者のみを対象とすることも可能
・医療法人の代表者・役員、個人事業主(個人診療所の開設者等)は政府労災保険の特別加入者となることにより補償の対象となる
・公務員災害補償法等の対象とする公務員(国家公務員は除く)も補償対象
補償の内容:医療従事者(被用者)が新型コロナウイルス感染症に罹患し、労災事故として認定された場合に、労災保険等からの給付に加えて
・4日以上の休業を行った場合20万円を給付
・死亡した場合500万円を給付
※各補償については、政府労災保険等の給付(休業補償給付、遺族補償給付)が決定した場合に保険金が支払われる。なお、休業日数の認定は、政府労災保険等における決定に従う
保険料:年間保険料は医療従事者1名あたり1,000円
※医師、看護師、薬剤師ほか医療資格者については、医療機関の区分に応じて国や医療団体からの補助金を充当することができる。医療資格者以外は、医療機関の区分を問わず1,000円となる。詳細は同制度のパンフレットを参照
制度加入募集期間と保険期間
(1)募集期間:2020年11月9日~11月25日/保険期間:2020年12月1日~2021年12月1日
(2)募集期間:2020年11月26日~12月23日/保険期間:2021年1月1日~2022年1月1日
(3)募集期間:2020年12月24日~2021年1月25日/保険期間:2021年2月1日~2022年2月1日
(4)募集期間:2021年1月26日~2月15日/保険期間:2021年3月1日~2022年3月1日
加入方法:日本医療機能評価機構の「新型コロナウイルス感染症対応医療従事者支援制度特設サイト」からインターネット申し込み

(ケアネット 遊佐 なつみ)